BIOGRAPHY

VALLEJO
ABOUT “VALLEJO”

ライヴ・ミュージックのメッカ、テキサス州オースティン、50軒以上のライヴが楽しめるクラブがひしめき合い、1000人、2000人規模のホールも数多く存在する。世界的なミュージック・コンベンション、SXSW(サウス・バイ・サウス・ウエスト)の舞台としても知られるこの町で最も大きな賞賛と動員力を誇っているバンドがヴァレイホなのだ。AJ(vo,g)、アレックス(ds)、オマー(b)のヴァレイホ3兄弟がハイスクール時代’に結成したバンドを母体に88年に結成されたヴァレイホは94年に自主制作のEP『SINS』でデビュー、自力で5000枚以上売上げ、この評判を聞きつけたNYのTVTレーベルと契約を結んだ。TVTからは『SHINING SUN』、『BEAUTIFUL LIFE』という2枚のフル・アルバムをリリースするが、もともと、ナイン・インチ・ネイルズ、グラヴィティ・キルズというインダストリアル系のサウンドをメインにしたレーベルとラテン・ロックとも言うべきヴァレイホのサウンドは正反対の位置にあり、両者ともにその違和感に気づき円満に契約を満了し、エピック傘下のクレセント・ムーン・レーベルに移籍するのである。ラテン・ポップのスーパースター、エミリオ・エステファンが主宰する同レーベルからリリースされたアルバム『INTO THE NEW』はヴァレイホ・サウンドの集大成として、「新しい時代のサンタナと呼ぶにふさわしい瑞々しいサウンド」と高い評価を得たが、ポップよりのクレセント・ムーンはロック・バンド、ヴァレイホにとってはあまりに窮屈な環境でアルバム1枚を残し、彼らは再び地元オースティン中心の活動に戻ったのである。本作『ステレオ』はFUELやDISTURBEDといった現代的でダークなサウンドのバンドとツアーをした影響から当初はダークでへヴィなものだったが、昨年9月11日の同時多発テロ後、時代が暗いときにこそポジティヴなサウンドをという3兄弟のポリシーによって1度は完成に近づいたものを破棄し新たに楽曲を書き下ろし完成したのである。