BIOGRAPHY

ELTON JOHN / エルトン・ジョン

1998年に大英帝国勲章を受章したサー・エルトン・ジョンは、最も高く評価され成功しているソロ・アーティストの一人。ゴールド・アルバム26枚、プラチナム&マルチ・プラチナム・アルバム43枚、全世界で3億枚以上のレコードを売り上げ、チャートの歴史が始まって以来最も売れたシングル(1997年「キャンドル・イン・ザ・ウインド~ダイアナ元英皇太子妃に捧ぐ」)の記録を保持している(※)。
1968年にデビュー・シングルを、1969年にデビュー・アルバムをリリースしてからこれまでに80か国で4,600回以上のコンサートを行ってきた。1994年に「ロックの殿堂」入り。2011年にはアーティスト・マネジメントを設立し、エド・シーランやザ・ストライプスなど若い才能をいち早く見出している。2017年バーニー・トーピンとの共同ソングライティング50周年を記念した最新ベスト・アルバム『ダイアモンズ~グレイテスト・ヒッツ』がリリース、発売以降374週もの間チャートに入り続け8年後の2025年1月に全英アルバム・チャート1位を獲得。2018年最後のツアー「Farewell Yellow Brick Road」を発表、同年9月から2023年7月8日のスウェーデン・ストックホルムの最終公演まで330公演を行い、50年以上に及んだツアー生活を終えた。北米での最終公演となったドジャー・スタジアムでのコンサートは『エルトン・ジョン・ライヴ:Farewell from Dodger Stadium』として2022年11月20日にディズニープラスで現地よりライヴ配信された。2021年にはデュア・リパやチャーリー・プース、リナ・サワヤマなどとのコラボ曲を収録したアルバム『ロックダウン・セッションズ』をリリース。2024年12月13日ドキュメンタリー『エルトン・ジョン:Never Too Late』が公開し、エンドクレジット・ソングとしてエルトン・ジョン&ブランディ・カーライルによる新曲「ネヴァー・トゥー・レイト」も発表された。

(※歴代シングル売上記録においてはビング・クロスビー「ホワイト・クリスマス」に次いで2位)


エルトン・ジョンが今日までのキャリアで成し遂げてきた功績は、その幅広さと息の長さにおいて他に並ぶものがない。エルトンは史上最も高い売り上げを誇るソロ・アーティストの一人だ。英米の両チャートだけでも、ダイヤモンド・ディスク認定アルバム2作、プラチナもしくはマルチ・プラチナ認定43作、ゴールド認定26作、そして85曲以上のトップ40ヒットを記録。シングルとアルバムを合わせ現在までに全世界で3億枚以上を売り上げている。
 
エルトンは現在までに数々の賞や栄誉を授与されてきた。それには「レジェンド賞」を含むグラミー賞6回、トニー賞1回、アカデミー賞2回、ブリット・アワード「最優秀英国男性アーティスト賞」1回、〈ロックの殿堂〉及び〈ソングライターの殿堂〉入り、ケネディ・センター名誉賞、レジェンド・オブ・ライヴ・アワード、そして13回のアイヴァー・ノヴェロ賞が含まれており、さらに「音楽及び慈善活動への貢献」により、英女王エリザベス2世からナイト爵位も授与された。そして2024年1月、エルトン・ジョンは、ディズニー+(ディズニープラス)の歴史に残るコンサート・スペシャル『エルトン・ジョン・ライヴ:Farewell from Dodger Stadium』で初のエミー賞を獲得。ハリウッドのエリート集団“EGOT”(*エミー賞のE、グラミー賞のG、アカデミー賞/オスカーのO、トニー賞のTを繋げた、4賞全てを獲得した人物の通称)の仲間入りを果たした。
 
3,300万枚以上を売り上げた「キャンドル・イン・ザ・ウィンド〜ダイアナ元英皇太子妃に捧ぐ」により、エルトンはフィジカル・シングル史上最高売上記録を保持。2017年にリリースした究極のベスト盤『ダイアモンズ〜グレイテスト・ヒッツ』は、エルトンにとって43作目の全英トップ40アルバムとなり、全英アルバム・チャートで300週以上トップ75入り、うち200週以上はトップ20へのランクインを果たした。バーニー・トーピンとのソングライティング・パートナーシップ50周年を記念したこのベスト盤は、2023年7月に全英チャートで最高2位を記録。その過程でクワッド・プラチナ認定(プラチナx4)を受け、全キャリアで62作に及ぶエルトンの作品中で最も長くチャートインしたアルバムとなった。
 
