『ズート・アリュアーズ(虚飾の魅惑)』50周年記念 5CD+ブルーレイ・スーパー・デラックス・エディションの発売が決定!

キャリアの転換期に作られ、ザッパのカタログの中でも異彩を放つ1976年の傑作の50周年記念ボックス・セット!初収録となるアルバムの初期ヴァージョンや、同時期の未発表ライヴの完全版などを併録した全73トラックから成る豪華盤。
5CD+ブルーレイ(音源のみ)、44ページの英文ブックレットと日本版ブックレットで構成。
リリースに先駆けて、ザッパのバンドの元メンバーであるアーサー・バーロウが新たにベースを録音した「サン・オブ・カナール・デュ・ジュール(シングル・エディット)」のストリーミング配信中。
https://umj.lnk.to/FrankZappa_sc
Disc One(CD):ザッパとドラマーのテリー・ボジオが中心となって作り上げた76年のアルバム『ズート・アリュアーズ(虚飾の魅惑)』の2026年最新リマスター版を収録。ザッパが”マザーズ”の名称を使用しなくなったアルバムであり、彼の膨大なカタログの中でも重要な1作と評される同作は、ギタリストとしてのザッパの代表曲である「ブラック・ナプキンズ」と「ズート・アリュアーズ(虚飾の魅惑)」という2つの名インストゥルメンタルを含む全9曲で構成される。このディスクにはそのほか、デニー・ウォーリーがスライド・ギターを弾いた約9分のブルース・ジャム「マフ・ダイヴァー」など3曲のボーナス・トラックを併録。
Disc Two(CD):ザッパはもともと本作を『ナイト・オブ・ジ・アイアン・ソーセージ』というアナログ盤2枚組の作品に仕立てようと考えていた。本ディスクには、ザッパ家のテープ倉庫に残された資料を基にその『ナイト・オブ・ジ・アイアン・ソーセージ』を再現した全11曲を初めて収録。
Disc Three/Four(CD):アルバムの制作が始まる直前の76年3月8日に、パリのパレ・デ・スポールで録音された未発表ライヴ音源を完全収録。ザッパ(ギター/ヴォーカル)、ナポレオン・マーフィー・ブロック(サックス/ヴォーカル)、アンドレ・ルイス(キーボード/ヴォーカル)、ロイ・エストラーダ(ベース/ヴォーカル)、テリー・ボジオ(ドラム/ヴォーカル)という5人編成のバンドを率いるザッパは、自ら驚異的なギター・プレイを存分に披露している。
Disc Five(CD):”ボーナス・アリュアーズ”と題し、アルバム収録曲の別ヴァージョン/ミックスやアルバムのラジオCMなどの秘蔵音源を17トラック収録。中でも「ホフストラ・セグメント」は、ニューヨーク州ロングアイランドにあるホフストラ大学の控室にてテープ・レコーダーに収められた演奏で、のちにアルバム本編収録曲「フレンドリー・リトル・フィンガー(人なつこい小指)」の構成要素となった。
Disc Six(ブルーレイ[音源のみ]):『ズート・アリュアーズ(虚飾の魅惑)』の本編9曲とDisc Oneにも収められたボーナス3曲を、ドルビーアトモス・ミックスと5.1chサラウンド・ミックス(エリック・ゴーベルとカーマ・オーガーがスタジオ1LAで製作した最新ミックス)、そしてハイレゾ・ステレオの各種ミックスで収録。
英文ブックレット:ザッパ家のテープ倉庫管理人であるジョー・トラヴァースによるエッセイと各ディスクの収録内容解説、音楽ジャーナリストのジェイソン・ペティグルーによるライナーノーツ、オリジナル・アルバムのエンジニアを務めたマイケル・ブラウンスタインのエッセイ、そして秘蔵写真の数々などを掲載。
【商品詳細】
発売日:2026年12月4日(金)
品番: UICY-80825
価格: 13,200円税込
生産限定盤
[日本盤のみ]
英文ライナーの完訳/歌詞・対訳付
SHM-CD仕様
<収録曲>
Disc One(CD)
