生誕100周年記念!幻の録音『ザ・タイベリ・テープス』リリース決定!

2026.09.24 TOPICS

 
コルトレーンの生誕100周年当日にあたる2026年9月23日、長年「幻の録音」として語られてきた未発表ライヴ音源集『The Tiberi Tapes』(ザ・タイベリ・テープス) が発売されることが発表された。日本では、SHM-CD、輸入盤4枚組LP、デジタルでのリリースとなる。

 
60年以上、噂だけが先行していたこの「伝説のテープ」は、サックス/クラリネット奏者のフランク・タイベリが、1960年からニューヨークとフィラデルフィアのクラブで、コルトレーンの演奏を私的に録音したもの。タイベリはレコードで聴くコルトレーンと、クラブで目の当たりにするコルトレーンの演奏には大きな違いがあると感じ、その音楽をより深く理解するために録音を始めたという。
タイベリが使用したのは、携帯型のオープンリール録音機「Concertone TR-100 Transicorder」。客席で布製バッグに機材を入れ、コートの下からマイクを伸ばして演奏を記録した。目的はレコード制作ではなく、コルトレーンのハーモニーや演奏アイデアを学び、自らの演奏と教育に生かすことだった。

タイベリはコルトレーンを追い続け、最終的に80本を超えるリール、26時間以上に及ぶ私的録音を残した。録音の存在はサックス奏者や研究者、コレクターの間で口コミによって伝わり、実際に聴いた人がごく限られていたことから、ジャズ界で半ば神話的な存在になっていった。
「公式レコード盤は全部持っていました。でも私には、クラブで聴かせる演奏やインスピレーションには到底及ばないように感じられたのです」と、タイベリはコメントしている。

録音は、一般のクラブ客席で、民生用機材を使って行われたため、音質は一定ではない。サックスやドラムが比較的明瞭に聞こえる一方、ベースやピアノの低域が弱い場面もある。しかし、本作の価値は高音質そのものではなく、コルトレーンが観客の前で試行錯誤し、音楽を前進させていく瞬間を捉えている点にある。
コルトレーン自身も、1961年の評論家ラルフ・グリーソンとの会話で、最近の「最良の演奏」のいくつかは現場で生まれたと語っており、スタジオ録音よりクラブ演奏の方が「音や再生という意味ではなく、フィーリングという意味で良い場合がある」と述べている。
今回の音源は、その“フィーリング”を伝える貴重な記録と位置づけられる。

 
本作には全11トラックを収録。冒頭には「Giant Steps」の226 BPMと262 BPMという異なるテンポで演奏した2ヴァージョンが収められている。ほか、「Impressions」「Satellite」「Good Bait」「Resolution」など、コルトレーンの創作過程と発展をたどる選曲となっている。
 
▼Giant Steps (226 bpm – Live from The Tiberi Tapes / Visualizer)

 
60年以上を経て世に出るこの録音は、単なる歴史的発掘音源ではない。既知の名曲をライヴの現場で自在に拡張し、次の表現を探し続けるコルトレーンの姿を、まさに“生成の瞬間”として伝える記録である。録音技術には限界があったが、その場で生まれていた音楽に限界はなかったことを改めて実感できる。

コルトレーン生誕100周年を祝う、「COLTRANE 100」企画の最注目作品となる。

 
 

『ザ・タイベリ・テープス』
2026年11月6日(金)発売
3SHM-CD:UCCI-1066/8

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