『フリーク・アウト! 』60周年記念 5CD+ブルーレイ・スーパー・デラックス・エディション、9/25発売決定!
フランク・ザッパ/フリーク・アウト!
【60周年記念 5CD+ブルーレイ・スーパー・デラックス・エディション】

2026年9月25日(金)
60年代中期を象徴する金字塔的作品にして、ザッパの底知れぬ創造性が凝縮されたマザーズのデビュー作に、90トラックの貴重なライヴ/スタジオ音源を加えた新たな拡張版。追加トラックの多くは未発表音源。
6枚のディスクに全105トラックを収めたスーパー・デラックス・エディションは5CD+ブルーレイ【音源のみ】で構成。その中にはアルバム収録曲の2026年最新ミックスのほか、アウトテイクのコラージュ、デモ音源、モノ・ヴォーカル・リファレンス・ミックス、リハーサル音源、そして1966年にサンフランシスコのフィルモア・オーディトリアムで行われた3公演のレアなライヴ音源などが収録される。
ブルーレイには新たに製作されたアルバム本編のサラウンド・ミックスとドルビーアトモス・ミックス、アーカイヴに残されていた3種のミックス、トリップ感満載のヴィジュアライザー、そしてテープ倉庫に眠っていたボーナス・トラック1曲のサラウンド・ミックスも収められる。
180グラム重量盤のアナログ・レコード・エディションについては、ボックス・セットから選り抜きのトラックを収めた5LP、マルチ・カラー・ヴァイナル仕様の2LPをラインナップ。また、ハイレゾ品質のデジタル・エディションやドルビーアトモスのみのデジタル・エディションも配信される。(LPは輸入盤のみで発売)
リリースに先駆け、「ハングリー・フリークス、ダディ(1966モノ・ミックス)」がストリーミング配信中
https://umj.lnk.to/FrankZappa_hfd
「個人レベルで言えば、”フリーク・アウト”とは個々人が周囲の環境や社会構造全体と自分との関係を発想力豊かに表現するため、思想、服装、社会的エチケットに関する時代遅れで窮屈な規範を捨て去るプロセスなのだ」
――フランク・ザッパ
【商品詳細】
フリーク・アウト!
<60周年記念 5CD+ブルーレイ・スーパー・デラックス・エディション>

発売日:2026年9月25日(金)
品番: UICY-80773
価格: 13,200円税込
生産限定盤
[日本盤のみ]
英文ライナーの完訳/歌詞・対訳付
SHM-CD仕様
<収録曲>
Disc 1(CD):1966 ステレオ・ミックス
Disc 2(CD):1966 プレ・マスター・ミックス
Disc 3(CD):1966 モノ・ミックス
1. ハングリー・フリークス、ダディ
2. アイ・エイント・ガット・ノー・ハート
3. フー・アー・ザ・ブレイン・ポリス?(ボスは誰だ)
4. ゴー・クライ・オン・サムバディ・エルセズ・ショルダー(捨て去った恋)
5. マザリー・ラヴ
6. ハウ・クッド・アイ・ビー・サッチ・ア・フール(何と馬鹿なこと)
7. ウォウィー・ゾウィー
8. ユー・ディドゥント・トライ・トゥ・コール・ミー(君は電話をしようとしなかった)
9. エニー・ウェイ・ザ・ウィンド・ブロウズ(風は変らず)
10. アイム・ノット・サティスファイド(満たされない日々)
11. ユーアー・プロバブリー・ワンダリング・ホワイ・アイム・ヒア(俺は邪魔者)
12. トラブル・エヴリー・デイ(つらい浮世)
13. ヘルプ、アイム・ア・ロック(助けてくれ、俺はロックだ)
14. イット・キャント・ハプン・ヒア(起り得ないこと)
15. ザ・リターン・オブ・ザ・サン・オブ・モンスター・マグネット(怪人マグネットの息子の帰還)
Disc 4(CD):フィルモア・オーディトリアム(カリフォルニア州サンフランシスコ)
▼ 1966年6月24日
1. バンド・イントロダクションズ・アット・ザ・フィルモア・ウェスト
2. マザリー・ラヴ
3. プラスティック・ピープル
4. ユーアー・ソー・ファイン
