BACK TO THE 90s ROCK BACK TO THE 90s ROCK

BACK TO THE 90s ROCK

第 2 弾 :PUNK/EMO/MIXTURE 2026年6月24日スタート

blink-182

デュード・ランチ

  • UICY-16449

    BUY NOW

  • のちの巨大な成功作『エニマ・オブ・アメリカ』の影に隠れがちだが、今作も歴史的には重要だ。このサウンドによって、この歌詞によって、パンクの重心が「反体制」から「等身大の若者」へ移っていったとも言える。失恋と未熟さを、怒号でも社会批判でもなく、軽快な疾走感で歌うというひとつの発明。照れ隠しの笑いともとれるこの態度は、感情をシリアス一本で提示しないエモの始点としても捉えられるのではないだろうか――90年代はまだシリアス一辺倒のエモが多い時代だったがゆえに。2020年代現在、多くの洗練されすぎた青春の表現が世を席巻している中で、今作の体当たりの愚直さは逆に新鮮だ。(つやちゃん)

blink-182

エニマ・オブ・アメリカ

  • UICY-16450

    BUY NOW

  • 『デュード・ランチ』で生み出された原型を元により完成度を高め、世界標準へと磨いていったヒット作。速いテンポに軽薄な内容、しかし構造は極めて洗練されているという三点が揃ったことで、パンクは一過性の若者文化からポップフォーマットへと完成された。「What’s My Age Again?」等のヒット曲を改めて聴くと、サビ先行の構造に明確なフック、3分に満たない尺という、ポップの規格が揺るぎない形で打ち立てられていることが分かる。重要なのは、パンクがポップに取り込まれたのではなく、パンクの側がこのフォーマットを作り上げたという点。これをきっかけにポップパンクの波が爆発することになった、記念碑的作品。(つやちゃん)

MxPx

ウェイ・オブ・ザ・バッファロー

  • UICY-16451

    BUY NOW

  • 高校の同級生が92年に結成したワシントン州ブレマートンの3人組、Magnified Plaid改めMxPx。高校在学中にデビューした彼らにとってメジャー・レーベルからの1作目となったこの4thアルバムは、メロディック・ハードコアから、90年代型のメロディック・パンクに変化しようとしているバンドの過渡期の記録と言えそうだ。「Cold and All Alone」をはじめ、2ビートのメロディック・ハードコア・ナンバーも収録する一方で、音階上昇メロディーが印象的な「The Final Slowdance」では8ビートと2ビートに加え、シャッフル、3連符のリズムも使いながら、大胆なリズム・アプローチに挑んでいる。その他にもインディ・ロック風の曲があったり、サーフ・インストがあったりとアレンジに加えた、さまざまなヒネリが聴きどころになっている。(山口智男)

アグリー・キッド・ジョー

悪ガキ白書2~立候補編

  • UICY-16452

    BUY NOW

  • 「エヴリシング・アバウト・ユー」の大ヒットでいきなり時のバ ンドとなったアメリカの5人組による1stフル・アルバム。同楽曲の印象があまりにも強かったこともあり、当時は本作に対するアル バムとしての評価がイマイチで、なおかつ「容易く成功を手に入れた一発屋」的なイメージで捉えられがちな傾向があったが、80年代メタルとパンク、グランジとミクスチャーの美味しいところを掛け合わせながらコマーシャルさまで兼ね備えたルール無用さは実に痛快だし、多様な要素を強引にまとめてしまうバランス感覚に優れたバンドだったことを改めて実感させられる。ハリー・チェイピンの「キャッツ・イン・ザ・クレイドル~ゆりかごの猫」のカヴァーも秀逸。(増田勇一)

アグリー・キッド・ジョー

厄介者

  • UICY-16453

    BUY NOW

  • 前作から3年を経ての第2作。すでに時代的にはグランジ/オルタナティヴがロックにおける主流となり、「エヴリシング・アバウト・ ユー」の神通力も効かなくなってきつつあったが、バンドは前作での「なんでもアリ」なスタイルからダーク&ヘヴィな方向へとシフトを定め、その結果、ロック・バンドとしての本質的な部分と骨太さがより浮き彫りになった。スケボーに夢中だった悪ガキどもが酒の飲み方とブラック・サバスの魅力をおぼえたかのような成熟が感じられるのだ。全米チャートでは100位圏内に姿を現すこともなかったが、ガンズ・アンド・ローゼズ不在の1995年にこの作品が美味しいところを持っていけた可能性も充分にあったはずだと思える内容だ。(増田勇一)

