BIOGRAPHY

JOYWAVE(ジョイ・ウェーヴ)


Daniel Armbruster (ダニエル・アームブラスター) – Vocals
Paul Brenner (ポール・ブレンナー) – Drums
Joseph Morinelli (ジョセフ・モリネリ) – Guitar
Benjamin Bailey (ベンジャミン・ベイリー) – Keyboards/Guitars

 
ジョイ・ウェーヴはこの10年間、社会を映し出す鏡の役割を果たしてきた。我々の日々の生活がそうであるように、彼らもまた、有機的でありながら人工的な独自のモダンなポップ・ミュージックへのアプローチを巧に作り上げた。ニューヨーク州のロチェスターを拠点とするバンドは、2020年3月にCultco Music/Hollywood Recordsより待望の3作目となる『POSSESSION』を発売した。ロチェスターにあるジョイウェーヴの持ちスタジオで、バンド創始者のダニエル・アームブラスター自身がプロデュースを手がけ、アームブラスターとバンド・メンバーのジョセフ・モリネッリ、ポール・ブレナーとベンジャミン・ベイリーでアレンジを行い、ダン・グレッチ=マルゲラット(ザ・キラーズ、リアム・ギャラガー、ラナ・デル・レイ)がミックスを行なった新作からのリード・トラックは、地下室から大きなスタージに立ち、ポップ界きっての異端児となるまでのバンドの進化が明確に表れている。様々なジャンル、モチーフ、壮大な構想を怯むことなく自分たちの唯一無二の個性に取り入れている。
彼らの最新アルバム『POSSESSION』には、過去にリリースされた『「Blank Slate」、「Obsession」、「Like A Kennedy」、そして最新シングル曲「Half Your Age」などが含まれている。
前代未聞のファースト・シングル「Like A Kennedy」や、いつまでも記憶に残る「Blank Slate」はどちらも、政治と個人を結びつけることで説明と浄化の両方を提供する。アームブラスターが見事に描く社会的な主張は、最終的に、自分を省みることに跳ね返ってくるのだ。「アルバムは支配に焦点を当てている」とアームブラスターは語る。「広い社会的な視点で観察すると同時に、非常に個人的な視点からも掘り下げる。例えば、どうすれば自分の生活や経験を掌握できるのか、といったことだったり。今、ニュースをつけると「いったい世の中どうなっているんだ?どうやって食料を買いにいけばいいんだ?或いは生活費の支払いや日々のことをどうしたらいいんだ?」とまず思うよね」
前述の「Like A Kennedy」という曲はバンドにとって初となるバラードであり、おそらくこれまでで最も鮮烈な独自性に富んだ楽曲である。神業的な慣習に逆らった歌詞に、シンプルなメロディーと優しいヴォーカルを組み合わせたこの曲は、歴史を振り返ることで、我々の今の格差社会、脱感作、情報過多と向き合い、埋れていた1976年のFM放送から引っ張り出してきたんじゃないかと思えるシンフォニックなギターソロで頂点を迎える。「メディア燃え尽き症候群についての曲だよ。反混沌。ズームアウトすることを勧めている。残念ながら、みんなこれを政治的な主張だと捉えるだろう。今は何でもそうなってしまう世の中だからね。どっちが正しいと言ってるわけじゃないんだ。むしろ、馬鹿げたことはもうやめにしよう、と言ってる。「今起きているのはこういうことです。どう思いますか?」と我々は常に問い質されている。そんなことを言われてもわからないよ。僕はただ太って、幸せに歳をとりたいだけなんだ」とアームブラスターは語る。また、「Like A Kennedy」のビデオに関しても、「つまり暴力は繰り返し起きるということ。ビデオを通して4回か5回、暗殺が起きて、僕が撃たれる度に誰も反応しない。ザプルーダー・フィルム(ケネディ大統領の暗殺映像)の2019年版みたいなもので、暴力に対して誰も驚かなくて、何度起きても誰も行動を起こさない。暴力が何度でも繰り返し行われることが許されてしまっている。正に今の時代に通じるものがある。乱射事件がある度に、たくさんの死者が出て、みんなが祈りを捧げる。でも何も変わらない。僕が驚いてしまうのは、大統領が一人銃による暴力の被害者になっているというのに、この国の立法機関は有意義な変革を何一つ起こそうとしないこと」と曲をリリースした年に語っている。
「Obsession」という曲も『POSSESSION』の聞き所の一つである。この否応なしのダンス・ポップ・チューンは実に上手く、アームブラスター曰く、「ジョイウェーヴの歴史を1曲に集約している。このアルバムがバンドをさらに多くの人に知ってもらうきっかけになればいい。だったら、僕たちがこれまでやってきたことを集約した曲が1曲あってもいいと思った。バンドのこれまでの歩みの言わば「まとめサイト」のようなものさ。僕たちのことを上手く総括していると思う」
ジョイウェーヴは2010年にソングライターでマルチ・プレイヤーのアームブラスターの自宅録音した骨組みに肉付けするために結成した。明確なビジョンを持ったミックステープとEPを発表した後、Big Dataの2013年発表シングル「“Dangerous (Feat. Joywave)」が発売され、全米レコーディング協会のゴールドディスクに認定され、オルタナ・ラジオで#1ヒットとなり、マルチフォーマット(オール・ジャンル)のラジオチャートでもトップ10入りする。2014年に発売されたEP『HOW DO YOU FEEL?』のすぐ後に、バンドのデビュー・アルバム『HOW DO YOU FEEL NOW?』が発売される。アルバムからは複数の曲がマルチフォーマットでヒットとなる。2016年の斬新なリミックス集『SWISH』も好評を博す。翌年発表された『CONTENT』は、オルタナ・ラジオで人気となった「It’s A Trip」と「Doubt」の勢いのまま、ビルボードのHeatseekersチャートでトップ10デビューを果たす。
ジョイウェーヴはツアーも同じくらい精力的にこなし、話題となる。数えきれない程のヘッドライン公演を行い、ロラパルーザ、コーチェラ、バンバーシュート、イギリスのレディング/リーズなど世界中のフェスへの出演を始め、ザ・キラーズ、ヤング・ザ・ジャイアント、フォールズ、ウォーク・ザ・ムーン、ブリーチャーズ、メトリック、サーティー・セカンズ・トゥ・マーズ、シルヴァーサン・ピックアップスらの前座も務め、他を食ってしまう程盛り上がるライヴを行ってきた。実際、この精力的なライヴ活動がそのまま『POSSESSION』を制作する上で糧となった。これまで以上に、レコーディングでもより複雑になったメンバー同士の楽器の絡みに焦点を当てるようになった。「最初の2枚よりも、僕たちのライヴを反映したアルバムになったと思う」アームブラスターは語る。「今回も、全曲僕が書いているけど、その過程が前よりもずっと開放的になって、他のメンバーも関わるようになった。最初のアルバムは、本当に僕が実家の地下室で一人で書いた作品で、2枚目も似たようなものだった。でも今度の新作は、ある程度書いた段階で、バンドの他のメンバーに開放した。僕にとっては大きな決断だった。「ミクロのミクロまで全て自分が細かく管理しなくてよくなった。今はミクロまで管理すればいい。ナノ管理からミクロ管理に変わったんだ」