5. トラブル・エヴリー・デイ(つらい浮世)
6. ユー・ディドゥント・トライ・トゥ・コール・ミー(君は電話をしようとしなかった)
7. アイム・ノット・サティスファイド(満たされない日々)
8. ウェディング・ドレス・ソング/ザ・ハンサム・キャビン・ボーイ
▼ 1966年2月24日
9. マザーズ・ロック・アウト
10. コケット
11. アイム・ア・ローリン・ストーン
▼ 1966年6月25日
12. マザリー・ラヴ
13. プラスティック・ピープル
14. ユー・ディドゥント・トライ・トゥ・コール・ミー(君は電話をしようとしなかった)
15. アイム・ノット・サティスファイド(満たされない日々)
16. ウェディング・ドレス・ソング/ザ・ハンサム・キャビン・ボーイ
17. ハングリー・フリークス、ダディ
18. ゴー・クライ・オン・サムバディ・エルセズ・ショルダー(捨て去った恋)
Disc 5(CD):フィルモア・オーディトリアム・コンティニュード
▼ 日付不明(1966年2月24日が有力)
1. マザーズ・ロック・アウト2
2. ザ・ダウンタウン・タレント・スカウト
▼ オリジナル・マザーズ・リハーサル 1966
3. “エヴリー・デイ・アイ・ハヴ・ザ・ブルース”
4. ティック・トック
5. 4マザーズ・イン・リハーサル
6. エニー・ウェイ・ザ・ウィンド・ブロウズ(風は変らず)
7. ハウ・クッド・アイ・ビー・サッチ・ア・フール(何と馬鹿なこと)[フォールス・スタート]
8. ハウ・クッド・アイ・ビー・サッチ・ア・フール(何と馬鹿なこと)
9. ザ・ストーリー・オブ・マイ・ライフ
▼ マザーズ・デモズ
10. エニー・ウェイ・ザ・ウィンド・ブロウズ(風は変らず)
11. アイム・ソー・ハッピー・アイ・クッド・クライ
12. ゴー・クライ・オン・サムバディ・エルセズ・ショルダー(捨て去った恋)
13. ハウ・クッド・アイ・ビー・サッチ・ア・フール(何と馬鹿なこと)
14. トラブル・エヴリー・デイ(つらい浮世)
15. アイ・エイント・ガット・ノー・ハート(エディテッド)
16. ラヴ・オブ・マイ・ライフ
17. アイム・ノット・サティスファイド(満たされない日々)
▼ フリーク・アウト!〜モノ・ヴォーカル・リファレンス・ミックス
18. マザリー・ラヴ
19. アイム・ノット・サティスファイド(満たされない日々)
20. アイ・エイント・ガット・ノー・ハート
21. ハウ・クッド・アイ・ビー・サッチ・ア・フール(何と馬鹿なこと)
22. ユー・ディドゥント・トライ・トゥ・コール・ミー(君は電話をしようとしなかった)[エディテッド]
23. フリーク・アウトCM
▼ フリーク・アウト!〜セッション・アウトテイク・コラージュ
24. フリーク・アウトGTRソロ&スクリームズ 7/4
25. フリーク・アウト・ザイロフォン
26. パーカッション・キュー #3
Disc 6(Blu-Ray [Audio Only])
◎ ハングリー・フリークス、ダディ
◎ アイ・エイント・ガット・ノー・ハート
◎ フー・アー・ザ・ブレイン・ポリス?(ボスは誰だ)
◎ ゴー・クライ・オン・サムバディ・エルセズ・ショルダー(捨て去った恋)
◎ マザリー・ラヴ
◎ ハウ・クッド・アイ・ビー・サッチ・ア・フール(何と馬鹿なこと)
◎ ウォウィー・ゾウィー
◎ ユー・ディドゥント・トライ・トゥ・コール・ミー(君は電話をしようとしなかった)
◎ エニー・ウェイ・ザ・ウィンド・ブロウズ(風は変らず)
◎ アイム・ノット・サティスファイド(満たされない日々)
◎ ユーアー・プロバブリー・ワンダリング・ホワイ・アイム・ヒア(俺は邪魔者)
◎ トラブル・エヴリー・デイ(つらい浮世)
◎ ヘルプ、アイム・ア・ロック(助けてくれ、俺はロックだ)
◎ イット・キャント・ハプン・ヒア(起り得ないこと)
◎ ザ・リターン・オブ・ザ・サン・オブ・モンスター・マグネット(怪人マグネットの息子の帰還)