イギー・ポップ

ブリック・バイ・ブリック

  • UICY-16454

    BUY NOW

  • 1988年発表の前作『インスティンクト』でのハードでソリッドなアプローチは、イギー本来の持ち味が発揮された傑作であると同時に、ガンズ・アンド・ローゼズの成功などに象徴される当時の時流とも合致するものだった。そして鬼才ドン・ウォズを初めてプロデューサーに迎えて制作されたこのソロ第9作では、そのガンズからスラッシュとダフ・マッケイガンが全4曲でゲスト参加。まさにオリジネイターから次世代へと引き継がれたものがふたたび先駆者に還元されるかのような、有機的なエネルギーの交感が実現する結果となっている。「ホーム」、B-52’sのケイト・ピアソンとのデュエットによる「キャンディ」など、キャッチーな魅力に富んだ曲が目白押しだ。(増田勇一)

ウィーザー

ウィーザー

  • UICY-25049

    BUY NOW

  • パンクの粗さ、エモの内面、パワーポップの構造をオタク的感性で再編し、世界中に“ウィーザー的な感性”を伝播し確立させた名盤。「Buddy Holly」をはじめ全編で、キレるでも叫ぶなく、ただ気まずい心情が吐露される。これはパンクの精神を、外向きの攻撃性から内向きのぎこちなさへと転換したものだ。あるいは、ライツ・オブ・スプリング以降の激情的なエモや、同時代のジョーブレイカー的なざらついた感情表現と比べても、本作ではぎこちない恋愛や自己嫌悪といったテーマを、極めてキャッチーなメロディで提示している。今では当たり前のアプローチは、彼らが「発明」した。色褪せることのない、非ヒーロー型ロックの原点。(つやちゃん)

オフスプリング

イクスネイ・オン・ジ・オンブレ

  • UICY-16486

    BUY NOW

  • 『スマッシュ』でスピードやキャッチーさ、反抗性を結びつけてポップパンクの爆発を引き起こしたオフスプリング。本作ではその路線を単純に拡張するのではなく、風刺や物語といった社会的視点を導入、自己批評性を高めることに成功した。より洗練されたプロダクションや多様な曲調も特徴で、スカやハードロック的要素も自然に取り込まれているのが面白い。つまり「売れた後のパンクは何を語るのか」という問いへのひとつの回答を生み出しているのだ。「Gone Away」では、個人的な喪失を歌う感情表現がサビで爆発するという構造を有しており、後のエモ~ポップパンクにおける楽曲設計へ与えた影響も垣間見える。(つやちゃん)

オフスプリング

アメリカーナ

  • UICY-16487

    BUY NOW

  • 本作で描かれるのは、社会風刺のポップパンクである。「Pretty Fly (for a White Guy)」では軽薄な白人文化のパロディが描かれたと思ったら消費社会への風刺が展開され、それがキャッチーな形で提示される。ヒップホップ文化を表層だけ模倣する白人、中身のない自己演出、流行に依存したアイデンティティ……つまり、「自分が何者か」ではなく、「どう見えるか」に支配された人間像が描かれる。その他の曲も含めて、90年代末のアメリカの構造的な歪みを象徴するようなテーマがズラリ。しかも彼らは、それらを深刻に語るのではなく笑える形に変換して提示しているのが面白いし、現在のミーム文化などにも繋がるユーモアが感じられる。(つやちゃん)

オフスプリング

グレイテスト・ヒッツ

  • UICY-15593

    BUY NOW

  • 90年代のパンク・ブームに火をつけた94年の3rdアルバム『Smash』から、原点に回帰した03年の7thアルバム『Splinter』まで、5枚のアルバムからシングル・ナンバーを中心に選曲した全14曲が収録されている。オフスプリングに対して、「Pretty Fly (for a White Guy)」のイメージしかない人が聴いたら、硬派なメロディック・ハードコア・ナンバーの数々に面食らうんじゃないか。しかし、彼らのブレイクのきっかけになった94年の「Come Out and Play」に加え、「Why Don’t You Get a Job?」「Hit That」を聴けば、「Pretty Fly (for a White Guy)」のけれんみもまた、彼らの持ち味なのだとわかるだろう。アルバムの最後には隠しトラックとして、ポリスの「Next to You」のカヴァーが収録されている。(山口智男)

