ECMレーベル
概要
【創立】1969年
【創立者】マンフレート・アイヒャー
【創立地】ミュンヘン
【主要アーティスト】キース・ジャレット／ヤン・ガルバレク／チック・コリア 他
ヒストリー
ヨーロッパを代表する名門ジャズ・レーベル。
ECMは1969年にマンフレート・アイヒャーがドイツのミュンヘンに創設。アイヒャーはクラシック音楽とジャズの演奏家として活動した後、20代半ばでECMを立ち上げた。ECMは「Edition of Contemporary Music」の略。透明感のあるサウンドと澄んだ音質、洗練された美しいジャケット・デザインが特徴的で、レーベルのカラーとなっている。第1弾はマル・ウォルドロンの『フリー・アット・ラスト』。このレーベルから数々の人気作、名作が生まれているが、別格の人気を誇ったのがキース・ジャレットとチック・コリアである。チックのフュージョン作品『リターン・トゥ・フォーエヴァー』(72年)、キースのソロ・ピアノ作品『ザ・ケルン・コンサート』(75年)は世界的なヒットを記録し、日本でも社会現象といえるほどの爆発的な人気を博した。70年代はソロ・ピアノのブームが起こったが、キースやチックのECMにおけるソロ・ピアノ作品の人気が影響を与えている。また、パット・メセニーが10年近く在籍し、『ブライト・サイズ・ライフ』『80／81』『ファースト・サークル』などの代表作を残したのもこのレーベルである。この他、アメリカのミュージシャンではジャック・ディジョネット、ゲイリー・バートン、ポール・ブレイ、デイヴ・ホランド、アート・アンサンブル・オブ・シカゴ、オレゴンなど、欧州のミュージシャンではヤン・ガルバレク、エバーハルト・ウェーバー、エンリコ・ラヴァ、テリエ・リビダル、ボボ・ステンソンなどが代表アーティストである。また、84年にはジャンルを広げ、現代音楽にスポットを当てる「ECM New Series」を開始。ギドン・クレーメル、ハインツ・ホリガーらが新作を発表。このシリーズからヤン・ガルバレク&ヒリヤード・アンサンブルの大ヒット作『オフィチウム』が誕生している。
アーティスト
KEITH JARRETT / キース・ジャレット
Elina Duni / エリーナ・ドゥニ
1981年、アルバニアのティラナで芸術家の家庭に生まれ、5歳で歌手としての第一歩を踏み出す。
1992年、共産主義政権崩壊後、母と共にスイスのジュネーブに移住し、クラシックピアノを学び、その後ジャズに出会う。
その後、ベルンの芸術大学でジャズを学ぶ。この間、ピアノのコリン・ヴァロン、コントラバスのパトリス・モレ、ドラムのノルベルト・ファムマッターとエリーナ・ドゥニ・カルテットを結成。これは、バルカン民謡とジャズを組み合わせた彼女の音楽的ルーツへの回帰を表している。メタ・レコードから「Baresha」（2008年）と「Lume Lume」（2010年）の2枚のアルバムをリリースした後、2012年にはECMから「Matanë Malit」、2015年には「Dallëndyshe」をリリースし、その軽快さとアルバニアのフォークロアを探求する繊細な作風がヨーロッパのメディアで高く評価され、本カルテットは2016年9月に初来日公演を果たした。
他にも2014年、コソボとアルバニアでシンガーソングライターとして初のアルバム「Muza e Zezë」（黒いミューズ）をリリースし、2017年にはスイス音楽賞の受賞者の一人となり、下記の2つの新しいプロジェクトをスタートさせた。
- 高い評価を得ているロンドンのギタリスト、ロブ・ルフトとのデュオ
- “アクシャム “は、ピアニストのマーク・ペレヌーとトランペット奏者のデビッド・エンフコによる五重奏
2018年、エリーナ・ドゥニのソロ作品（ピアノ、アコースティック・ギター、パーカッションで自身を伴奏）「Partir」と題されたプロジェクトがECMよりリリース。
2020年、オブ・ルフトとのデュオを拡大させ、UKからフレッド・トーマス(p,perc)、スイスからフリューゲルホーニスト、マチュー・ミシェルと迎え、アルバニアや地中海のフォークロア、ジャズ・バラード、シャンソン、アメリカのフォーク・ソングなど幅広い世界を探求した最新作『Lost Ships』をリリース。