▼ ボーナス・トラック
◎ グルーピー・バン・バン
【海外プレスリリース全文訳: ロサンゼルス - 2026年8月4日】
フランク・ザッパ率いるマザーズ・オブ・インヴェンションが1966年の夏にリリースした『フリーク・アウト!』は、ロック・アルバムの概念を大きく揺るがす作品だった。1966年6月27日にヴァーヴ・レコードから発売された同作は、ロック界においていち早く2枚組アルバムという形式を採用したアルバム(それゆえ、デビュー作を2枚組で出すことなどほとんど前代未聞だった)だった。ザッパとマザーズの面々はこのアルバムで3分間のポップ・シングルを作る当時の慣習を拒絶し、ドゥーワップ、R&B、オーケストラ音楽、フリー・ジャズ、テープを使った実験的な技法、痛烈な社会風刺といった要素を一つのまとまりある芸術的メッセージへと昇華させた野心作を作り上げたのである。また、カウンター・カルチャーの台頭、ベトナム戦争、大衆的な価値観への不信感の高まりなどの影響でアメリカ文化が大きく変容しつつあった時期にリリースされた同作は、画一化された郊外の暮らし、セレブリティー文化、大量消費主義、政治における自己満足といった概念を激しく批判していた。しかもその語り口は、それまでのポピュラー音楽では考えられなかったような教養と不遜さを備えていたのである。そして革新的なサウンド・コラージュ「ザ・リターン・オブ・ザ・サン・オブ・モンスター・マグネット(怪人マグネットの息子の帰還)」に代表される同作の実験性は、LPというフォーマットの可能性を再定義することにもつながった。ロック・アルバムが単なる楽曲の寄せ集めではなく、統一性のある芸術作品として機能し得ることを示したのである。そうすることで『フリーク・アウト!』はポピュラー音楽の創造的可能性を広げ、60年代後半のロック界が野心的・実験的な方向性へと進んでいくきっかけを作った。
革新的な音楽、風刺、アーティストとしての独立性がすべて詰まった恐れ知らずのこの作品は、過去60年に亘ってさまざまな世代のミュージシャンやクリエイターからの共感を集めてきた。アリス・クーパー、ディーヴォ、”ウィアード・アル”・ヤンコヴィック、プライマス、フィッシュ、ジョン・フルシアンテなど幅広いアーティストに影響を与えてきただけでなく、コメディアン/俳優のチーチ・マリン、映画監督のテリー・ギリアム、『ザ・シンプソンズ』のクリエイターであるマット・グレイニングなど文化人たちの称賛も受けているのだ。『フリーク・アウト!』は発表から60年が経った現在も、画期的な作品であり続けているだけでなく、大胆な芸術的マニフェストとしても認知されている。そしてその独創性、不遜さ、妥協のないヴィジョンは、新たな世代のミュージシャンやリスナーらに挑戦状を突きつけ、刺激と影響を与え続けているのである。
このたび、そんな『フリーク・アウト!』の60周年を祝すべく、60周年記念の新たな拡張版が9月18日に幅広いフォーマットで発売される。特に6枚のディスク(5CD+ブルーレイ・オーディオ)から成るスーパー・デラックス・エディションには、多くの未発表音源を含む全105トラックを収録。ザッパ家のテープ倉庫管理人であるジョー・トラヴァースがプロデューサーを務め、『フリーク・アウト!(60周年記念エディション)』と題されたこの新たな拡張版には、トラヴァースが24-bit/192kHzでデジタル変換し、ジョン・ポリートが2026年に入ってリマスタリングしたアルバム本編の15トラックを収録。そのほかにも、新たに見つかった1966年当時のプレ・マスター・ミックス、今回改めて入手・修復された1966年当時のモノ・ミックス、主に1966年の3公演の模様を捉えたフィルモア・オーディトリアムでのライヴ音源、オリジナル・マザーズの面々による1966年当時のリハーサル音源、同じくマザーズのデモ音源、収録曲のモノ・ヴォーカル・リファレンス・ミックス、そしてある日の深夜に行われたジャム・セッションで録音された3トラック分の特別なアウトテイク・コラージュなどが収められる。