クイックサンド

マニック・コンプレッション

  • UICY-16455

    BUY NOW

  • ゴリラ・ビスケッツ(USハードコアを代表するニューヨークのバンド)の中心人物ウォルター・シュライフェルズにより結成されたクイックサンドは、(90年代的な意味での)ポスト・ハードコアとして語られることが多いが、その枠を大幅に逸脱する音楽性は、プログレッシヴ・ロックやポスト・ロックにメタリックなエッジとハードコア的な瞬発力を加えたものと考える方がしっくりくる部分も多い。主要な影響源はフガジ、ジェーンズ・アディクション、ヘルメットとのことだが、音楽的な引き出しの多さや個性はそれらに勝るとも劣らない。本作は2ndアルバムで、前作『スリップ』と同様、驚異的な豊かさと旨みに満ちた傑作だ。なお、デフトーンズはクイックサンドに大きな影響を受けており、ベースのセルジオ・ベガは両バンドに正メンバーとして密に関与してきた。そうした文脈も含め、知名度は高くないが非常に重要なバンドだ。(s.h.i.)

ケミカル・ブラザーズ

さらばダスト惑星

  • UICY-16490

    BUY NOW

  • ザ・ダスト・ブラザーズ名義からの改名後に発表されたデビュー・アルバム。アシッド・ハウスを筆頭とするセカンド・サマー・オブ・ラヴ、ヒップホップ、トリップ・ホップ(レゲエ〜ダブなどを取り込み発展したもの)、シューゲイザーなど、90年代前半のUKで台頭した音楽性を巧みに集約し、ロック直系のラウドな鳴りで補強した音楽性は、ビッグ・ビートと呼ばれ、プロディジーやファットボーイ・スリムらと共に一世を風靡した。先述のトリップ・ホップやシューゲイザーには仄暗く陰鬱な空気も漂っていたが、ケミカル・ブラザーズはそのエッセンスは継承した上で全体的な雰囲気はアッパーに仕上げているのが興味深い(これはグランジに対するブリット・ポップに通ずる構図でもある)。複雑な奥行きと景気の良さを兼ね備えた傑作だ。(s.h.i.)

ケミカル・ブラザーズ

ディグ・ユア・オウン・ホール

  • UICY-16491

    BUY NOW

  • セカンド・アルバム。前作でも随所で映えていたサイケデリックな響きを前面に出した作品で(曲順で言えば「エレクトロバンク」あたりからが顕著)、ブレイクビーツを土台にしたビートは音数多めで忙しない、しかしBPMは遅めで時間の流れは長く引き伸ばされる、という構図が全編に渡って貫かれている。初の全英1位を獲得した「セッティング・サン」(オアシスのノエル・ギャラガーが客演)や「ブロック・ロッキン・ビーツ」など名曲多数だが、先述のような居心地を様々な表情で示す“アルバム”としての存在感こそが印象に残るのが凄い。こうした作風は得てしてマニアックな方へ行きがちだが、そこに絶妙な軽薄さを加えることで聴きやすさと酩酊感を両立させている(ドツボにハメる効果をさらに高めている)のも驚異的。ベストに挙げる人も多い大傑作だ。(s.h.i.)

ケミカル・ブラザーズ

サレンダー

  • UICY-16492

    BUY NOW

  • サード・アルバム。前作までに比べてヒップホップ(というかブレイクビーツ)の要素が後退、当時注目され始めていたユーロ・トランスの要素が前面に出てきた(わかりやすく勢いのある四つ打ちが目立つようになった)こともあって賛否分かれる作品で、初期2作を好む人がピンとこなかったりする一方、これが最高傑作だと言う人もいる。確かに前作に比べれば焦点が定まった感じは薄く、様々なスタイル(可能性)を意識しながら揺れているようでもあるのだが、それを散漫と捉えるのではなく豊かさと見なせば、本作ならではの自由で開放感あるサイケデリックさが好ましく思えてくる。「アウト・オブ・コントロール」にニュー・オーダーのバーナード・サムナーが客演したり、「ミュージック:レスポンス」などがクラフトワークを想起させたりと、文脈表現的な仕込みも巧み。繰り返し聴くほどに固有の味にハマる見事な作品だ。(s.h.i.)

