前作から1年弱という短いインターバルで早くもニュー・アルバムを本日リリース!メンバーのインタビューから6thアルバム『プライズファイター』を紐解く。
グレイシー・エイブラムスやホージア、フィニアス、ジャスティン・ヴァーノン(ボン・イヴェール)ら様々なコラボレイターと共に、ザ・ナショナルでの活動の他にテイラー・スウィフト等での仕事で知られるアーロン・デスナーをプロデューサーに迎え制作された、マムフォード&サンズによる通算6作目のアルバム『プライズファイター』が本日リリースされた。前作『ラシュミア』から1年弱という短いインターバルでリリースされた今作について、メンバーのマーカス・マムフォード(vo, g, ds)が「僕たちは今、クリエイティヴの面で全盛期を迎えていると感じています。『プライズファイター』は、真剣で遊び心があり、時には傷つきながらも、常に希望に満ちた作品です」と語る。
“ここ数年では彼らにとってベストな一枚”(The Times)、”特に壮観なアルバム”(Clash)、”天高く舞い上がっていくハーモニーとアンセム的なコーラス…マムフォード&サンズが戻ってきた!”(MOJO)等、早くも本国イギリスではその内容が絶賛されている。
そんなバラエティに富んだコラボレイターと共作された楽曲群の中でもリリース発表時より大きな注目を集めてきた、グレイシー・エイブラムスをフィーチャーした「バッドランズ」もこのタイミングで遂に公開された。グレイシーのことを”このアルバムのゴッドマザー、妖精のゴッドマザーのような存在”と称するマーカスはこの楽曲の制作に関して次のように語っている。
「「バッドランズ」は、ジャスティン・ヴァーノンとアーロン・デスナーが遊び心いっぱいで一緒に作ったスケッチから生まれました。珍しい5/4拍子の曲で、そこにぴったりのメロディーと、彼らが心から共感してくれる歌詞をどうしても見つけたくて、頭の中にボニーとクライドの姿を思い描きながら、この曲全体を書き上げました。
そしてグレイシー・エイブラムスに全曲を聴いてもらい、彼女がこの曲を歌うことを選んでくれた時、僕は本当にワクワクしました。デュエットになったことで曲の空間が生まれ、僕が全編にわたってオクターブ下で歌うことで、彼女が歌う帯域にはたっぷりと余白ができ、彼女の声が存分に生きると思ったからです。「バッドランズ」における彼女のヴォーカルは、アルバムの中でも特にお気に入りの部分のひとつです。彼女のポップなセンスやスタイルが、そのままパフォーマンスに表れて、輝いていたと思います。しかも、録音は違う場所で行われ、僕たちはその場にいなかったのですが、送られてきた音源を聴いたときは本当に嬉しくてたまりませんでした」
マムフォード&サンズ「バッドランズ with グレイシー・エイブラムス」
また2026年初頭にリリースされたシングル「ザ・バンジョー・ソング」のMVも同時公開された。このビデオは英ブリストルの”STREETS OF SOUL”というイベント・チームが監督、プロデュースを手掛け、そこに集まる人たちが音楽とダンスによって同じエナジーを共有する姿をドキュメントした作品となっている。
マムフォード&サンズ「ザ・バンジョー・ソング」ミュージック・ビデオ
2015年の『ワイルダー・マインド』以来となるアーロン・デスナーとの仕事は偶然の再会から始まったという。マーカス・マムフォード曰く
「エレクトリック・レディ・スタジオで『ラシュミア』の仕上げをしていた最中に、アーロン・デスナーが会いにきてくれました。彼は同じ建物の別のスタジオで作業中で、僕たちはただ近況を話しました。特別な目的もなければ、一緒に仕事をする計画もその時点ではありませんでした。彼に会えて本当に嬉しかったし、その日も、彼は僕たちが音楽的にどこまで進んでいるかを聴いてくれて、逆に自分のアイデアもいくつか披露してくれました。それらがとても魅力的で、僕たちがずっとやりたかったことでもありそれらがすぐにでも実現できそうな感覚もありました。そして、それからあっという間に一緒にアルバムを作ることになりました」
「ラン・トゥゲザー」という楽曲はフィニアスとの共作によってできあがった。