▼「ハングリー・フリークス、ダディ(1966 モノ・ミックス)」の試聴と『フリーク・アウト!(60周年記念スーパー・デラックス・エディション)』購入予約はこちらから
https://zappa.lnk.to/FreakOut60th
▼ 新たなモノ・ミックスの修復作業に関するジョー・トラヴァースとジョン・ポリートによる対談の様子はこちら
https://frankzappa.lnk.to/FreakOutEpisode
ブルーレイ・ディスクにはアルバム本編を、新たに製作された24-bit/48kHzのドルビーアトモス、24-bit/48kHzのドルビーTrueHD 5.1chサラウンド・サウンドの各ミックスで収録。スタジオ1LAでこれらのミックスを製作したのはカーマ・オーガーとエリック・ゴーベルのチームで、2人は『ワカ/ジャワカ&グランド・ワズー』(2022年)、『オーヴァーナイト・センセーション』(2023年)、『アポストロフィ(’)』(2024年)、『ワン・サイズ・フィッツ・オール』(2025年)、『ボンゴ・フューリー』(2025年)のボックス・セットでもドルビーアトモスとサラウンドのミックスを手がけて高い評価を受けてきた。さらにこのディスクには、アルバム本編の192kHz/24-bitおよび96kHz/24-bitのハイレゾ・ステレオ・ミックス(2025年版)や、特別なヴィジュアライザーを伴ったボーナス・オーディオ、そしてテープ倉庫から発掘され、サラウンド・ミックスで蘇ったボーナス・トラック「グルーピー・バン・バン」も収められる。なお、オーガーとゴーベルは今回、オリジナルの4トラック・マスターのほかテープ倉庫に残されたステレオ素材を駆使して新たなドルビーアトモス・ミックスを作り上げた。
豪華なボックス・セット仕様のスーパー・デラックス・エディションには、1枚のリトグラフと26ページのブックレットも付属する。ブックレットにはレイ・レオンのアーカイヴに残された未公開写真や、デヴィッド・アンダールが撮影した貴重なレコーディング風景の写真などを使用。さらにはそのレオンや音楽ジャーナリストのジェイソン・ペティグルー、そしてお馴染みのテープ倉庫管理人であるジョー・トラヴァースによるライナーノーツや貴重な書き下ろしエッセイなどが掲載される。このボックスにはそのほか、ザッパが製作・デザインした両面・折り畳み式の”フリーク・アウト!ホット・スポッツ・マップ”のレプリカも付属する。
今回はボックス・セット仕様のスーパー・デラックス・エディションのほか、アナログ・レコード・エディションも2種類発売される。プレ・マスター・ミックスとモノ・マスターを各2枚、その他選り抜きのトラック(デモ、ライヴ音源、コラージュなど)を1枚のディスクにそれぞれ収めた180グラム重量盤仕様の5LPボックスもその一つだ。また、180グラム重量盤2LPエディション――マルチ・カラー・ヴァイナル――には、トラヴァースが24-bit/192kHzのハイレゾ品質で変換した音源を基にリマスタリングされたアルバム本編が収録される。これらの2LPはいずれも馴染み深い見開き式ジャケットに収められ、そこには上述した両面・折り畳み式の”フリーク・アウト!ホット・スポッツ・マップ”も付属する。なお、マルチ・カラー・ヴァイナル仕様の2LPエディションはZappa.com限定発売。そのほかのパッケージはZappa.com、uDiscover Music、Sound of Vinylのいずれでも入手できる。
各種パッケージの購入予約はこちらから >>
さらに、スーパー・デラックス・エディションはデジタル配信もされる予定だ。全105トラックについて、ハイレゾ品質か通常品質のいずれかを選択できる。またドルビーアトモスを扱っている各ハイレゾ・ストリーミング・サービスでは、アルバム本編の15トラックのドルビーアトモス・ミックスを単体でも聴けるようになる。
