ザ・ローリング・ストーンズ『刺青の男』、本日、1981年8月24日の発売から40周年!

2021.08.24 TOPICS




ザ・ローリング・ストーンズの『刺青の男(Tattoo You)』は、いまから40年前の1981年8月24日にリリースされた。

 69年以降のストーンズは、3年ごとにアメリカをツアーし、その翌年にはヨーロッパを廻ることを慣習としてきたが、78年の『女たち(Some Girls)』に伴うツアーは北米公演こそ実施されたが、79年のヨーロッパ・ツアーは行なわれず、80年に発売した『エモーショナル・レスキュー』に至っては、リリースが遅れでタイミングが合わなかったことと、バンドの内の人間関係がうまく機能していなかったことからツアー自体が見送られた。バンドはニュー・アルバムの制作とツアーの必要性を感じてはいたが、肝心のミック・ジャガーとキース・リチャーズの間には溝があり、曲づくりもままならない状況だった。そんな様子を見かねたエンジニアのクリス・キムジーは、それまでお蔵入りしていた曲をリニューアルしてアルバムにまとめてはどうかと提案。ストーンズは過去にも古い素材を利用し、新曲として発表したこともあったが、ここでは新作まるごとアーカイヴを有効活用するという手法を試みたのである。もっとも当時、そのことは伏せられていたため、発売されたアルバムに詳細なクレジットは記載されていない。

 そうして、73年の『山羊の頭のスープ(Goats Head Soup)』から前作『エモーショナル・レスキュー』に至るまでの未発表トラックの精査が行なわれ、それはレア・トラックも含んだコンピレーション盤『サッキング・イン・ザ・70’s』(81年)を生むことにも繋がったが、何よりも長い時間をかけることが当たり前だったレコーディングの期間は大幅に短縮され、バンドとしての作業はたった2日で終了。あとはミックによる調整、仕上げと、ソニー・ロリンズらゲストによるオーヴァーダビングを経て、最終的にボブ・クリアマウンテンが、さすがの手腕を発揮しながらミックスを施してアルバムは完成している。

 いまやストーンズの代表曲であるばかりか、80年代を象徴するナンバーにもなった「スタート・ミー・アップ」が先行シングルとして発売されると、全英7位/全米2位を記録するヒットとなり、アルバムは英国で最高位2位をマーク、27週に亘ってランクインした。また、アメリカでは9週連続で1位を獲得して30週間チャートに居座り、瞬く間にプラチナ・レコードを獲得する大ベストセラーとなったほか、世界中のチャートを席巻するメガ・ヒット・アルバムになった。ほかにも「友を待つ」や「ハング・ファイアー」のシングル・ヒットも生まれ、開局したばかりのMTVに向けて「スタート・ミー・アップ」、「ハング・ファイアー」、「ネイバース」、「ウォリード・アバウト・ユー」、「友を待つ」という5曲のプロモーション・ヴィデオも制作されている。ちなみにロック・チューンを収めた前半6曲を“ファスト・サイド”、比較的スローな曲を収めた後半5曲を“スロー・サイド”という意図を込め、アナログではAB面に分けられていたが、キースによれば「パーティーでかけやすいようにした」とのことである。

アルバムの発表に続いて満を持して行なわれた〈American Tour 1981〉も空前の観客動員を記録することとなり、その様子を収めたライヴ・アルバム『スティル・ライフ(アメリカン・コンサート ‘81)』(82年)や、ハル・アシュビー監督による映画『レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー』(83年)などスピンオフ・プロジェクトも大成功を収めた。82年には無事、〈European Tour 1982〉も敢行され、彼の地であらためてビッグ・アクトぶりを示している。この『刺青の男』のリリースはバンドにとって大きな起爆剤となり、ついには彼らを名実ともに“史上最強のロック・バンド”へと押し上げるまでとなったのである。それは同時に、60年代からスタートしたストーンズが、70年代をサーヴァイヴし、80年代もトップ・シーンに居続けることを意味していた。

 なお、ピーター・コリストンが手がけたジャケットのアートワークは、82年の第24回グラミー賞において最優秀アルバム・パッケージ賞という栄誉に輝いている。それはストーンズにとって初めてのグラミー賞受賞にもなったのだった。