BIOGRAPHY

ヤニック・ネゼ=セガン(指揮)
Yannick Nézet-Séguin, Conductor

カナダ出身の指揮者、ヤニック・ネゼ=セガンはモントリオール音楽院で指揮、ピアノ、作曲、室内楽を学び、卒業後、指揮者カルロ・マリア・ジュリーニに師事。2000年からモントリオール・メトロポリタン管弦楽団の芸術監督および首席指揮者、2008年からロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者を務め、2017年からヨーロッパ室内管弦楽団の名誉団員に。2018年9月からは、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場の第3代音楽監督に就任している。


ヤニック・ネゼ=セガンは2012年秋、フィラデルフィア管弦楽団の第8代音楽監督に就任し、飛びぬけた主導力を発揮し続けている。きわめて協調的なスタイル、深く根ざした音楽的探究心、限りない熱狂が、プログラムへの新鮮なアプローチとあいまって批評家からも聴衆からも歓呼の声で迎えられている。ニューヨーク・タイムズ紙は、ヤニックを「驚異」と呼び、その指揮棒のもと「オーケストラは……最高の響きを奏でている」と付け加えた。ヤニックは、楽団を新たな高みへと引き上げ、2年目のシーズンは1年目の実績の上に組み立てられている。中でも「フィラデルフィア・コミッションズ・マイクロ・フェスティヴァル」では、オーケストラの首席奏者3人のために、独奏曲を3人の世界的作曲家に委嘱する。シーズンの最後を締めくくるのは、R. シュトラウスの革新的オペラ《サロメ》の独自演出によるステージ形式での上演。これは、史上初のフィラデルフィア歌劇場との提携公演でもある。

ヤニックは、最高の手腕をふるうリーダーであり、同世代の中でもっとも刺激的な才能としての評価を確立している。2000年からモントリオール・メトロポリタン管弦楽団の芸術監督および首席指揮者、2008年からロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者を務めてきた。さらに、2013年秋からカーティス音楽院初の「メンター・コンダクター」に就任、指揮科の学生の指導にあたる。これまでに世界各国の定評あるオーケストラの多くと共演、主要な歌劇場にも招かれて高い評価を得ている。

ドイツ・グラモフォン・レーベルとは長期的な共同作業を行っている。フィラデルフィア管はヤニックの指揮でCD録音を再開、新たにストラヴィンスキーの《春の祭典》とレオポルド・ストコフスキーのトランスクリプションの録音をリリースした。さらに、ロッテルダム・フィルとはドイツ・グラモフォン、BIS、EMI/Virginに多くの録音があり、ロンドン・フィルとはLPOレーベルに、モントリオール・メトロポリタン管とはATMAクラシークに録音がある。

モントリオール生まれ。モントリオール音楽院に学び、卒業後カルロ・マリア・ジュリーニに師事。さらにニュージャージー州のウェストミンスター・クワイヤ・カレッジでジョゼフ・フランマーフェルトに師事した。これまでに与えられた数々の栄誉の中には、カナダ勲章の最高位コンパニオン章、ロイヤル・フィルハーモニック・ソサエティ賞、カナダ国立アートセンター賞、ケベック州政府が芸術家に与える最高の褒賞ドゥニス=ペルティエ賞、およびケベック大学の名誉博士号などがある。