▼ ズート・アリュアーズ(虚飾の魅惑)〜ジ・アルバム
1. ワインド・アップ・ワーキン・イン・ア・ガス・ステーション(ガソリン・スタンドの仕事はごめんだぜ)
2. ブラック・ナプキンズ
3. ザ・トーチャー・ネヴァー・ストップス(拷問は限りなく)
4. ミズ・ピンキー(Ms. ピンキーちゃん)
5. ファインド・ハー・ファイナー(彼女のいいとこ見つけようぜ)
6. フレンドリー・リトル・フィンガー(人なつこい小指)
7. ワンダフル・ワイノ(すごいのんだくれ野郎)
8. ズート・アリュアーズ(虚飾の魅惑)
9. ディスコ・ボーイ
▼ ボーナス・アリュアーズ 1
10. ズート・アリュアーズ(虚飾の魅惑)[スタジオ・アウトテイク]
11. マフ・ダイヴァー
12. サン・オブ・カナール・デュ・ジュール
Disc Two(CD)
▼ ナイト・オブ・ジ・アイアン・ソーセージ
1. ディスコ・ボーイ(オールド・ミックス)
2. フレンドリー・リトル・フィンガー(人なつこい小指)
3. ワンダフル・ワイノ(すごいのんだくれ野郎)
4. ズート・アリュアーズ(虚飾の魅惑)
5. スリープ・ダート
6. ジ・オーシャン・イズ・ジ・アルティメット・ソリューション
7. ミズ・ピンキー(Ms. ピンキーちゃん)[オルタネイト・ミックス]
8. フィルシー・ハビッツ(オルタネイト・エディット)
9. ファインド・ハー・ファイナー(彼女のいいとこ見つけようぜ)
10. ブラック・ナプキンズ(オルタネイト・エディット)
11. ザ・トーチャー・ネヴァー・ストップス(拷問は限りなく)[オールド・ミックス]
Disc Three(CD)
▼ ライヴ・イン・パリ、フランス 1976
1. ネイヴァル・エイヴィエーション・ウォーク・オン/インカン・アート・ヴァンプ
2. スティンク・フット(くさい足)
3. ザ・プードル・レクチャー
4. ダーティ・ラヴ
5. フィルシー・ハビッツ
6. ハウ・クッド・アイ・ビー・サッチ・ア・フール(何と馬鹿なこと)
7. アイ・エイント・ガット・ノー・ハート
8. アイム・ノット・サティスファイド(満たされない日々)
9. ブラック・ナプキンズ
10. アドヴァンス・ロマンス
11. ハニー、ドント・ユー・ウォント・ア・マン・ライク・ミー?(ハニー、俺みたいなヤツはダメかい?)
12. ジ・イリノイ・エネマ・バンディット(イリノイの浣腸強盗)[プリアンブル]
Disc Four(CD)
▼ ライヴ・イン・パリ(コンティニュード)
1. ジ・イリノイ・エネマ・バンディット(イリノイの浣腸強盗)
2. ザ・トーチャー・ネヴァー・ストップス(拷問は限りなく)
3. チャンガズ・リヴェンジ(チュンガの復讐)
4. ズート・アリュアーズ(虚飾の魅惑)
5. ダイナ・モー・ハム
6. カマリロ・ブリロ
7. マフィン・マン
8. アイム・ザ・スライム
9. サン・バルディーノ
Disc Five(CD)
▼ ボーナス・アリュアーズ 2
1. ズート・アリュアーズ・ラジオCM(ファイナー・ヴァリアント)
2. ワインド・アップ・ワーキン・イン・ア・ガス・ステーション(ガソリン・スタンドの仕事はごめんだぜ)[オルタネイト・ヴァージョン]
3. トライン・トゥ・グロウ・ア・チン(レコード・プラント ’76)
4. ブラック・ナプキンズ(オルタネイト・ミックス)
5. ロイ&ピンキー
6. ミズ・ピンキー(Ms. ピンキーちゃん)[オルタネイト・ミックス2]
7. ザ・トーチャー・ネヴァー・ストップス(拷問は限りなく)[モニター・ミックス]
8. ファインド・ハー・ファイナー(彼女のいいとこ見つけようぜ)[オルタネイト・ミックス]
9. フレンドリー・リトル・フィンガー(人なつこい小指)[オールド・ミックス]
