「トーク with:Matt Tuck (Bullet For My Valentine) x Masato (coldrain) x Koie (Crossfaith)」3人のトーク内容を掲載

2021.12.11 TOPICS


 
11月11日(木)にTwitch Amazon Music JPチャンネルにてライヴ配信された、ニュー・アルバム『ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』発売記念スペシャル座談会「トーク with:Matt Tuck (Bullet For My Valentine) x Masato (coldrain) x Koie (Crossfaith)」。3人のトーク内容を特別掲載!

(マット・タックがリモートで登場)
Koie:日本のファンに挨拶をどうぞ。
Masato:どんな感じ?マット。
Matt:ごめん、もう一回。
Masato:元気?聞こえる?
Matt:あ、今、聞こえた。聞こえるようになったよ。元気だよ。呼んでくれてありがとう。そっちは今日はどんな感じ?
Koie:いい感じだよ。
Masato:いい感じ。

Koie:久しぶりだね。
Masato:すっごい久しぶり。何年ぶりだろう。少なくとも2年?
Matt:うーん、4年になるかな。
Masato:4年? 前回の来日以来?
Matt:だね。少なくとも3年は経ってると思うな。それくらいだ。あっという間だね。
Masato:正に。

Masato:新しいアルバムを出して、どんな気分?
Matt:最高の気分だよ。この1週間は俺ら盛り上がってて、ちょうど2日前のブライトンでUKツアーが終わったところなんだけど…
Koie:いいね。
Matt:うん、ここ10日間ぐらいすごくいい感じだった。やっとアルバムも出せてよかったよ。長いプロセスだったんでね、特にこの18か月は世界があんな状況だったから…
Masato:うん…
Matt:なんか成し遂げたなって感じがする、音楽がかなり苦戦した時期だったけど、俺たちはアルバムを作って発表して、ツアーも終わって、状況は上向き。すべて順調。

Masato:俺とケン(Koie)から聞きたかったんだけど、俺たちがコロナの状況が悪くなってからやってきたショウは、オーディエンスは歌っちゃいけなかったり…
Koie:そう、マスクして…
Masato:決まった席に座ってもらってるんだよね。でも、そっちは普通のショウをやってるんでしょ? そこに戻れたのって、どんな気持ち?
Matt:あぁ、最高だね。UKは今のところ抑え込んでるみたいで、ワクチンも行き渡って成功したし、みんな時代に適応していってるってことなんだろうね、人込みにはあんまり行かないとか、マスクをするとか、それでうまくいっているんだと思う。ワクチンの成果と、みんなの責任感が両方あってイベント…ギグやスポーツ関係のイベントもこっちではちゃんと機能してる。適応することで、ありがたいことに普通に戻っているってことだね。いいことだよ。

Masato:アルバムもかなりコロナ関係に影響された?
Matt:いや、俺たちは幸運にも2019年には作業に入っていたんだ。コロナが公の目に見えてくる前に。なんで、もうアルバムの方向性も見えていたし、2つぐらいキーになる曲も書いてあった状態で、みんなでスタジオに一堂に会することができるようになるまでUKで数か月、休むような形にはなったけど、そこからまた曲作りを続けていったんで、俺たちの2020年は皆が苦しんでいたほどには大変じゃなかった。そもそも2020年はこのレコードのための曲作りと録音にあてていたから、ショウやツアーをキャンセルしなければならないってこともなかったし、ただおとなしく、スタジオで会えるまで我慢しててただけ。コロナ以前から動き出していたのはラッキーだったね。
Masato:スタジオでの時間に余裕があるのは、いつだってありがたいしね。

Masato:ケン(Koie)と俺が聞きたかったのはね、マット、セルフタイトルのレコードを出すって、どんな気持ちなの?
Matt:ははは…
Masato:バンドやってると、それって大きいじゃない。
Matt:俺としては、いつものレコードと同じ感じだけどね。ただ今回、バンド内でここ数年色々あった後に制作したレコードってことで俺たち、破格に自信があって、今作はブレット・フォー・マイ・ヴァレンタインの新ヴァージョンを象徴してるな、と。なんていうんだろう、クリエイティヴな意味でも今までとレベルが違う感覚があるし、ライヴ・バンドとしても俺たち違うレベルに来てる気がするし、このレコードは2021年におけるBFMVを純粋に象徴しているというか、今じゃなければ作れなかったレコードというか…うん、バンドとして新しいチャプターが始まる感じがしたんだよ。だからああいうタイトルにしたいと思ったわけ。

Masato:コメントしてくれてる人が、みんなニュー・アルバムをすごく気に入ってるって。
Koie:俺も大好き!(笑)
Matt:すごいな。うん、俺たちもすごく気に入ってて、今でも誇りに思えるし、評判も良くてけっこう圧倒されてる。俺たちもう長くやってるけど、いつも反応は良かったり悪かったり色々で、それは俺たちが創作的に常に可能性を広げようとしてやっていることに得てして批判が付きまとうせいなんだが、今回はなんかこう…ファンが本当に求めていたものを提供できたかな、みたいな…
Masato:うん…
Matt:とにかく、今回のレコードを取り巻くポジティヴな感じには圧倒されるものがある。本当にすごく好調なんだ。みんな、気に入ってくれてありがとう。
Masato:こっちでもチャートに入ってるし。
Matt:うん、前に聞いた時は5位だったかな。今もそうかどうかわからないけど。ねえ、すごいよね。ずっと支えてきてくれた皆に感謝してるよ。最高。嬉しいよ。

Koie:また日本に来た方がいいよ。
Matt:だよね。すっかりご無沙汰していて。日本に行くのって、毎回ツアーのハイライトでさ。俺たち日本に行くのが大好きだから、予定には入ってるし、何やら水面下で進行中ではあるんで、だから…うん、何かあるよ、まだ発表してないだけで。でも、そんなに先のことじゃない。
Masato:それ、訳しちゃっていい?
Matt:うん、うん。

Koie:音楽以外で日本のカルチャーの何が一番好き?
Matt:俺の場合、一番好きなのは食べ物と人。
Koie:いいね。
Matt:行くと毎回、びっくりするくらい暖かく大歓迎してもらえて、地球上にあんなところ他に無いってくらい、ホントそうなんだ。愛と前向きな気持ちを浴びせられるっていうか、東京でも大阪でも、どこに到着しても笑顔になってしまう。これだけ年月が経っても変わらず笑顔になれる場所って、他には無い。あと食べ物も、俺に言わせれば地球上のどこと比べても別格。だから俺にはウィンウィン(笑)

Masato:コメントを見てるんだけど、きみの髪の話をしている人が多いんだよね。
Koie:うん…
Matt:いいじゃん。そりゃそうだ。いつだってそれは一番重要な話題だ。
Masato:(笑) 絶対そうなるよね。
Matt:うん、なんでか知らないけど俺と髪のことはみんな話したがる。
Masato:一緒にツアーしたりするようになってから、そこまで髪が長かったことはないと思うんだけど。
Matt:まあ、レコードを作っていた以外、去年はあんまりすることがなかったから髪の毛でも伸ばすかってことで。今、かなり長いよね。
Masato:かっこいいよ。あと、髭も。
Koie:うん。
Masato:俺らの夢の髭…
Matt:今、かなり毛むくじゃら…
Koie:いつから伸ばしてるの?
Matt:あぁ、これけっこう自慢なんだよね。ここまで伸ばしたことなかったんだけど。
Masato:イケてるよ。

Masato:ギターをフライングVからエクスプローラーに変えた理由を聞きたいってキッズがいる。
Koie:