サブライム

40オンス・トゥ・フリ-ダム

  • UICY-16456

    BUY NOW

  • 88年の結成以来、地元ロングビーチを中心にカリフォルニアで支持を集めてきた3人組がついにリリースした1stアルバム。全22曲70分というボリュームに驚かされるが、大作という言葉はこのアルバムには似合わない。なぜなら、次から次へと湧き出るアイデアを未整理のまま詰めこんだ印象があるからだが、それが一番の聴きどころとなっている。脳内の神経回路が24時間、スパークしていたに違いない天才ソングライター、ブラッドリー・ノーウェル(Vo, Gt)の頭の中を覗き見るようなつもりで、スカ、レゲエ、パンク、ヒップホップ、ラテンなどの要素がごた混ぜになった多彩、いや、雑多な曲の数々を楽しむのが正しい聴き方なのだと思う。彼らを語る時に使われるスカパンクという言葉は、この時点ですでに彼らの音楽の極々一部にしか当てはまらない。(山口智男)

サブライム

ロビン・ザ・フッド

  • UICY-16457

    BUY NOW

  • 全23曲という曲数の多さに加え、その大半がデモに近いホーム・レコーディングということで、前作以上に雑多な印象がある2ndアルバム。レコーディングは93年から94年にかけて行われたそうだから、前作のリリース後もバンドは曲を作り続けていたことになる。旺盛な創作意欲に改めて驚かされる。本来なら、これを叩き台に曲を磨き上げるのだと思うが、手を加えず、そのまま発表してしまうところがサブライムなのだろう。前作のスカパンク~ミクスチャー路線を踏襲しながら、前作以上に駆使したサンプリングはある意味、その大胆さも含め、本作の聴きどころと言えるかもしれない。ギターの轟音が鳴るスカパンク・ナンバー「Saw Red」にはブレイクする前のノー・ダウトのグウェン・ステファニーがヴォーカルで参加している。(山口智男)

サブライム

サブライム

  • UICY-16458

    BUY NOW

  • バットホール・サーファーズのギタリストであるポール・リアリーとフィッシュボーンを手掛けたデヴィッド・カーンをプロデューサーに迎えた3rdアルバム。全17曲60分というボリュームが彼ららしいと思わせる一方で、湧き出るアイデアを整理しつつ、あまりにも奔放すぎた曲の数々にメジャー・レーベルからのリリースにふさわしい意匠を与えている。中でもその後のミクスチャー・ロック勢に歌ものという方向性を示唆した「What I Got」「Santeria」の影響力は見逃せない。リリースの2か月前にブラッドリーがヘロインの過剰摂取で急死したため、アルバムのプロモーションができなかったにもかかわらず、全米チャートの13位をマークしたことが当時のバンドの勢いを物語っていた。その後、アルバムの売上枚数は600万枚を超え、名実ともに彼らの代表作に。(山口智男)

ジョーブレイカー

ディア・ユー

  • UICY-16459

    BUY NOW

  • 1990年代はあらゆるアプローチで大衆性とパンク精神の両立が試された時代だったが、本作もその系譜に位置づけられるだろう。メジャーデビュー作で、プロデューサーはグリーン・デイの『Dookie』を手がけていたロブ・カヴァロ。前作と比較し、プロダクションはクリーンになり、歌もぐっと前に出ている。ブレイク・シュワルツェンバッハの歌は、もともとざらついた叫びだったが、本作ではピッチが整えられ、メロディが強調されるようになった。特に「Accident Prone」等は、自己破壊衝動とロマンティックな悲劇性を包み込むメロディがタイムレスな魅力を放つ。マイ・ケミカル・ロマンス的な、ドラマティックに歌われるエモの先駆としても重要だろう。(つやちゃん)

スマッシュ・マウス

FUSH YU MANG

  • UICY-16460

    BUY NOW

  • ポップなパンクを基盤としつつ、スカやレゲエの要素を取り入れたサンノゼ出身の陽気なロック・バンド。結成は1994年。彼らの登場がいかにタイムリーだったかは、このデビュー作が全米チャートでトップ20入りを果たしたり、いきなりU2の全米ツアーで前座に抜擢されたりした事実にも裏付けられている。最初の看板曲となった「ウォーキン・オン・ザ・サン」、ウォーの1975年の大ヒット曲「ビー・フレンズ!~仲間よ目をさませ」のカヴァーなど魅力曲満載で、彼らの音楽が若々しい爆発力ばかりではなく60年代的なルーツを感じさせる普遍性を併せ持っていたことも成功要因のひとつだったといえる。バンドは結成から30年を超えた今もコンスタントに活動継続中だ。(増田勇一)