10. ワンダフル・ワイノ(すごいのんだくれ野郎)[ミックス・アウトテイク]
11. ディスコ・ボーイ(オルタネイト・ミックス)
12. ホフストラ・セグメント
13. ファインド・ハー・ファイナー(彼女のいいとこ見つけようぜ)[モノ・DJ・シングル]
14. ディスコ・ボーイ(モノ・DJ・シングル)
15. ワインド・アップ・ワーキン・イン・ア・ガス・ステーション(ガソリン・スタンドの仕事はごめんだぜ)[ホフストラ・ドレッシング・ルーム]
16. ミズ・ピンキー(Ms. ピンキーちゃん)[ミックス・アウトテイク]
17. ズート・アリュアーズ・ラジオCM(ディスコ・ヴァリアント)
Disc Six(ブルーレイ [音源のみ])
▼ ズート・アリュアーズ(虚飾の魅惑)
◎ ワインド・アップ・ワーキン・イン・ア・ガス・ステーション(ガソリン・スタンドの仕事はごめんだぜ)
◎ ブラック・ナプキンズ
◎ ザ・トーチャー・ネヴァー・ストップス(拷問は限りなく)
◎ ミズ・ピンキー(Ms. ピンキーちゃん)
◎ ファインド・ハー・ファイナー(彼女のいいとこ見つけようぜ)
◎ フレンドリー・リトル・フィンガー(人なつこい小指)
◎ ワンダフル・ワイノ(すごいのんだくれ野郎)
◎ ズート・アリュアーズ(虚飾の魅惑)
◎ ディスコ・ボーイ
▼ ボーナス・アリュアーズ
◎ ズート・アリュアーズ(虚飾の魅惑)[スタジオ・アウトテイク]
◎ マフ・ダイヴァー
◎ サン・オブ・カナール・デュ・ジュール
【海外プレスリリース全文訳】
ロサンゼルス - 2026年10月6日 - 1976年は、フランク・ザッパにとって大きな転換点となった1年だった。『オーヴァーナイト・センセーション(興奮の一夜)』、『アポストロフィ (‘)』、『ロキシー&エルスウェア(10年目のマザーズ=ロキシー・ライヴ)』、『ワン・サイズ・フィッツ・オール(万物同サイズの法則)』、『ボンゴ・フューリー(狂気のボンゴ)』など世に名高い傑作の数々が生まれた激動の時期を経て迎えたこの年、ザッパは最小限の5人組バンドでのツアーから1年の活動をスタート。この編成は、彼にギタリストとしての力量を思う存分発揮する余白を与えた。そして長期間に亘るこのツアーでは、ヨーロッパ、ハワイ、オーストラリア、後にも先にも一度きりの訪問となった日本での公演も行われた。しかし春ごろになると状況は大きく変化しつつあった。ザッパは10年間仕事を共にしたマネージャーと袂を分かち、最新のバンドも事実上解散。結果として、ザッパとドラマーのテリー・ボジオを中心にその後の活動を続けることとなったのである。
そうして完成した新作が『ズート・アリュアーズ(虚飾の魅惑)』であり、ギターを前面に押し出し無駄を排したサウンドの同作は、ザッパの膨大なカタログの中でも重要な1作となった。ザッパは主にロサンゼルスのレコード・プラントでマイケル・ブラウンスタインとデイヴィ・モイアという2人のエンジニアたちと制作を進めていったが、レコーディングには多彩なミュージシャンたちも招集。その中にはボジオ、ルース・アンダーウッド、ロイ・エストラーダ、デイヴ・パーラート、デニー・ウォーリー、そしてハーモニカを吹いてドニー・ヴリートの名でクレジットされたキャプテン・ビーフハートなどがいた。一方、レコーディングにおいてはザッパ自身もギター、ベース、キーボード、シンセサイザー、ヴォーカルなど非常に多くの役割をこなした。そうしてアルバムに収められた9曲の中にはザッパのキャリアを代表する2つのギター曲(「ブラック・ナプキンズ」と催眠的な響きのタイトル・トラック)のほか、「ザ・トーチャー・ネヴァー・ストップス(拷問は限りなく)」、「ディスコ・ボーイ」、「ミズ・ピンキー(Ms. ピンキーちゃん)」、「ファインド・ハー・ファイナー(彼女のいいとこ見つけようぜ)」など愛され続ける人気曲が含まれていた。他方、「フレンドリー・リトル・フィンガー(人なつこい小指)」はザッパが開発した技法”ゼノクロニー”が使用された事例として初めて世に出た1曲。これは、無関係の素材から取られた複数のパフォーマンスを合成することで、全く新たなリズム的関係を作り出す革新的な技法である。
