マライア・キャリー7年ぶりの来日公演スタート!初日神戸公演のライブレポと写真が到着!
2025年10月28日にから行われているマライア・キャリー(Mariah Carey)の7年ぶりの来日公演。この初日となったジーライオンアリーナ神戸の村岡 勇治さんによるライブレポートと写真が到着しました!
残る来日公演は、11月1日と11月2日のKアリーナ横浜となっており、11月1日は既にソールドアウト、11月2日はS指定席のみ販売となっています。
また、現在『The Emancipation of Mimi』20周年記念盤の日本限定2CDに加えてUNIVERAL MUSIC STORE限定アナログ・レコード(5LP)が発売中です。
10月28日夜、国際都市・神戸がマライア・キャリーで沸いた。日本はもちろんのこと、アジア、そして世界各国から訪れた人々が同地に集結して、彼女の7年ぶりのジャパン・ツアー初日に臨んだのだ。

いち早くソールドアウトとなった当日は、マライアの熱唱を軸にして、音楽監督ダニエル・ムーアを含む4名の精鋭ミュージシャン、デビュー時からの彼女の親友であるトレイ・ロレンツを含む3名のコーラス隊、ストリート感覚とインテリジェンスを合体させた8名の男性ダンサー陣が織りなす、圧巻のパフォーマンスに加えて、会場に詰め掛けた約10,000人のオーディエンスの熱気が一体となり、忘れられないホットな一夜になった。

会場となったジーライオンアリーナ神戸は、2025年4月にスタートしたばかりの神戸の新名所。海にせり出した岬にそびえ立つお城のような趣のファンタスティックなスポットだ。
マライアにとって、今年=2025年は1990年のデビューから数えて35周年と、大きな節目となる年である。7年ぶりとなる今回の来日公演は、ツアー名を「THE CELEBRATION OF MIMI」と銘打ったように、2005年に発表した名盤『The Emancipation of Mimi』から20周年を記念したコンセプトだ。言うまでもなくMIMI(ミミ)はマライアの愛称である。加えてタイムリーなニュー・アルバム『Here For It All』のリリースもあり、同アルバムからのニューヒッツのお披露目も兼ねた、かなり欲張った豪華な内容になっていた。
オープニング曲は、ニュー・アルバムの先行ヒット「Type Dangerous」だ。どちらかと言えばクールな曲であり、パフォーマンス自体もクールな印象を受けたが、それがいいクッションとなり、続く2曲目として、マライア作品では最も景気づけにふさわしい「Emotions」が歌われると、会場は一気に大盛り上がりになった。
以後はベスト・オブ・ベストのNo.1ヒット/不朽の名曲のオンパレード。様々な年齢層のオーディエンスを考慮してか、初発表時のオリジナルなアレンジを意識した演奏も親切だと思った。「Emotions」を筆頭に、7オクターブ伝説健在のハイトーンのヴォーカルも連発されて、これぞマライア・キャリーと言うべきヴォーカルを満喫出来た。

ダンス・パフォーマンス/DJタイムを随所に挟んだ当夜のライヴは4部構成になっていて、前半の2パートはソニーとアイランド/デフ・ジャム時代のおなじみの曲がメイン。第3部に入るとその流れが変わって、まずニュー・アルバムからの「In Your Feelings」、「Sugar Sweet」が披露された。歌詞とメロディの反復でクセになる「Sugar Sweet」もいいが、「In Your Feelings」は新たなマライアの名曲誕生を実感させる作品であり熱唱だった。
そして、新曲2曲からリンクするパターンで、名盤『The Emancipation of Mimi』からのナンバーが後半の2パートでたっぷりフィーチャーされた。やはり、2曲の全米No.1ヒット「Don’t Forget About Us」と「We Belong Together」は圧巻だった。

ワールド・ツアーの一環として実現した今回の日本公演は、ここ数年のマライアのライヴ・パフォーマンスの中でもベストの内容だった。先に述べた高音部分も含めて、彼女ならではのヴォーカル表現が生き生きとしていたからだ。マライア・キャリーのような声を酷使するアーティストには年齢の壁もあるが、それを克服したかのような今回の熱唱は、きっと表には出てこないヴォイス・トレーニングの賜物だと思う。
最後に、皆さんお待ちかねの「All I Want for Christmas Is You」について。日本人にとって外せない同曲、歌ってくれました。この執筆は横浜公演前のためネタバレは避けたいが、一つだけ例外、雪が降ります(笑)。

Written By 村岡 勇治 / All Photo by KAZUKI WATANABE