2018年8月、エルトンは全米ビルボード・ホット100シングル・チャート史上最も成功した男性ソロ・アーティストに選ばれた。同チャートで、彼はこれまで71回のエントリーを記録。うち1位を9回獲得、トップ10入りを29回果たしている。2021年10月には、新型コロナウイルス感染拡大期間中にレコーディングしたコラボレーション・アルバム『ロックダウン・セッションズ』をリリース。全英アルバム・チャートで首位を獲得し、エルトンにとって通算8作目の全英1位アルバムとなった。そのリード・シングル「コールド・ハート(プナウ・リミックス)」(エルトン・ジョン&デュア・リパ)は正真正銘の世界的大ヒットとなり、英国やオーストラリアを含む世界各国20以上のチャートで1位を獲得。この成功によりエルトンは、1970年代から2020年代にかけ、6つの年代に亘って全英トップ10ヒット・シングルを世に送り出した初のソロ・アーティストとなった。米国ではソロ・アーティストとして、全米トップ40入りの最長記録を51年間保持しており、今日までに57曲がランクイン。全米アダルト・コンテンポラリー・チャートでも18曲が1位を飾り、合計76曲をランクインさせている記録保持者でもある。2022年夏には、エルトン・ジョン&ブリトニー・スピアーズとしてコラボ曲「ホールド・ミー・クローサー」をリリース。全英トップ5ヒットとなった他、オーストラリアのシングル・チャートで1位を獲得するなど、これもまた世界的な大ヒット・シングルとなった。
 
エルトンは2018年1月、ニューヨークのゴッサム・ホールにて《フェアウェル・イエロー・ブリック・ロード・ツアー》の開催を発表した。同ツアーは2018年9月10日に北米で開幕後、英国、ヨーロッパ、北米、オーストラリアで計330公演を行い、625万人以上のファンを魅了。この一連の公演を以ってエルトンは50年以上に亘るツアー生活に終止符を打った。同ツアーは2019年、ビルボード誌の“トップ・ロック・ツアー”及びポールスター誌(*コンサート/ライヴ音楽業界誌)の“年間最重要ツアー”に選出。米国ツアーはドジャー・スタジアムを完売した3公演で幕を閉じている。このコンサートはディズニー+(ディズニープラス)が放送されている全地域で生配信されたが、それは世界初の試みであった。2023年6月、エルトンはグラストンベリー・フェスティバルのピラミッド・ステージでヘッドライナーを務め、それは《ファイナル・イエロー・ブリック・ロード・ツアー》に先駆けた最後の英国公演となった。日曜夜のフィナーレを飾った彼のステージは、同フェスティバルの豊かな歴史の中でも最高のパフォーマンスの一つとして広く称えられ、同フェス史上最大級の観客を動員。また、グラストンベリーのセットとしては史上最高のテレビ視聴者数を記録し、BBC Oneでの放送を観た者は一夜で760万人に達した。1970年に初のツアーを実施して以来エルトンが行ってきた公演は、80ヶ国以上、4,600回以上に上る。
 
また、2019年には自伝『Me: エルトン・ジョン自伝』を発表し、映画『ロケットマン』も公開された。エルトンの半生を描いた壮大なファンタジー・ミュージカル映画『ロケットマン』は興行収入が2億ドルに迫る大ヒットとなり、商業的にも批評的にも大きな成功を収めた。同映画はアカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞2部門、批評家チョイス・アワードを受賞し、BAFTA(*英国映画テレビ芸術アカデミー賞)では4部門にノミネート。サウンドトラックはグラミー賞にもノミネートされている。今回の『エルトン・ジョン:Never Too Late』は、自身の人生と、50年に及ぶキャリアの中でも驚きに満ちていた初期時代をエルトンが振り返る様子に密着し、心を揺さぶる刺激に満ちた一巡の旅として辿っていく。R・J・カトラーとデヴィッド・ファーニッシュが監督を務めたこのドキュメンタリーは、2024年12月に13日にディズニー+にてプレミア公開された。
 
エルトンは1992年に〈エルトン・ジョン・エイズ基金〉を設立。同基金は現在世界的なHIV/エイズとの闘いにおける先達となっている。同基金はHIV/エイズ助成金としてこれまでに6億ドル以上を集め、90ヶ国以上で3,000以上のプロジェクトに対して資金援助を行ってきた。2019年6月、芸術とHIV/AIDSとの闘いへの生涯に亘る貢献を称え、フランスのエマニュエル・マクロン大統領はエルトンに同国の最高位勲章であるレジオン・ドヌール勲章を授与。そしてエルトンは2021年、英国の新年叙勲リストでコンパニオン・オブ・オナー(名誉勲爵士:CH)を授与された。同リストにおける最高栄誉の名誉勲爵士を保持する存命者は、その時点でエルトンを含め僅か64名であった。2022年9月には、伝説的なものとなった彼のキャリアとエイズ撲滅運動への貢献を称えて、バイデン大統領から米国人文科学勲章を贈られた。
 
長きに亘り新人アーティスト達を絶え間なく熱心に支援し続けてきたエルトンは、主導的な発言者として、ブレグジット(*英国のEU離脱)後のヨーロッパ各国における若手アーティスト達のビザなしツアー権の制定を英政府に働きかけている。
 
2024年にはロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)にて『フラジャイル・ビューティ(Fragile Beauty=儚い美)』展が開幕し多方面で絶賛を博した。2025年1月5日まで開催された同展で展示されていたのは、エルトンとデヴィッド・ファーニッシュのコレクションより厳選された世界トップレベルの写真作品群だ。
 
2025年