BIOGRAPHY

ノイジーというバンド名は、ノイジーがやる音楽そのものだ。フック、ビート、現実逃避を融合した3人組。ある夏オスカー・ワイルドが『真面目が肝心』を執筆したワージングという英国南部の海岸町で結成された彼らは、プレイリスト世代のスピン・ザ・ボトル(グループで輪になって座り、床の上の瓶を駒のように回転させて、停止した瓶先が指す人が何かをするゲーム)の感性を生かして、ヒップホップとドラムンベースのサウンドとハッピー・マンデーズの不滅のカッコ良さを一つにした新しい音楽を創造した。

ボーカル兼ラッパーのコーディー、ギタリストのコナー、そしてプロデューサー兼ギタリストのスペンサーから成るバンドは、スケート・パークで数年間育まれた友情の集大成だ。

メンバー達は、以前は違うバンドで活動していた。コーディーは言う。「それは準備段階だったんだ。今の僕達は本当に活動してる」

過去1年半、彼らはノイジーとして活動している。18ヶ月の間に、スペンサーの家に間に合わせのスタジオを築き、彼らはそこを利用した。バンド名を考えた後、名前に騒々しいサウンドが誕生した。

「毎日、昼の12時ぐらいにそこに行って、曲を作ってる」と、コーディー。「それが僕達の生活なんだ」

その生活の甲斐あって、バンドは4月、信じ難い午前3時にマネージメントとレーベルの重役に曲を聞かせた後、アイランド・レコーズとの契約を獲得した。契約するには古いやり方だが、このバンドは音楽以外は全てオールドファッションなのだ。

「アイランドの人達は、「君達が最高に大好きだ」って感じだった」と、コーディーが話す。「僕達はまだ一曲もリリースしてなかったんだよ。サウンドだけで決まったんだ」

そして、なんと素晴らしいサウンドだろう。太く、荒々しく、ポップからラップ、ジャングルまでを行き来する。「もう境界はないんだ」と、インディー・キッズからジャンルをシャッフルするバンドに成長したことについて、コーディーは説明する。

「僕達は何をやりたいか分かっていなかった。僕達が誰なのかも分かっていなかった。だからこそ、僕達は何でもやれた。今でも、そういう感じなんだ」

お察しの通り、全てが上手くいっている。このバンドは非常に結束力があるからだ。スケート・パークで過ごした後、3人は清掃作業員としてワージング病院(NYのティン・パン・アリーが衰えたような場所)で一緒に働いていた。

「僕達はそこで長い間働いたよ、誰もが僕達はバンドをやってるって知ってた」と、コリーは笑う。「ワージングで仕事をするといえば、そこだったんだ。楽な清掃の仕事をもらえた。だから僕達の友人もみんなそこで働いてたよ。金曜日になると、「出かけるぞ!」って」

「ドラムンベース/ジャングル・ナイトがあるコーストと言うバーと、ペブルビーチの喫煙所で、彼らは週末を過ごした。

「出かければ、誰もが顔見知りっていう町だったんだ」と、スペンサーが言う。そして、週末遊ぶために生きるという一面を、彼らは今でも持っている。

「今でも「ああ、金曜日だ。友達全員で出かけてクレイジーになろう!」って感覚はある」と、コーディー。彼の言う「ロックンロールの夢を生きる」ために、彼らは音楽を作っているような感じがする。

「どんな風にノイジーを出していきたいかを話し合ったんだ」と、コーディーは続ける。「あるいは、僕達は何をノイジーと感じるのかってことを。僕達にとってそれは、NME/Radio 1ステージで、レディングで、リーズなんだ。夜8時。一日中外にいた観客達が、テントに戻って、錠剤を飲んで、「ウオオオオオオー」ってなる、その時にステージに立つのが僕達だ。僕達は昼間は演奏できない」

ファースト・シングルの「ソー・ホワット」は、バンドがヘッドライナーに育ったことを告げている。ノイジーとして彼らが2番目に書いた曲で、最高のサビと、共感と卑下の微妙な一線の上を行く歌詞を伴った、クレイジーなクラブ向きの必至の曲だ。それが2万人の観客の前で鳴り響くところを想像してみて欲しい。

「歌詞は日常の出来事を基に書いてる。僕の人生経験からね、ただ出てくるんだよ」と、コーディー。そして、彼らのEPPress Space to Play』でも、高いハードルが掲げられた。来年の1月、ビートから始まってカット&ペーストされ、何層にも重ねられ、進化し、無限の楽しみによって引っ掻き回されて(「アイ・ウィッシュ・アイ・ワズ・ア」というFOMO(他の人がやっている楽しい体験をし損ねること恐れる)世代の鋭い考察に注目)生まれた4曲のコレクションが発表になる。

「ポップになるはずだったんだ」と、コーディーは作曲プロセスを振り返る。「僕達は「ウィー・ファウンド・ラヴ」(カルヴィン・ハリスをフィーチャーしたリアーナの曲)を書きたかった。あの世界に行きたかった。そして、そういう世界を見せられるような曲の数々を作った。でも、それは僕達じゃなかった。一旦そこへ行って、今の僕達がやっている音楽に戻る必要があったんだと思う」

彼らが暗い方向へ進まなかったのは、現実逃避の感覚のおかげだった。「僕達の年齢のキッズは、沢山の感情を抱えていて、怒ってて、何が起こっているのか分からなくて、ただ「くそくらえ」って思ってる」とスペンサーは言う。「それを手放さないと」

そして、ノイジーはキッズのそのためのサウンドトラックになろうとしている。金曜日のボーイズのために。週5日は週末を渇望して過ごし、週末に遊ぶことを繰り返す20代の若者達のために。世界で起こっているあらゆる酷いことの解毒剤になるのだ。

「全ての人達が夢中になる音楽ではないよ」と、コーディーは言い、笑顔をみせた。「でも、これまでに聞いてくれた人達は全員、大好きになってる」

「グラストンベリーでヘッドライナーになりたい」と、コーディーは続ける。「僕達は全部やりたい。僕達はハングリーなんだ。それを目指さないとしたら、何の意味がある?」

その通り、何の意味があるだろう? あなたの楽しい週末は、ここから始まる。