1966年当時のプレ・マスター・ミックスが収められたテープは、アーランド・サンディンという人物が寛大にもザッパ家のテープ倉庫に寄贈したもの。60年前のものであることを考慮すると、それらのテープは素晴らしい状態にあった。そのリールの中身は、『フリーク・アウト!』の制作中(1966年4月16日)にMGMのエンジニアが作成したリファレンス・ミックス(参照用ミックス)であると考えられている。実に明瞭なヴィンテージ・ミックスを聴くことができるが、これはプロデューサーのトム・ウィルソンによる処理が施される前の段階のもので、その処理が最終的に『フリーク・アウト!』全体のサウンドの特徴を決定付けることとなった。
フランク・ザッパは1980年代前半に自身の過去作品の所有権を取り戻したが、それでも『フリーク・アウト!』のモノ・マスター・テープが彼の手元に戻ることはなかった。だが幸いにも、『フリーク・アウト!』収録曲のシングル・ヴァージョンのマスターのおかげで3曲(「フー・アー・ザ・ブレイン・ポリス?(ボスは誰だ)」、「ハウ・クッド・アイ・ビー・サッチ・ア・フール(何と馬鹿なこと)」、「イット・キャント・ハプン・ヒア(起り得ないこと)」)に関してはオリジナル・モノ・ヴァージョンのテープが見つかった。残る収録曲はアナログ盤を基に修復する必要があったが、スコット・パーカーがこの上なく状態の良いモノ・ヴァージョンのオリジナル盤を探し出したことで、ハイレゾ品質での音源の取り込みが実現。その後、長年に亘ってザッパ作品に携わってきたオーディオ・メカニクスのジョン・ポリートがその音源を適切に修復した。
1966年のフィルモア・オーディトリアムでの演奏を捉えた歴史的な音源は、レコーディング・エンジニアのジョン・ジュドニックの手でテープに収められたもの。ジュドニックは有名コメディアンのレニー・ブルースと同居していた人物で、そのブルースとも仕事をしていた。一方で彼はハイファイ音響システムの分野における業界の技術革新に貢献した実績の持ち主でもあり、フランクや妻のゲイル・ザッパとは長年の友人だった。そしてマザーズの面々は1966年、フィルモア・オーディトリアムの舞台に何度も立っていたようである。ザッパ家のテープ倉庫にはジュドニックの功績により、2月24日のテープのほか6月24日と25日(レニー・ブルースと共演)のテープが存在している。エリオット・イングバーがギターを弾いた『フリーク・アウト!』時代のマザーズによるライヴ音源はこれしか存在しない。確かにこれらの音源には、ザッパの拡張版プロジェクトに通常期待される水準には及ばない音質の箇所がある。だがそのテープには、1966年半ばのアルバム発表当時における『フリーク・アウト!』時代のマザーズのライヴ・パフォーマンスが聴ける唯一の録音という点で歴史的な意義がある。
また、マザーズのリハーサル音源も貴重な発掘資料だ。「ハウ・クッド・アイ・ビー・サッチ・ア・フール」のオルタネイト・テイクを含むその一部はザッパの手で1998年の『ミステリー・ディスク』(もともと1986年の『オールド・マスターズ・ボックス1』を構成するLPとして世に出たもので、1998年にCDとして再編集された)に収められていた。そしてその既出音源に関しても、ここにはオリジナルの7インチ・マスター・リールを基にした長めのヴァージョンが収められている。これらのテープは1965年、カリフォルニア州ハリウッドのスワード・ストリートのリハーサル場で録音されたものである可能性が高い。その場所はフランクが1965年の映画『Run Home Slow(原題)』の音楽を制作したことへの見返りとして、ティム・サリヴァンによってグループに貸し出されていた。
そして今回のパッケージに収められたマザーズのデモ音源のうち3トラックは2004年の『ジョーズ・コサージュ』に、”モノ・ヴォーカル・リファレンス・ミックス”の一部は(”ヴォーカル・オーヴァーダブ・マスター・テイクス”として)2006年の『ザ・MOFO・プロジェクト/オブジェクト』にそれぞれ収録されていたもの。後者はオーヴァーダビングされたヴォーカル・テイクが入ったトラックで、そのヴォーカルは最終的なマスターにも使用されたが、ここではそれが前面に押し出されている。