このたびそんな『ズート・アリュアーズ』が発売50周年を迎えることを祝し、12月4日にザッパ・レコーズ/UMeよりディスク6枚組(5CD+ブルーレイ・オーディオ)のスーパー・デラックス・エディションを含む同作の新たな拡張版が、幅広いフォーマットでリリースされる。中でもザッパ家のテープ倉庫管理人であるジョー・トラヴァースがプロデュースした全61トラックのスーパー・デラックス・エディションには、オリジナル・アルバムの2026年最新リマスター版のほか、合計5時間分を超える追加トラックを併録。そこにはザッパがもともと構想していた同作の2LP版に当たる『ナイト・オブ・ジ・アイアン・ソーセージ』や、1976年にパリで録音された未発表ライヴの完全版、スタジオで録音された未発表のアウトテイク、収録曲の別ミックスや別エディット、アルバムのラジオCMなど、テープ倉庫から発掘された秘蔵音源の数々が含まれる。そしてマスタリングはパッケージ全体を通じてジョン・ポリートが手がけた。この豪華なスーパー・デラックス・エディションには充実のブックレットも付属。その中には写真家のゲイリー・ヒーリーによる『ズート・アリュアーズ』のジャケット撮影のアウトテイクや、ニール・ズロゾワーによる秘蔵写真などがあしらわれている。さらにはトラヴァース、音楽ジャーナリストのジェイソン・ペティグルー、同作のオリジナル版のエンジニアを務めたマイケル・ブラウンスタインによる書き下ろしエッセイも掲載。それぞれがこのアルバムやその制作過程、ザッパのカタログにおいて同作が占める不動の地位などについて、三者三様の視点で綴っている。
また本日のアナウンスに合わせ、『ズート・アリュアーズ』50周年記念版のアーカイヴ探索と制作の過程に迫る新たなビデオも公開されている。その映像では、テープ倉庫管理人のトラヴァースがフランク・ザッパの”ユーティリティ・マフィン・リサーチ・キッチン”で当時使用されていたテープ・マシンを駆使し、今回のリリースに向けたオリジナル音源の変換手順を実演している。
今回の記念版の目玉は、初めてのリリースとなる『ナイト・オブ・ジ・アイアン・ソーセージ』である。これは、ザッパが当初構想していた『ズート・アリュアーズ』の2枚組ヴァージョンの仮タイトルだった。ザッパは最終的に曲数を減らし、このプロジェクトをお馴染みのLP1枚へと再構成する以前、それとは大きく異なる2LP版の曲目を組み上げていた。その存在を示す資料として、倉庫内には1976年のケンダン・レコーダーズでアセテート盤に手作業でカッティングされた数枚の参照用ディスクと、Side 4のテープ1本が残されていたのである。トラヴァース率いるチームはテープ倉庫からそれに対応する初期ミックスを見つけ出し、このアルバムの初期ヴァージョンを再現することに成功。そうして50年の時を経て、『ナイト・オブ・ジ・アイアン・ソーセージ』の全貌が明らかになったのである。
11トラックから成る『ナイト・オブ・ジ・アイアン・ソーセージ』は、『ズート・アリュアーズ』の驚くべき別の一面を明らかにしている。「ディスコ・ボーイ」の初期ミックスで幕を開けるこの楽曲群は、「スリープ・ダート」、「ジ・オーシャン・イズ・ジ・アルティメット・ソリューション」、「フィルシー・ハビッツ」など最終的な1LP版には収められなかったインストゥルメンタル・ナンバーや、「ミズ・ピンキー」、「ブラック・ナプキンズ」、「ザ・トーチャー・ネヴァー・ストップス」の別ミックス/エディットなどを含んでいる。それらの楽曲の中にはのちにザッパの別の作品に収められたものもあったが、ここでは1976年当時に彼が構想していた『ズート・アリュアーズ』の拡大版の文脈でそれらを聴くことができる。
