BIOGRAPHY



ミハイル・シモニアン(ヴァイオリン) / Mikhail Simonyan, violin



Simonyan _subimage 200「シモニアンは、絶頂期のダヴィッド・オイストラフを思わせる風格と完璧さ、そして燃えるような情熱をもって演奏する」(マイアミ・ヘラルド紙)

1986年、ノヴォシビルスクで、アルメニア人の父親とロシア人の母親とのあいだに誕生。ミハイル・シモニアンは5歳からヴァイオリンを学び、サン クトペテルブルクで開かれた全ロシア・コンクール、シベリア・ヴァイオリン・コンクール、モスクワで開かれた全国コンクールでそれぞれ優勝。

1999年:ニューヨークに移住し、アメリカ・ロシア・ヤング・アーティスツ・オーケストラ(ARYO)との共演でリンカーン・センターにデ ビュー、絶賛を浴びる。ARYOとマリインスキー・ユース・オーケストラとのジョイント・コンサートで、シマノフスキのヴァイオリン協奏曲第1番を演奏 し、サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場にデビュー。

2000年:サンクトペテルブルクで「ヴィルトゥオーソ・オブ・ジ・イヤー」受賞。2001年:ワシントンDCのケネディー・センター35周年記念コンサートにソロ出演。

2002年:レナード・スラトキン指揮ナショナル交響楽団との共演で、ワシントンに公式デビュー。ホレイショ・アルジャー賞のディナーでも演奏。ダヴォスで開かれた世界経済サミットでも演奏をおこなう。

2003年:ワシントンの全国業績アカデミー演奏芸術部門の最優秀賞に選ばれる。

2004年:ワレリー・ゲルギエフ指揮キーロフ歌劇場管弦楽団がアメリカ・ツアーをおこなった際に、同オーケストラにデビュー。同じくゲルギエフの 指揮でピッツバーグ交響楽団にチャイコフスキーの協奏曲 でデビュー。ボストン・ポップス、シンシナティ交響楽団にもデビューしたほか、クリスチャン・ヤルヴィ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団とも共演。ミハイ ル・プレトニョフ指揮プラハの春音楽祭にもデビューをはたす。フィラデルフィアのカーティス音楽院(ヴィクトル・ダンチェンコに師事)を卒業。シモニアン はロシアにもどり、帰国後すぐに祖国の主要オーケストラに招かれて共演。ロシア・ナショナル管弦楽団でのデビューを、『モスクワ・タイムズ』は「彼は同じ ノヴォシビルスク生まれのマキシム・ヴェンゲーロフ、ワディム・レーピンと並ぶスーパースターになるべく運命づけられている」と評した。

2005年:プーチン大統領の招きでクレムリン宮を訪れ、ロシアで最も有望な若き音楽家の1人と認められた。

2008年:ニューヨークのクラシック・レコード協会より「ヤング・アーティスト賞」を受賞。

2009年:ウラディーミル・スピヴァコフ指揮ロシア・ナショナル・フィルハーモニー交響楽団とツアーをおこない、チャイコフスキーのヴァイオリン 協奏曲を演奏。チャールズ皇太子の招きによりウィンザー城でチャイコフスキーの協奏曲を演奏。パリ(ルーブル宮)およびニューヨーク(リンカーン・セン ター)でリサイタル・デビュー。ニュー・ワールド交響楽団のシーズン幕開けに、マイケル・ティルソン・トーマス指揮によりグラズノフの協奏曲を演奏。初録 音(プロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ)が発売になり、『ザ・ストラド』誌で「音色と歌わせ方の純粋さ、魅惑的な色彩に富む表現力をかねそなえてい る」と絶賛される。

2010年:ニューヨーク・フィルハーモニックにデビューし、ブラムウェル・トヴェイの指揮でチャイコフスキーの協奏曲を演奏。クリスチャン・ヤル ヴィの指揮で、西オーストラリア交響楽団とシマノフスキのヴァイオリン協奏曲第1番を、フランクフルト放送交響楽団とアルヴォ・ペルトの《タブラ・ラサ》 を演奏。ラヴィニアとヴェルビエの音楽祭でリサイタルをおこなう。10月にはキャンセルになった五嶋みどりの代役でボルティモア交響楽団にデビュー。カ ブールに新設されたアフガニスタン国立音楽院を支援するため、「銃弾ではなくベートーヴェンを”Beethoven Not Bullets”」と銘打った運動を立ち上げる。シモニアンは、戦いで荒廃したアフガニスタンで唯一の音楽学校である同校の学生たちのために義援金を集め る活動をおこなっている。

2011年:おもなコンサート活動としては、すべてクリスチャン・ヤルヴィの指揮でロイヤル・スコティッシュ管弦楽団(ショスタコーヴィチの協奏曲 第1番)、オーフス交響楽団(バーバーの協奏曲)、シンシナティ交響楽団(ハチャトゥリアンの協奏曲)、バルト・ユース・フィルハーモニック(ニールセン の協奏曲)と演奏。クリスチャン・リンドバーグの指揮でアイスランド交響楽団と共演(チャイコフスキーの協奏曲)、ニコラス・マッギガン指揮によりアスペ ン音楽祭(ブルッフの協奏曲第1番)で演奏。日本およびアメリカでリサイタル。ミハイル・シモニアンはドイツ・グラモフォンと専属録音契約を結ぶ。同社で のデビュー録音はクリスチャン・ヤルヴィ指揮ロンドン交響楽団との共演による、ハチャトゥリアンとバーバーのヴァイオリン協奏曲のカップリングで、 2012年に発売予定。(日本先行発売2011年9月)

2012年:ザグレブ、コペンハーゲン、ライプツィヒ、サンアントニオでのオーケストラとの共演、およびワシントンとドイツでのリサイタルが予定されている。

2011年7月 ドイツ・グラモフォンの資料より 訳:木村博江