BIOGRAPHY

sodagreen / ソーダグリーン / 蘇打綠


 中華圏で最も成功しているインディ・バンド。キャリアを通じ数々のヒット・チャートを賑わせ、アルバムのベスト・セラー化など、批評的にも商業的にも成功を収めてきた。中華圏で最も権威のある音楽賞であるゴールデン・メロディー・アワード(GMA)をはじめとする音楽賞の常連。ソング・ライターとしての青峰(チンフォン)、またバンドとしてのソーダグリーンはGMAに35回ノミネートされ、合計9つのGMA賞を受賞した。その中には、青峰が個人で受賞した2007年の「最優秀作曲家賞」と、2016年の「最優秀作詞家賞」も含まれる。マンダリン・ポップ音楽の歴史においてソーダグリーンほど輝かしい功績を残したバンドは他にいない。
 バンド名は、当時バンドのリーダーだった小威(シャオウェイ)とリード・ヴォーカルの青峰によって名付けられた。当初は「ソーダ」のみだったが、小威は3音節の名前を希望。そこで青峰は「ソーダ」の後ろに彼の好きな色である「グリーン」を付け、このかばん語を完成させた。
2001年5月政治大学主催のゴールデン・メロディー・カップに出場、作曲「Peeping」で最優秀人気賞を受賞。コンテストの審査員だった應蔚民氏のサポートを受け、TCMからリリースされた台「台湾インディ・コンピレーション・アルバム2001」に「Peeping」が収録された。翌年4月、ギタリストを何人か変えた後、再びゴールデン・メロディー・カップに出場。最優秀バンド賞、最優秀作曲賞、最優秀作詞賞、最優秀音楽賞を受賞した。
 2003年3月、政治大学の阿福(アフー)と家凱(ジャーカイ)、台北芸術大学の阿龔(アコン)がバンドに加わり、現在のメンバー構成となった。2004年8月、海洋音楽祭(ホーハイヤン・ロック・フェスティヴァル)で審査員大賞を受賞。2005年9月、セルフ・タイトルのデビュー・アルバム「sodagreen」を発表、先行して数枚のシングルとEPもリリース。このアルバムでバンドは2006年度GMAで多数ノミネートされた。2006年10月、セカンド・アルバム「Microcosmos」、12月にはシングル「My Future Is Not a Dream」をリリース。
2007年6月、第18回GMAで最優秀バンド賞を受賞。青峰は「Little Love Song」で念願の最優秀メロディー賞も受賞し、最優秀歌詞賞にもノミネートされた。「Microcosmos」は最優秀アルバム賞にノミネートされた。11月、3枚目のアルバム「Incomparable Beauty」をリリース。その後まもなく初の大規模コンサート「Incomparable Beauty Concert」をインディ・バンドとして初となる台北アリーナで開催。そのコンサートは、この会場で開催されたコンサートとしては史上最長の記録を保持しており、ソーダグリーンは5時間に及ぶ演奏を行い、夜遅くまで演奏しすぎたため多額の罰金を科せられた。
 2008年5月、ライヴ・アルバム『Sing With Me』をリリース。Incomparable Beauty Concertでの収録曲と3曲の新スタジオ・トラックが収録されている。「Lover Animal」は映画『JUNO/ジュノ』の華語公式テーマ・ソング。同年、第19回GMAにて、2年連続で最優秀バンド賞を受賞した。
 2009年、ヴィヴァルディ・プロジェクトを開始し、2年以内に四季をテーマにしたコンセプト・アルバム4枚を制作/リリースする計画を立てた。バンドは台東で『Spring・Daylight』をレコーディング、5月にリリースした後、ロンドンに渡って『Summer / Fever』をレコーディングし、9月にリリースした。同年末、台北アリーナで2度目の単独コンサートを開催、『Daylight Fever Concert』で2夜連続の演奏を行った。しかし、ヴィヴァルディ・プロジェクトの3枚目と4枚目のアルバムの計画は阿龔の徴兵により中止となった。