スマッシュ・マウス

アストロ・ラウンジ

  • UICY-16461

    BUY NOW

  • デビュー作「FUSH YU MANG」の成功を受け、同作に引き続きエリック・ヴァレンタイン(のちにグッド・シャーロットやクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ等の作品を手掛けている)をプロデューサーに迎えて制作された第2作。代表曲となった「オール・スター」(全米4位)の大ヒットとの相乗効果によりアルバム自体も全米6位、300万枚を超えるセールスを記録。カルト的な人気を誇るガレージ・ロックの先駆者、クエスチョン・マーク&ザ・ミステリアンズの1967年のヒット曲、「キャント・ゲット・イナフ・オブ・ユー・ベイビー」のカヴァーも秀逸。この曲からも感じられる60年代的なサイケデリックさも、彼らを周辺の多くのバンドとは一線を画す存在にしていた。(増田勇一)

ダウンセット

ダウンセット

  • UICY-16462

    BUY NOW

  • 1992年にダウンセットに改名してから最初に発表されたアルバム。前名義ソーシャル・ジャスティス(1989年結成)はヒップホップやファンクの要素を取り入れたハードコア・バンドの先駆けとして知られ、そうした音楽性の最初の集大成となった本作は、以降のグルーヴ・メタルやニューメタル、メタリックなハードコアの系譜に大きな影響を与えた。この手の音楽スタイルの代表格であるバイオハザード(1987年結成)と比べるとブルース〜ストーナー・ロック的な燻みが濃く、優れたリフに不協和音を噛ませて程よい引っ掛かりを作るのがより巧い。ポスト・ロックの系譜を想起させる神秘的なフレーズ(「リチュアル」冒頭など)も随所で良い味を出している。繰り返し聴くほどに旨みが増す素晴らしいアルバムだ。(s.h.i.)

ダンス・ホール・クラッシャーズ

ハニー、アイム・ホームリー

  • UICY-16463

    BUY NOW

  • 元々はオペレーション・アイヴィーのメンバーだったティム・アームストロングとマット・フリーマンが始めたバンドだった。しかし、バンドの活動が本格化するのは、後にランシドを結成するティムとマットの脱退後、エリーズとカリーナという2人の女性シンガーがフロントに立つようになってからだった。この3rdアルバムはスカパンクだった1stとポップ・パンクだった2ndのいいとこ取りに加え、オールディーズやジャズの要素も取り入れながら、巷間言われるスカパンクだけにとどまらないバンドのポテンシャルをアピールしている。彼女達なりのアメリカン・ポップスのオマージュという意識もあったかもしれない。オーセンティックなスカと60年代のガール・グループ風のコーラスを組み合わせた「Last Laugh」はまさに出色の出来(山口智男)

ノー・ダウト

ノー・ダウト

  • UICY-16483

    BUY NOW

  • グウェン・ステファニーを中心とするバンドのデビュー作。プロデュースには、モトリー・クルーらメタル作品でも知られるディト・ゴッドウィンが参加。グランジ全盛期だったこともあって商業的成功からは遠かった一方で、スカ/パンク/ポップが主流化する前の、未整理な状況を記録した重要なプロトタイプでもあるだろう。ノー・ダウトは当時、ロサンゼルス周辺のスカ/パンク・シーンに属していた。本作におけるサウンドもライブ感の強い演奏で、ホーンセクションの導入やダンサブルなリズムが目立つ。ローカルシーンの熱量がそのまま封入されているような状態で、後年のようなポップアイコンとしての姿はまだ見られないが、ゆえに貴重なデビュー作だ。(つやちゃん)

ノー・ダウト

トラジック・キングダム

  • UICY-16484

    BUY NOW

  • プロデュースは、ポップ作品を手がけるマシュー・ワイルダー。本作で、ノー・ダウトが所属していたローカルなスカ・シーンが、分かりやすいメロディと明確な曲構造によって、誰にでも届く形式に変換された。「Just a Girl」はその象徴で、パンク的なエネルギーとスカ的な跳ねが掛け合わさり、ポップのフックが随所に埋め込まれている。それらの音楽的要素が単に並べられていたファースト時と比べると、ジャンル横断化され一体化された印象。「Just a Girl」におけるグウェン・ステファニーの語りは、単なる強さやかわいさに回収されない、パンク的反抗を内包した女性像をも提示してもいる。後のアブリル・ラヴィーンやパラモアへと連なる原型がここにある。(つやちゃん)