さらにスーパー・デラックス・エディションには、フランスのパリにあるパレ・デ・スポールで1976年3月8日に録音された未発表コンサートの完全版を収めた2枚のディスクも含まれる。倉庫でレコード・プラント時代の音源を捜索していた際にトラヴァースが発見したというそのコンサート・テープには、モイアが手がけたステレオのライン録音が驚くほど完全な形で残されていた。同公演でザッパはナポレオン・マーフィー・ブロック(サックス/ヴォーカル)、アンドレ・ルイス(キーボード/ヴォーカル)、ロイ・エストラーダ(ベース/ヴォーカル)、ボジオ(ドラム/ヴォーカル)という面々を率いた。そこには『ズート・アリュアーズ』へと結実するレコード・プラントでのレコーディングが始まる直前、短命に終わった5人編成のラインナップの最後の時期に行われたライヴの模様が収められている。
このパリ公演のパフォーマンスは、その時期のザッパのギター・プレイをとりわけ鮮明に記録している。そこでは「ブラック・ナプキンズ」、「アドヴァンス・ロマンス」、「チャンガズ・リヴェンジ(チュンガの復讐)」、「ズート・アリュアーズ(虚飾の魅惑)」といった楽曲の長尺の演奏のほか、「フィルシー・ハビッツ」、「ザ・トーチャー・ネヴァー・ストップス」、「スティンク・フット(くさい足)」、「ダーティ・ラヴ」、「マフィン・マン」、「アイム・ザ・スライム」などを聴くことができるのだ。なおこのコンサートの音源は、ザッパが自身で残していたナグラ社製テープの素材を使用したアンコール冒頭のごく一部を除き、すべてモイアが手がけたオリジナル・テープを基にしている。
スーパー・デラックス・エディションの5CDにはそのほか”ボーナス・アリュアーズ”と題された2つのコレクションも収められる。これらはスタジオで録音されたアウトテイク、アルバム収録曲の別ミックスやモニター・ミックス、当時のラジオCM、一部楽曲のモノ・DJ・シングル・ヴァージョンなどのレア音源で構成。中でも注目すべきは「ズート・アリュアーズ」の未発表スタジオ・アウトテイクや、ウォーリーがスライド・ギターで参加した約9分のインストゥルメンタル・ジャム「マフ・ダイヴァー」、さらには「ワインド・アップ・ワーキン・イン・ア・ガス・ステーション(ガソリン・スタンドの仕事はごめんだぜ)」、「ブラック・ナプキンズ」、「ミズ・ピンキー」、「ファインド・ハー・ファイナー」、「フレンドリー・リトル・フィンガー」、「ディスコ・ボーイ」といったアルバム収録曲の別ヴァージョン、そして「ホフストラ・セグメント」などである。「ホフストラ・セグメント」はザッパが所有するナグラ社のレコーダーを使いホフストラ大学の控え室で録音された音源素材で、のちに「フレンドリー・リトル・フィンガー」の構成要素となった。
「サン・オブ・カナール・デュ・ジュール」も貴重な発掘音源の1つで、こちらは2インチ/24トラックのオリジナル・セッション・マスターから見つかったもの。この曲はのちに『ジョーズ・ガレージ(ジョーのガレージ)』収録の「アウトサイド・ナウ(現在、しゃばでは)」へと発展していった。そして同トラックについてはこの50周年記念版のため、ザッパのバンドの元メンバーであるアーサー・バーロウが2026年に入って新たなベース・パートを録音。そんな「サン・オブ・カナール・デュ・ジュール」の特別なシングル・エディットは、このコレクションのリリースに先駆けて本日から先行公開されている。