2010年、ソーダグリーンの2枚のアルバムは最優秀バンド賞にダブル・ノミネートされた。「Daylight」のミュージック・ビデオは監督に最優秀ミュージック・ビデオ賞をもたらした。同年、バンドは2枚目のライヴ・アルバム「Once in a lifetime」をリリース。このアルバムには「Daylight Fever Concerts」のライブ録音とスタジオ録音された3曲を収録。「Once in a lifetime」と「Sleeplessly」は2010年のHit FM年間トップ100シングル・チャートでそれぞれ29位と84位にランクイン。ギタリストの阿福はその後まもなく徴兵された。
 2011年に阿龔が除隊した後、バンドは11月に8枚目のアルバム『What’s the Trouble on Your Mind』をリリースした。収録曲『Enjoy Loneliness』は、青峰がトークショーで披露したことがオンラインで注目を集めた。タイトル曲『What’s the Trouble on Your Mind』のミュージック・ビデオはリリース後数日間、世界中のYouTubeでトレンドになった。2012年1月に阿福が除隊する少し前に、バンドは同年3月に台北アリーナで3回目のコンサート『Walk Together』を開催することを発表。『Walk Together』ワールドツアーは3月3日から4日までの2回のコンサートで台北アリーナを皮切りに始まった。その後2012年8月18日と19日に高雄Kアリーナで行われた2回のコンサートは完売した。
 2013年8月3日に上海でWalk Togetherワールド・ツアーを終えた直後、バンドはヴィヴァルディ・プロジェクトの第3弾となるアルバム『Autumn: Stories』を2013年9月18日にリリースすると発表した。9月のアルバムリリースに合わせて北京ではライブハウス公演が6回行われ、これらのミニ・コンサートのチケットはオンライン予約サービスの開始から10分以内に完売した。
 2014年、10周年記念ツアーを開催。ファーストEPのタイトルにもなっている「Audiovisual and illusion in the air」は4月11日に香港コロシアムでスタートし、8ヶ月間にわたりアジアの様々な都市を巡った。2015年9月、ヴィヴァルディ・プロジェクトの最終アルバム『Winter Endless』を11月4日にリリースすると発表。9月16日にはアルバム収録曲「Everyone」のミュージック・ビデオを公開。このビデオでは、アルバムの制作と舞台となったベルリンでバンド・メンバーが演奏している。
 2016年、アルバム『Winter Endless』でGMAの最優秀華語アルバム賞、最優秀バンド賞、最優秀作詞賞、最優秀アルバムプロデューサー賞、最優秀編曲賞の5部門で最多受賞を果たした。授賞式後、バンドは過去を振り返り将来を決めるため、3年間の活動休止を発表した。
 2020年、ソーダグリーンはカム・バックを発表、ニュー・シングル「Tomorrow will be fine」をリリースした。6人のメンバーは新グループ「oaeen」(文字通り「魚と釘と糸巻き」)を結成。 oaeenの3文字は、オリジナル名「sodagreen」の文字の表意文字的な一部。英語化された「oaeen」は、言語的に類似した語呂合わせで、「so-da-green」の3音節の語尾から作られた。
 2021年、oaeenはファースト・アルバム「Strange Pool」をリリース。またこの年、彼らのヒット曲「Sleeplessly」がドミニカ共和国出身の歌手Luys Bienによってスペイン語のメレンゲにアレンジされた。
 2022年、oaeenはファースト・アルバム『sodagreen』の再録盤『oaeen』をリリースした。このアルバムには『sodagreen』の全曲に加え、シャーロット・マーティンの「Pretty thing」やアラニス・モリセットの「That I would be good」などの新カバー曲が収録された。
2023年2月のコンサートで、バンドはバンド名をsodagreenに戻し、2024年から20周年記念コンサートツアーを開催することを正式に発表した。