ノー・ダウト

ザ・ビーコン・ストリート・コレクション

  • UICY-16485

    BUY NOW

  • デビュー作『ノー・ダウト』と3作目『トラジック・キングダム』の間、ちょうど過渡期に当たる作品集。一般的なB面集ではなく、バンドが自主制作・自主リリースした2作目のスタジオアルバムであり、インディ的制作とメジャー的成功のあいだにある移行期のリアリティを刻んだドキュメントとも言える。DIYで制作された、ラフな録音で商業的フォーマットに収まりきらない楽曲群が特徴で、グウェン・ステファニーも本作ではまだ次作以降のようなフロントアイコンにはなりきっていない。ある意味で、完成品だけでなく過程そのものが作品になりうるという、プロセス自体を公開していくような2020年代のアーティスト表現に近いものも感じる。(つやちゃん)

ビースティ・ボーイズ

チェック・ユア・ヘッド

  • UICY-16464

    BUY NOW

  • 本作では自ら楽器を手に取り、演奏とラップを同時に担う体制へと移行。もともとハードコア・パンクを出自とする彼らのルーツがここで再び前景化した。なかでも「Time for Livin’」はスライ&ザ・ファミリー・ストーンの楽曲をハードコア・パンク的なフォーマットへ置き換えることで、彼らの出自を生々しく露出させている。一方、「So What’cha Want」などでは、反復するリフとラップが緊密に結びつき、バンドとヒップホップの境界を滑らかに横断。音楽的には多様でありながら、人格としての一貫性によって全体が統合されている。それは、ヒップホップとロックを同一の身体で駆動させるという、新しさを告げるものだった。(つやちゃん)

ビースティ・ボーイズ

イル・コミュニケーション

  • UICY-16465

    BUY NOW

  • 『チェック・ユア・ヘッド』で獲得した方法論をさらに推し進め、ヒップホップ/パンク/ファンク/ジャズを同一平面で運用するというスペシャルな試みを成し遂げたミクスチャーアルバム。「Sabotage」を聴いていると、ビートやグルーヴ、フロウがヒップホップ的な論理で組まれているのが分かる。つまり本作では、サンプリングや演奏、ノイズ、インストといった要素がすべてビートメイキングとして扱われているのだ。全体通しても、ラップ+メタルといった分かりやすいミクスチャーではなく、パンクやヒップホップ、ファンク、ジャズを分離させたまま同時に成立させるというアプローチが光る。これぞビースティ流のミクスチャー表現だ。(つやちゃん)

ビースティ・ボーイズ

ハロー・ナスティ

  • UICY-16466

    BUY NOW

  • バンド的ミクスチャーをさらに解体し、ヒップホップを、編集/コラージュの芸術として再定義した転換点の作品。サンプリング、スクラッチ、デジタル編集、コラージュ的構成が前景化し、ここでヒップホップは再び“演奏”から“編集”へと重心を移した。ただしそれは回帰ではなく、一度身体化した後の、より高度な再編集である。結果、冒頭からとにかく気持ち良さを押さえた曲が次から次に鳴るすばらしいヴァイブス。ビースティのこのDIY精神のデジタル化や引用のミクスチャーは、後のベッドルーム・プロデューサーやSoundCloud世代へと繋がる部分が間違いなくあるし、現在のリミックス文化やSNS的断片消費とも通ずる態度だろう。(つやちゃん)

プライマス

ポーク・ソーダ

  • UICY-16467

    BUY NOW

  • 中心人物レス・クレイプール(ベース&ボーカル)とラリー・ラロンデ(ギター)が共にメタル出身(カルトな名バンドであるブラインド・イリュージョンで同僚)だったためにファンク・メタルと言われがちなプライマスだが、特定のジャンルに限定できない唯一無二の音楽性はむしろ、フランク・ザッパやレジデンツなどを聴く感覚で接する方がしっくりくる。本作はなぜか全米7位を記録した出世作。異常なテクニックで謎のユーモアをかましまくる(1997年には『サウスパーク』のテーマを提供している)様子は慣れないと厳しいが、ひとたびハマると離れ難くなる魅力がある。ファンク度が特に高い本作はドラムでなくベースの動きからグリッド(拍の流れの座標軸みたいなもの)を読み取るのがコツ。入門編としては次作の方がいいと思うが、本作もぜひ聴いてみてほしい。(s.h.i.)

