オフィシャルインタビューを公開!

2021.10.13 TOPICS

INTERVIEW 


                     

「I’ll be there / スピン」オフィシャルインタビュー

 

―――今年6月に初のカバーアルバム「あの歌-1-」「あの歌-2-」をリリース。7月には4年ぶりの全国ツアー「yattokosa」Tour2021(故郷・鹿児島を含む全国5都市で開催)を行うなど、歌手として充実した活動を続けている上白石萌音から、初のCDシングル「I’ll be there / スピン」が届けられた。
 

―――作詞をいしわたり淳治、作曲を末光篤が手がけた「I’ll be there」は、きらびやかなピアノの旋律、華やかさに溢れたブラスの響きに導かれたポップナンバー。クラシカルな響きとドラマティックな展開を併せ持ったメロディラインからは、彼女のシンガーとしての成長ぶりがはっきりと伝わってくる。
「前に前に進んでいくエネルギーが伝わってくる曲だと思います。王道のイメージと“え、そっちにいくの?”みたいな意外な展開の両方があって、聴いていて楽しい曲ですよね。音域が広いし、メロディの起伏もあるので、最初は“ホントに歌えるのかな?”と不安だったんですよ。でも、音程やリズムを気にしつつ、大きく歌うことを意識しながらレコーディングしているなかで、ちょっとずつ気持ちよく歌えるようになって。さらに時間をかけて、少しずつ自分のものにしていきたいですね」

 

―――メロディやサウンドと同じく、未来への明るいイメージ、自分らしく生きていく決意を映し出す歌詞も、彼女の爽やかで大らかなボーカルを際立たせている。
「いろいろあるけど、がんばっていこう!と思わせてくれる歌詞ですよね。(作詞の)いしわたり淳治さんは、吹き替えに参加させてもらった映画『トロールズ ミュージック☆パワー』劇中歌の日本語詞の監修を担当されていて、そのときもすごく歌いやすかったんです。「I’ll be there」の歌詞も韻の踏み方や言葉の選び方が素晴らしくて、自然と“なるほど、こう歌えばいいのか”と導いてもらった感じがしました。特に冒頭の歌詞(騒がしい時の中で/すれ違ってもぶつからずに  踊るように君は自分を生きる人)が好きで。この曲は『王様のブランチ』のテーマソングなんですが、司会の佐藤栞里ちゃんのイメージにも重なりますね」

 

―――自ら作詞を手がけた「スピン」(作曲:諸見里修)は、初の書き下ろしエッセイ「いろいろ」の“おとも”になるような楽曲として制作されたミディアムチューン。「肩肘を張らず、何気ない日常を感じられるような楽曲をお願いしました」という素朴で子心地いいサウンドのなかで綴られるのは、彼女自身の飾らない気持ちだ。
「エッセイに全部書いてしまったので、“これ以上、何を書けばいいんだろう?”と思ったんですが(笑)、いざ書き始めると、(デビューから)10年目の節目に感じたことや、お世話になったみなさんへの感謝が自然と出てきて。“私にも歌いたいことがあったんだな”と気付きましたね。ゆったりした曲調だし、自分で書いた歌詞なので、できるだけ素朴に、ウソがないように意識して歌いました。」

 

―――「スピン」は、本の背表紙に糊付けされている栞紐のこと。日々のちょっとした出来事、大切な人が送ってくれた言葉を“栞”を挟むように残しておきたいとこの楽曲に込められた思いは、リスナーの日常をさらに豊かなものにしてくれるはずだ。
「エッセイを作っているときに、紐の栞のことをスピンと呼ぶことを知って。くるくる回るようにここまで来た感じもあるし、この曲のタイトルにもすごく合うなと思ったんですよね。」

 

―――初回限定盤のボーナストラックには、オリジナルアルバム「note」に収められた「白い泥」(作詞・作曲/橋本絵莉子)のstudio live ver.を収録。
「最初に橋本さんから送っていただいたデモがアコギ1本の弾き語りで、それがとても素敵だったんです。スタッフのみなさんと話すなかで“あの雰囲気でレコーディングしたいね”ということになり、ギタリストの遠山哲朗さんにアレンジしていただきました。『白い泥』はライブや歌番組などで何度も歌わせていただいて、だんだん馴染んできて。最初は“難しいな”と思ってたんですが、歌っていて気持ちいいし、楽しいと思えるようになりました。少しは成長してるんだなって思えたのもよかったですね」

 

―――オリジナルアルバム「note」、カバーアルバム「あの歌-1-」「あの歌-2-」、シングル「I’ll be there / スピン」と作品を重ねるごとに、シンガーとしての表現の幅を広げている上白石萌音。音楽活動に対する意欲も少しずつ強まっているようだ。
「カバーしたい曲はたくさんあるし、作詞も続けていきたいと思っています。もっともっと勉強が必要ですけど、人生はまだまだ長いし、ゆっくりやっていきたいですね。」

 

文:音楽ライター/森朋之

 

▼「スピン」 Music Video short ver.

 

 

▼「I’ll be there」Music Video