<レポート>クラシックの殿堂”サントリーホールでコンサートを開催。88人編成のフルオーケストラを指揮し、初めて自らの名で発表した交響曲「《連祷(れんとう)》-Litany-」を演奏。

2017.01.24 TOPICS

作曲家・ピアニスト、新垣隆が1月23日(月)に東京・港区のサントリーホールの大ホールでコンサートを開催した。サントリーホールは1986年オープン、クラシック界の「帝王」と呼ばれたカラヤンが設計に関わった事でも知られる、日本屈指の名門クラシック・ホール。この世界に知られるクラシックの殿堂で、新垣隆は自らの名において昨年発表した交響曲「《連祷(れんとう)》-Litany-」を総勢88名編成のフルオーケストラを指揮し、演奏した。同曲は、ゴーストライター騒動の発端となった交響曲『HIROSHIMA』以来、13年ぶりに新垣隆が書きあげた、初めて“自らの名において発表された”交響曲だ。クラシック音楽評論家や各界の著名人たちから絶賛された同曲を収めたアルバム『交響曲《連祷(れんとう)》-Litany-』は、名門クラシック・レーベル“DECCA”から昨年11月に世界発売されたことも大きな話題となった。

アルバムの世界発売を記念しての初のサントリーホール公演ということで、あらためて新垣隆の孤高の音楽に興味を持った人たちやファンたちが1800名、会場を訪れた。

コンサートは2部構成となっており、第1部は児童合唱団やヴォーカル・グループ、学生ブラス・バンドなどのゲストたちと、コラボレーションやトークを交えてリラックスしたムードでスタート。ステージに登場した当初の新垣は、名門ホールのステージに最初こそ緊張した面持ちであったが、それも徐々にやわらぎ、MCでは笑顔も見られるようになり、ゲストとのトークでは時折、観客から大きな笑いも沸き起こった。第1部の最後にはアルバム『交響曲《連祷(れんとう)》-Litany-』から、「ピアノ協奏曲《新生》」を自らピアノ演奏をしながらの指揮で披露、卓越したピアノ演奏でも観客を魅了した。
第2部はいよいよハイライトとなる新しい交響曲「《連祷(れんとう)》-Litany-」を演奏、自ら88名のオーケストラを指揮し、壮大なる“祈りのシンフォニー”で会場を包んだ。「《連祷(れんとう)》-Litany-」は3楽章からなり、「悲しみをのりこえよう、という祈り」のストーリーを音で描写した約43分の大曲。ホール観客は、新垣の指揮棒の先に映像を思い描くように見つめたり、またはストーリーを想像するかのように目を閉じ、「新垣ワールド」に聴き入った。演奏終了後には観客から割れるような拍手喝采が鳴り続いた。アルバム収録曲である「流るる翠碧」を演奏し、約2時間のコンサートは21時過ぎに終了した。
演奏後にはホール内にてサイン会を実施、新垣隆の演奏に感動した多くの観客が長い列を作った。新垣はその一人一人に笑顔で丁寧に対応し、彼の音楽同様に真摯で熱心な姿を見せていた。

舞台裏で新垣隆は「ちょうどいまから3年前にあの騒動があったのですが、その後に世界デビューさせていただき、また、サントリーホールで演奏させていただけるとは、あの時点では想像もできませんでした。これまでにいろいろな方々と関わり、支援をいただきまして、再出発を出来たことを感謝しております。サントリーホールはクラシックの音楽家にとっては憧れの場所で、ここで演奏できることは大変光栄です。クラシック音楽の「生の楽器の響き」を体で感じることが出来るホールです。新しい交響曲「《連祷》-Litany-」は様々の方との関わりで生まれた大事な作品ですので、大切に演奏していきたいと思います。これからも音楽家として世界と関わりを持ちながら、音楽を作っていきたいです」と感無量の様子で語った。


コンサート・タイトル:新垣隆展 サントリーホール
開催日時:2017年1月23日(月)18:30開場/19:15開演
開催場所:サントリーホール (〒107-8403 東京都港区赤坂1-13-1)
当日集客人数:1800名

演奏曲目:
第1部
① 「僕らのマーチ」 演奏:東海大高輪高校吹奏楽部
② 「ロンド」 演奏:新垣隆(piano)、松本蘭(violin)
③ 「メロディ」 演奏:新垣隆(piano)、松本蘭(violin)
④ 「たいせつなあなたへ」 演奏:レジェンド(ヴォーカル)、ひばり児童合唱団
⑤ 「ピアノ協奏曲『新生』」 演奏:新垣隆(piano)、東京室内管弦楽団
(15分休憩)
第2部
⑥ 「交響曲《連祷(れんとう)》-Litany-」 演奏:新垣隆(指揮)、東京室内管弦楽団
アンコール
⑦ 「流るる翠碧」 演奏:新垣隆(指揮)、東京室内管弦楽団

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