プライマス

テイルズ・フロム・ザ・パンチボウル

  • UICY-16468

    BUY NOW

  • 前作『ポーク・ソーダ』に続きなぜか全米8位を記録した4thアルバム。本作を最後に名手ティム・アレクサンダー(ドラムス)が脱退(その後、2024年までに加入→脱退を2回繰り返す)。前作が入門編みたいに言われることが多いが(これはジャケットの無難さによるところも大きいと思う)、ミニマルなファンク志向が強く渋い印象が生まれてしまっている前作よりも、メロディアスで曲調も多彩な本作のほうが遥かに聴きやすく、奇天烈な魅力も分かりやすく明示されている。カントリーの陽気さと不穏さをこういう突き抜けた個性とポップさのもとで表現できた音楽は稀で、それはやはりこのバンドならではの超絶技巧(特に本作ではラリーのギターが活躍している)の賜物なのだろう。史上最高のトリオの一つによる驚異の傑作。ジャケットは最悪だが極上のアルバムだ。(s.h.i.)

ブラッドハウンド・ギャング

ワン・フィアス・ビア・コ-スタ-

  • UICY-16469

    BUY NOW

  • 90年代なかばにはロックの細分化が進み、ミクスチャーのあり方も多様化。メジャー各社は斬新な若手の発掘に躍起になっていた。ジミー・ポップ率いるこのバンドは1992年に結成され、2015年以降は活動停止状態にあるが、彼らがあの時代に注目を集めた理由は、音楽的なハチャメチャさとコメディ要素にある。ウィーザーに触発されたとおぼしき曲もあれば、デュラン・デュランの有名曲のメロディも堂々と顔を出し、コンプラ的にヤバい内容のラップも絡んでくる。この第2作はそもそもインディーズで発売されていたが、のちにゲフィンとの契約を経ていくつかの改訂が施されたうえで登場。マドンナが運営陣に名を連ねるマーヴェリックとの争奪戦を経てのメジャー進出だった。(増田勇一)

マイティ・マイティ・ボストーンズ

ドント・ノウ・ハウ・トゥ・パーティ

  • UICY-16470

    BUY NOW

  • ハードコアとメタルのクロスオーヴァーに、さらにUKツートン・スカの影響を加えた音楽性は、スカパンク・ブームの火つけ役となるくらい斬新だった。ホーン・セクションを擁するボストンの8人組がメジャー・レーベルと契約してリリースした3rdアルバム。軽快なスカパンク・ナンバーを中心とする一方で、雷鳴のように鳴るギターの轟音は痛快の一言。北アイルランドのリアル・パンク・バンド、スティッフ・リトル・フィンガーズの「Tin Soldiers」のカヴァーやハードコア~ミクスチャー・ロックの先駆者、バッド・ブレインズのダリル・ジェニファーの客演は、メジャー移籍のタイミングで、自分達のルーツを今一度表明しておきたいというバンドの思いが形になったものだと考えたい。(山口智男)

マイティ・マイティ・ボストーンズ

ガンとばし!

  • UICY-16471

    BUY NOW

  • メジャー・レーベルからの3作目となった5thアルバム。スカコアをバックボーンとしながら、バンドの成熟がポップ・パンク、オーセンティックなスカ、ダビーなレゲエといった楽曲やアレンジの振り幅となって表れている。「Break So Easily」ではシャッフルのリズムも鳴る。ポップ・パンクなサウンドが歓迎され、モダンロック・チャートで1位になった「The Impression That I Get」のヒットがきっかけとなり、全米27位というボストーンズ史上最高のチャートアクションとミリオンセールスを記録した。これ以前のアルバムに比べると、リラックスした印象はあるものの、ボストーンズの代表作と言えば、やはりこれなのだろう。04年に英国のケラング!誌の読者投票によって、「The 50 greatest punk albums」の36位に選ばれている。(山口智男)

マッシヴ・アタック

ブルー・ラインズ

  • UICY-25486

    BUY NOW

  • いわゆるトリップ・ホップ(この呼称を嫌う人も多い)を代表する歴史的名盤。UKのブリストルは、50〜60年代にカリブ諸国からの移入が活発化した頃から、新しい地におけるコミュニティを繋ぐ場としてサウンド・システム(野外パーティーのための移動式音響設備)が発達し、レゲエ〜ダブやポスト・パンク、ヒップホップなどの越境的な融合がなされていった。このシーンを80年代に牽引したのがザ・ワイルド・バンチという集団で、そのメンバーから構成されたマッシヴ・アタックは、先述の音楽性を発展させ、当地ならではの魅力的なダンス・ミュージックを錬成した。その最初の集大成がこのデビュー・アルバムで、人脈的に関わりの深いポーティスヘッドやトリッキーらも含め、同時代の音楽シーン全域に絶大な影響を与えていった。複雑な想いや文脈表現を理屈抜きに楽しく伝える手管が見事。掛け値なしの傑作だ。(s.h.i.)