スーパー・デラックス・エディションのブルーレイ・オーディオ・ディスク(音源のみ)には、アルバム本編の9曲の最新リマスター版のほか「ズート・アリュアーズ(スタジオ・アウトテイク)」、「マフ・ダイヴァー」、「サン・オブ・カナール・デュ・ジュール」を、24-bit/48kHzの没入型ドルビーアトモスとドルビーTrueHD 5.1chサラウンド・サウンド・ミックスで収録。それらはいずれもカーマ・オーガーとエリック・ゴーベルがスタジオ1LAで制作したものである。オーガーとゴーベルはこのほか、本コレクションに収められた選り抜きのボーナス・トラックの新たなミックスも手がけた。ブルーレイ・オーディオにはさらに、各曲の24-bit/192kHzと24-bit/96kHzのPCMステレオ・ミックスも収録。そして3曲のボーナス・トラックは、秘蔵/未公開写真を使用した特別なヴィジュアライザーでも楽しむことができる。
『ズート・アリュアーズ』は多彩なアナログ・レコード・エディションでも発売予定。その中には『ナイト・オブ・ジ・アイアン・ソーセージ』を中心に据えた180グラム重量盤ブラック・ヴァイナル仕様の2エディションも含まれる。見開き式ジャケット仕様の2LPエディションには、ザッパが当初構想していたアルバムの未発表2枚組ヴァージョンを収録。一方、拡張版の3LPにはスーパー・デラックス・エディションの注目トラックを集めた3枚目のディスクが追加される。また、3LP版にはリトグラフや充実のブックレットも付属する。
スーパー・デラックス・エディションの全61トラックはハイレゾ/スタンダードの2種のデジタル・エディションでも発売予定で、それぞれにデジタル・ブックレットが付属する。さらにスタジオ1LAが制作した没入型のドルビーアトモス/5.1 chの各ミックスも、同フォーマットに対応する各ストリーミング・サービスで配信される。そのほか『ズート・アリュアーズ』関連の新たなグッズも、50周年記念版のリリースに合わせて発売される。
『ズート・アリュアーズ』は激動の時期に制作されたアルバムだが、そんな状況で作られたからこそ、同作は70年代中期のザッパ作品の中でもとりわけ異彩を放つ1作になったと言える。直前のバンドのメンバーがほとんど離脱したことで、そのレコーディングはしばしばザッパとボジオの密な共同作業により進んでいった。そのため、ほかのアルバムでは考えられないほどザッパのギター・プレイやスタジオでの実験に割ける部分が多かったのである。レコード・プラントで行われたレコーディングにはお馴染みのミュージシャンも出入りし、アンダーウッドはマリンバとシンセサイザーを演奏。ビーフハートはハーモニカを吹き、ウォーリーはスライド・ギターを加え、ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団のハープ奏者であるルー・アン・ニールもタイトル・トラックに参加した。
このアルバムはまた、ザッパのすぐ先の未来を予見させる作品にもなった。この『ズート・アリュアーズ』から彼は”ザ・マザーズ”の名称を使用しなくなり、シンプルに”フランク・ザッパ”として活動するようになったのだ。さらにボジオと、この直後に加入したパトリック・オハーンは彼のその後のツアー/レコーディング活動の基礎を築く重要な存在になった。そうした中で完成したのは、まったく独自の空気感をまとったアルバムだった――力強くも空間の広がりを感じさせ、ダークなユーモアや実験性を感じさせる同作は、ザッパ史上屈指に表現力豊かなギター・プレイに彩られている。
オリジナル・リリースから半世紀を経て登場する『ズート・アリュアーズ』の50周年記念版は、当時のレコーディングに関してかつてないほど多くのことを明らかにしている。そこにはザッパがもともと構想していたアルバムの2LP版が初めて収録されるほか、テープ倉庫に残された素晴らしい発掘ライヴ音源も初登場。さらにはこのアルバムを生み出した実験的な試みの数々も浮き彫りにしているのである。