1966年の夏、ロサンゼルスではフリーク・シーンが盛り上がりをみせており、”フリーク・アウト”と公式に銘打たれたイベントもほぼ毎月のように開催されていた。最新情報をチェックしておきたければ、ロサンゼルス・フリー・プレス紙に同シーンに関する記事や広告が掲載されていた――そして、それらはマザーズのリーダーであるフランク・ザッパ本人の手で執筆・制作されることもあった。
当時は”GUAMBO”(ザ・グレート・アンダーグラウンド・アーツ・マスクド・ボール・アンド・オージー)や”サン・オブ・GUAMBO”といったイベントのほか、数多くの公演がシュライン・オーディトリアムやサンタモニカ公会堂などで行われ、多くの人で賑わっていた。また、ウィスキー・ア・ゴー・ゴーもパンドラズ・ボックスやザ・トリップといった会場と並んで大きな人気を集めていた(しかし、どの会場もやがて当局からの弾圧の対象になった)。サンセット・ストリップは若者で溢れ返り、シーンは大いに繁栄した。だがその結果、やがて市政の重大な脅威として役人から目をつけられるようになった。そうしていくつものクラブが閉業に追い込まれ、少年たちも路上で取り締まりを受け逮捕された。ザッパはそういった状況を嫌というほど目にしていた。だから彼はその良い部分、悪い部分、醜い部分、そしてこの上なく狂気じみた部分などを1作のアルバムに記録した――それこそ、ザッパがほとんど急場しのぎで”マザーズ・オブ・インヴェンション”と改名したグループの歴史的なデビュー・アルバムなのである。
2枚組、全15曲の『フリーク・アウト!』のリリースは、急速に発展しつつあったそのムーヴメントに対する世間の関心を高めるためのザッパらしい戦略だった。そうすることで彼は、自分の周囲で起こっている出来事を世に知らしめようとしたのだ。全編で約1時間に及ぶこのアルバムは、ロック・ミュージックの新たな可能性を示した。またそれと同時に同作は、文化の一部として浸透し、60年後の現在も一般的に使用される慣用表現が広まるきっかけにもなったのである。
『フリーク・アウト!』に収められた楽曲群からは、この時点でアーティストとしてのザッパのヴィジョンがすでに確立されていたことが読み取れる。アメリカの教育制度を厳しく批判した「ハングリー・フリークス、ダディ」、ワルツのような不穏な音楽に乗せて同調圧力についての考察が繰り広げられる「フー・アー・ザ・ブレイン・ポリス?」、愛のこもったドゥーワップのパロディー「ゴー・クライ・オン・サムバディ・エルセズ・ショルダー(捨て去った恋)」、1965年のワッツ暴動に触発された痛烈な社会批評が展開される「トラブル・エヴリー・デイ(つらい浮世)」、三つのパートから成る前衛的・実験的な組曲「ヘルプ、アイム・ア・ロック(助けてくれ、俺はロックだ)」――これらの楽曲においてザッパは、強烈な皮肉を含んだ歌詞と恐れ知らずの革新的な音楽を見事に両立してみせた。同作は、唯一無二の創造性を備えた表現者の登場を告げる驚くべきデビュー作となった――そして彼はその後の数十年間に亘って、ロック・ミュージック界の既成概念に立ち向かい続けたのである。
『フリーク・アウト!』は発表から60年が経った現在も、画期的な作品であり続けているだけでなく、大胆な芸術的マニフェストとしても認知されている。そしてその独創性、不遜さ、妥協のないヴィジョンは、新たな世代のミュージシャンやリスナーらに挑戦状を突きつけ、刺激と影響を与え続けている。ザッパは同作のオリジナル・ライナーノーツにこう記していた。「”フリーク・アウト”とは、個々人が周囲の環境や社会構造全体と自分との関係を発想力豊かに表現するため……思想に関する時代遅れで窮屈な規範を捨て去るプロセスなのだ」。それから60年が経った今も、その哲学は過激であり、重要なものであり続けている。