BIOGRAPHY

シェク・カネー=メイソン / Sheku Kanneh-Mason

2016年「BBCヤング・ミュージシャン・オブ・ザ・イヤー」での優勝をきっかけに、世界中の主要オーケストラやコンサートホールから注目を集める存在となる。2018年5月、ウィンザー城で執り行われたサセックス公爵夫妻のロイヤル・ウエディングでの演奏で、その名は一躍世界に広まった。約20億人が視聴したパフォーマンスは世界各国で大きな話題を呼び、彼の国際的なキャリアの転機となった。

2018年1月にデッカ・クラシックスよりデビュー・アルバム『インスピレーション』をリリース。英国公式アルバム・チャート18位、クラシック・チャート1位を獲得した。アルバムには、バーミンガム市交響楽団およびミルガ・グラジニーテ=ティーラとの共演によるショスタコーヴィチ《チェロ協奏曲第1番》ほか、オッフェンバック、カザルス、サン=サーンスによる小品に加え、シェク自身が編曲したボブ・マーリーの「ノー・ウーマン・ノー・クライ」を収録。このアレンジはSNSを通じて話題を集め、Spotifyでは配信開始から1か月で100万回再生を超える反響を呼んだ。

2018年2月、ロイヤル・アルバート・ホールで開催された英国アカデミー賞(BAFTA)の授賞式にて「Evening of Roses」を演奏。きょうだい6人のうち4人との共演が実現した。前年の同授賞式で、レナード・コーエンの「ハレルヤ」を演奏して反響を呼び、YouTubeでバイラルヒットとなったことを受けて、2年連続の出演となった。

クラシック音楽をより広く届けることに情熱を注ぎ、教育活動にも積極的に関わっている。ロンドン・ミュージック・マスターズの初代ジュニア・アンバサダーを務めたほか、2018〜2019年にはロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団の「ヤング・アーティスト・イン・レジデンス」として教育プログラムに参加。リヴァプールでの複数公演を通じて、地域とのつながりを深めた。

熱心な室内楽奏者としても活動しており、姉のイサタ、兄のブライマーとともに「カネー=メイソン・トリオ」を結成。愛用のチェロは、1700年製のマッテオ・ゴフリラー作で、現在は無期限貸与されている。