BIOGRAPHY

John Williams / ジョン・ウィリアムズ


アカデミー賞受賞5回、グラミー賞受賞25回、ゴールデン・グローブ賞受賞4回など、数多の受賞歴に輝く巨匠ジョン・ウィリアムズは“オールド・スクール”と呼ばれるハリウッド映画音楽のレジェンドにして、コープランドやバーンスタインらのアメリカ音楽の伝統に連なる作曲家・指揮者・ピアニストである。

1932年2月8日ニューヨーク州生まれ。ロサンゼルス移住後、UCLAで学び、マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコに作曲を師事。米国空軍軍楽隊で兵役を務めた後は、ジュリアード音楽院でロジーナ・レヴィンにピアノを師事した。ジョニー・ウィリアムズ名義のジャズ・ピアニストとしてデビュー後、ヘンリー・マンシーニの映画・テレビ録音でピアニストとして参加し、徐々に作編曲家として頭角を現す。映画音楽作曲家デビューは『Daddy-O』(1958)。プロデューサーのアーウィン・アレンが製作した『宇宙家族ロビンソン』(1965-68)、『ポセイドン・アドベンチャー』(1972)、『タワーリング・インフェルノ』(1974)などの音楽を手掛け、ハリウッドを代表する作曲家のひとりとなる。この間、『屋根の上のバイオリン弾き』(1971)の編曲でアカデミー編曲賞を初受賞。さらにスティーヴン・スピルバーグ監督の劇場用長編デビュー作『続・激突!カージャック』(1974)を作曲し、同監督の次作『ジョーズ』(1975)でアカデミー作曲賞を初受賞。以後、『未知との遭遇』(1977)、『レイダース/失われた聖櫃〈アーク〉』(1981)、『E.T.』(1982、アカデミー作曲賞)、『ジュラシック・パーク』(1991)、『シンドラーのリスト』(1991、アカデミー作曲賞)など、同監督のほとんどの作品の音楽を手掛けている。

また、スピルバーグから紹介されたジョージ・ルーカス監督の『スター・ウォーズ/新たなる希望』(1977)の音楽を手掛け、アカデミー作曲賞とグラミー賞3部門を受賞。以後、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(2019)までの劇場用長編8本と、米ディズニーリゾートのテーマランド「スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ」のための音楽を作曲した。

その他、ウィリアムズが音楽を手掛けた重要な監督の作品に、マーク・ライデル監督の『華麗なる週末』(1969)と『11人のカウボーイ』(1972)、アルフレッド・ヒッチコック監督の遺作『ファミリー・プロット』(1976)、リチャード・ドナー監督『スーパーマン』(1978)、オリヴァー・ストーン監督の『7月4日に生まれて』(1989)と『J.F.K』(1991)、クリス・コロンバス監督の『ホーム・アローン』(1990)と『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001)、ロン・ハワード監督の『遥かなる大地へ』(1992)と『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018、テーマ曲のみ)などがある。

映画・テレビ以外の機会音楽では、1984年ロサンゼルス五輪のための《オリンピック・ファンファーレとテーマ》など、五輪のための音楽が名高い。1993年には当時皇太子だった徳仁天皇陛下結婚の儀のために、日本の寺院の鐘から着想を得た吹奏楽曲《雅の鐘 Sound The Bells!》を作曲した。その他の演奏会用作品にボストン・ポップス創立100周年委嘱作《テューバ協奏曲》(1985)、小澤征爾ホール落成記念のための《チェロ協奏曲》(1994)、ヨーヨー・マのための《ハートウッド》(2001)、デール・クレヴェンジャーのための《ホルン協奏曲》(2003)、若尾圭介のための《オーボエ協奏曲》(2011)、アンネ=ゾフィー・ムターのための《マーキングス》(2017)などがある。

1978年にロサンゼルス・フィルを指揮してコンサート指揮者デビューを飾り、1980年ボストン・ポップス音楽監督に就任。1987年にはボストン・ポップス・エスプラネード(海外ツアー用の臨時編成オケ)と初来日し、1990年と1993年にボストン・ポップス来日公演を指揮した。1993年音楽監督勇退後、現在は同団桂冠指揮者およびタングルウッド音楽祭アーティスト・イン・レジデンスを務めている。

これまでにボストン響、ニューヨーク・フィル、シカゴ響をはじめとする全米主要オケのほぼすべてとロンドン響を指揮。2020年1月にはウィーン・フィルを初めて指揮し、ヨーロッパ大陸デビューを飾った。

サントラ盤以外の録音では、ボストン・ポップスとの初録音『ポップス・イン・スペース』(1980)以降、フィリップス(現デッカ)とソニークラシカルを中心に多くの録音を残している。ドイツ・グラモフォンでの録音に、ギル・シャハムと共演した『ウィリアムズ:ヴァイオリン協奏曲』(2000)、アンネ=ゾフィー・ムターのための新編曲を指揮した『アクロス・ザ・スターズ』(2019)、ウィーン・フィルとの初共演盤『ジョン・ウィリアムズ ライヴ・イン・ウィーン』(2020年8月発売予定)がある。(2020年5月現在)

前島秀国(サウンド&ヴィジュアル・ライター)