ドイツ・グラモフォン120周年記念サイト ドイツ・グラモフォン120周年記念サイト

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ドイツ・グラモフォン社長ご挨拶

 

親愛なる日本のクラシック音楽ファンのみなさま


 ドイツ・グラモフォン社は、創立120周年を迎えるにあたって、長年にわたるみなさまのご支援に心より感謝申し上げます。 わが社の保管庫の中に入り、世界の、そしてとりわけ日本の何百万人もの方々に愛されてきた歴史的名盤を目にするたび、私は深い感銘を覚え、感謝の気持ちで一杯になります。この120年のあいだに、世界ではどんなことが起きたでしょうか。2度にわたる世界大戦、革命、政治的・社会的対立と和解、驚異的な技術革新……。ドイツ・グラモフォンのイエロー・レーベルは、そのすべてを乗り越えて生き続けました。いかなる状況にあろうと、真に価値あるもの、そしてときには革新的なものを目指して進み続けるなら、時代を超えて生き残る名盤を作り出せると、私は信じています。 ドイツ・グラモフォンには発見があります 子供の頃からドイツ・グラモフォンが大好きでした、という声もよく耳にします。たしかに、初めての出会いは強烈です。私自身も、すべての始まりは8歳のときに出会った1枚のレコードでした。カール・ベーム指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による、1964年の《魔笛》のレコードです。私はフリッツ・ヴンダーリッヒの声の艶やかさに、フィッシャー=ディースカウのパパゲーノの軽妙さに、そしてマエストロ・ベームの透明感にあふれると同時にドラマチックでもある演奏に、たちまち魅了されました。ある意味でこのオペラのレコードには、ドイツ・グラモフォンを偉大なレコード会社に成長させた本質が集約されています。それはすばらしく魅力的で、比類ない歌手たちの顔ぶれ(当時は懐疑的な見方もされたものです)、最新の録音技術、そして(きわめて重要な)長年にわたるアーティストたちとの信頼関係です。 ドイツ・グラモフォンは数多くの賞を受けています ドイツ・グラモフォンは、いつの時代にも若いアーティストを育ててきました。ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と40年前にデビュー盤を録音したアンネ=ゾフィー・ムターも、その一人です。わが社とムターとの、たがいに高めあえる関係は、いまも変わっていません。ラン・ランも同様です。彼はわが社に復帰しました。自分を最初から育ててくれたのは、ドイツ・グラモフォンだと気づいたからです。私たちはこのような信頼関係を通じ、アーティストたちと手を携え、数々のみごとな成果をあげてきました。65回におよぶグラミー賞受賞、80回を超えるグラモフォン賞受賞、そして日本における120回以上のレコード・アカデミー賞受賞など。私はこれらの成果を、大変ありがたく感じています。 ドイツ・グラモフォンは今後も前進を続けます わが社の創設者エミール・ベルリナーは、企業家であると同時に発明家でもありました。発明品の中でも有名なのが、レコード盤蓄音機(グラモフォン)です。その改革精神はわが社の伝統として受け継がれ、1913年には史上初の2面録音盤として、管弦楽作品の全曲録音(アルトゥール・ニキシュ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるベートーヴェンの交響曲第5番)を完成。1946年には磁気テープのみを使用する録音を開始、1982年には初のCD生産を開始。レーザーディスクの制作・発売もおこない、自社のオンラインショップでレコードを販売するクラシック・レーベル第1号となりました。現在ドイツ・グラモフォンは、ソーシャルメディア・チャンネルの中で、クラシック・レーベルとしては売り上げ第1位を記録しています。改革をおこなうにはリスクを覚悟し、障害をとりのぞかねばなりません。イエロー・レーベルは、レパートリーの拡大にあたってつねにそれを実行してきました。1949年には、歴史的楽譜の保存や、古楽器による演奏など音楽史的に意味のある録音を扱うアルヒーフ部門も、その大枠ができあがりました。そして、カール・リヒター、ジョン・エリオット・ガーディナー、ピエール・フルニエ、トレヴァー・ピノックなどの名演奏家が、たぐいまれな遺産をのこしています。先人たちはまた、大胆にもカールハインツ・シュトックハウゼン、ピエール・ブーレーズ、フィリップ・グラス、スティーヴ・ライヒなど優れた音楽家の革新的アルバムも制作しました。私たちはそのあとを引き継ぎ、マックス・リヒターなどの現代作曲家と親密に仕事を続けています。 ドイツ・グラモフォンは感動です ひとことで言うなら、ドイツ・グラモフォンは私にとって単なるレコード会社ではなく、生き方そのものに近い存在です。数千種におよぶアルバムの一枚一枚が、単なる演奏の成果という以上の、音楽を通して伝えられる特別な世界なのです。その好例として、わが社で録音をおこなったピアニストの、豊かな顔ぶれを挙げてみましょう。マルタ・アルゲリッチ、ダニエル・バレンボイム、ヴラディーミル・ホロヴィッツ、ヴィルヘルム・ケンプ、マウリツィオ・ポリーニ、スヴャトスラフ・リヒテル、クリスチャン・ツィメルマン……。こうした名演奏家たちの英知と人間性が、ドイツ・グラモフォンに刻まれてきたことを思うと、自然に頭が下がります。 これから私たちがなすべき仕事は、こうして残された貴重な財産を守り、未来へと手渡すことです。みなさんも、私のお仲間です。そして私自身は、クラシック音楽の精華をお届けできるよう、最善をつくしたいと思います。
クレメンス・トラウトマン ドイツ・グラモフォン社長


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