「「ラン・トゥゲザー」はエレクトリック・レディ・スタジオの一室で、フィニアスとこの曲のサビを書いたのが始まりでした。そのあと、アーロン・デスナーのスタジオで僕が弾いていたバンジョーのパートからヴァースが生まれました。そして、アーロンのスタジオであるロング・ポンドでバンドとして本格的に仕上げました。その結果、マムフォード&サンズらしい曲の理想形とも言えるものになったと思います。四つ打ちで、アコースティック楽器を中心に、全員の声を心から響かせるという、まさに僕たちらしい楽曲です」(マーカス・マムフォード)
また、ジジ・ペレスをフィーチャーした「イカロス」についてはマーカスがこう語る
「ニューヨーク州北部をツアーしていてジジ・ペレスと一緒の時に、まだ録音が完成していないデモを彼女に聴かせました。そしてステージに上がる1時間前に、一度だけリハーサルをしてもらったのですが、彼女は本当に魂を込めて歌ってくれて、曲の一部になってしまったんです。そこで正式にアルバムに参加してもらうことをお願いしたところ、快く引き受けてくれました」
前作『ラシュミア』は活動を一時休止していたバンドが再び集結して制作されたアルバムということで、彼らが出会いバンドを最初に作ろうと考えた場所の名前がタイトルとしてつけられることとなった。テッド・ドウェイン(b)はこの数年間から今作の制作の間の時間を振り返る。
「このアルバムを作る過程では、偶然の出会いと素敵な流れが続きました。まず2023年1月、僕たちはただ集まって曲を書きながら過ごしていたんです。単純に楽しんで、たくさんの音楽を一緒に生み出していました。デイヴ・コブ(『ラシュミア』プロデューサー)とは何度かZoomで話しましたが、彼が提案したのは、まるでカーテンを開けて、自分の部屋にいるバンドを見ているような感覚で、本当に親密なレコーディングをすることでした。彼とのレコーディングは本当に素晴らしく、パリではファレルとのセッションも数回ありました。ニューヨークのスタジオでアーロンと偶然出会った頃には、私たちの創造的な感覚は十分に温まり、友情も深まり、音楽が飛び交う中で、すべてが非常にシームレスに進みました。彼とのレコード制作プロセスに自然と身を委ねていました。数回のセッションを経て、全てがニューヨーク州北部のロング・ポンドにある彼のスタジオで完成しました。アーロンの導きによって、僕たちはこれまで以上に自分の直感を信じて作ることができました。このアルバムはまさに“いまの僕たち”を映し出す作品になったと思います」
その”ラシュミア”で出会い、バンドを組んでから来年で20年という時間が経つことになる。数多くのライヴをこなしてきた。その過程で築いてきたファンとの関係についてマーカスはこのように語る。
「最近のライヴでは、新しい曲をセットの最初や最後に置くことが多いんです。まだリリースしていない曲を、です。今ではオーディエンスのみんなも、僕たちを信頼してくれていて、「何かに招かれているんだな」と感じてくれていると思います。アーティストとしての理想は、オーディエンスと深くつながることだと思っています。そのためには、自分たちの創作のプロセスに少しだけ招き入れることも大事です。もちろん、驚かせるのも楽しいけれど、ときには一緒に旅をしているような感覚を共有するのも素敵です。何年もバンドを続けてきたことで、オーディエンスとの間にはたくさんの信頼関係が築かれてきました。僕たちはまた訪れたい場所、会いたい観客の前でできるだけ演奏したいと思っています。彼らと僕たちの間にある膜はとても薄く、 “隔たり”がありません。僕たちはできるだけ近くで演奏することを大切にしています。その感覚はセット全体からも伝わっていると思います」
7月にはロンドン、ハイドパークでのライヴも決定しているマムフォード&サンズ。仲間と集まって音楽を作り演奏する、そしてオーディエンスがそれを享受してその輪が広がっていく…そんな音楽の根源的な喜びで世界をこれからも繋いでいってくれるだろう。
■アルバム情報
アーティスト:マムフォード&サンズ / Mumford & Sons
アルバム・タイトル:プライズファイター / Prizefighter
発売日:2026年2月20日
国内盤CD / 輸入盤 / 輸入盤
この世界を歩いていくために君は何を歌う、そして誰と歌う?
これまで世界を繋いできた歌が、その歌を紡いできた自らの思いを再び漲らせる。前作『ラシュミア』から1年弱で早くもリリースされるニュー・アルバム!

