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アルバム『シネマ』推薦コメント

 

『第三の男』を聴いて、佳織さんのギターの限りない魅力を感じました。力強い音色に圧倒されたのです。『ピアノ・レッスン』は、映画の1シーンのようにあでやかでした。そして『ふしぎな岬の物語』は懐しい思い出いっぱいの作品です。ギターと映画の見事な共演をいつまでも聴いていたい・・・そんな思いでいます
吉永小百合
『ラスト・エンペラー』のテーマがこのように変身するとは、思いもよりませんでした。新鮮です
坂本龍一
最新アルバム「シネマ」を聞きながらこのコメントを書いている。村治と出会ったのは2012年。長崎平戸をNHKの家族に乾杯で一緒に旅をした。初対面の第一印象はふざけた人だと思った。こんなむずかしい番組を引き受けて緊張もなくいつも少し笑っている。なんと人間が大きいんだろうって、女じゃない、きれいなおっさん。自由に歩いて最後は按針の館(あんじんのやかた)というところで落ち合った。当時村治は独身だったので旅で見つけたかまぼこ屋の哲蔵という素敵な独身男を紹介した。その後その館で自然とライブを開くことになった。その選曲はその場のアドリブで弾いていくが実に的確、本当に素晴らしかった。集まった人々は一つになった。哲蔵も一瞬にしてメロメロになった。その曲がビージーズの“愛はきらめきの中に”。村治のギターの音色はそれぞれの人の頭にそれぞれの映像が浮かぶ。
まさに「シネマ」である。
笑福亭鶴瓶
馴染みの曲もそうでないものもずっと前からそこにあったかのような凛とした佇まい。彼女の人や時の流れに対する”間の取り方”をそのまま表しているような作品。呼吸をするようにギターを奏で、弦を爪弾くように今を生きる村治佳織に心からのブラボーを。
森山直太朗