ミスフィッツ

アメリカン・サイコ

  • UICY-16472

    BUY NOW

  • ホラー・パンクの創始者というべきミスフィッツは1977年に結成され1983年に解散。そして1995年には中心人物だったグレン・ダンジグを除いた新体制で再結成に至っている。それはメタリカをはじめとする後続世代が彼らの楽曲をカヴァーするなど、再評価熱が高まっていた中でのことだった。復活後第1弾にあたる本作では、ラモーンズの作品群への貢献で知られるダニエル・レイをプロデューサーに、さらにニルヴァーナやスレイヤーとの仕事でも知られるアンディ・ウォーレスをミキシング・エンジニアに迎え、このバンドが生まれ持っていたコンセプトや音楽的特徴をそのまま受け継ぎながらも、90年代に即したヘヴィネスが伴った1枚に仕上げられている。(増田勇一)

メソッズ・オブ・メイへム

メソッズ・オブ・メイへム

  • UICY-16473

    BUY NOW

  • モトリー・クルーのドラマーであるトミー・リーが1999年に同バンドを脱退し結成したラップ・メタル・バンド…というとなんとなく軽薄な印象が漂うが、これは掛け値なしの傑作だ。インダストリアル・ダブ・メタル的なサウンド(リンプ・ビズキットmeetsプロディジーなどと評されるがそれ以上のクオリティと個性がある)は音響もリフの冴えも素晴らしく、トミーのドラムとボーカル(実は上手い)も絶妙に合っている。加えて重要なのがゲスト陣で、ジョージ・クリントン(Pファンク総帥)やスヌープ・ドッグ、フレッド・ダースト(リンプ・ビズキット)らが一同に会した本作は、ロックといわゆるブラック・ミュージックの優れた結節点になっている。歴史的な意義と理屈抜きに楽しめる旨みを兼ね備えた逸品だ。未聴の方はぜひ。(s.h.i.)

レッド・ホット・チリ・ペッパーズ

母乳

  • UICY-25479

    BUY NOW

  • 80年代には知る人ぞ知る存在にしか過ぎなかったこのバンドが、のちに世界有数のロック・バンドとして絶大な支持と幅広い認知を得るようになったという事実。それは「ルールに縛られることなく壁を打ち破り続けていくことが唯一無二の地位確立に繋がる」という正論を裏付けるものだ。本作は、初代ギタリストのヒレル・スロヴァク他界後、当時まだ十代だったジョン・フルシアンテを後任に迎えて制作された第4作。スティーヴィ・ワンダー、ジミ・ヘンドリックスのカヴァーも収録。全米チャートでの最高記録は52位に終わったが、彼らにとってはこれが初のトップ100入りだった。そしてこれが次作『ブラッド・シュガー・セックス・マジック』(同3位)での大爆発への足掛かりとなっている。

ロケット・フロム・ザ・クリプト

スクリーム、ドラキュラ、スクリーム!

  • UICY-16474

    BUY NOW

  • ホーン・セクションを含むサンディエゴの6人組。結成は90年。バンドのリーダーであるスピードことジョン・レイス(Vo, Gt)は同じタイミングでハードコア~ポスト・ロック・バンド、ドライヴ・ライク・ジェイフーを始めているが、このバンドではソウル・ミュージックの影響を受けたロックンロールを演奏しようと考えていたという。メジャー・レーベルからの1作目となるこの4thアルバムでは、そんなアイデアがグランジ/オルタナの時代にふさわしいサウンドと結びつき、怒涛のガレージ・パンクに結実。シンガロングのコーラスとホーンがアンセミックな魅力を持つ「On a Rope」は全英12位のスマッシュ・ヒットに。本作でドラムを叩いていたアトムことアダム・ウィラードはその後、オフスプリング他多くのパンク・バンドでプレイする。(山口智男)

  • http://www.riaj.or.jp/
  • http://www.universal-music.co.jp/faq/legal/
  • http://www.stopillegaldownload.jp/
  • http://www.riaj.or.jp/copyright/lmark/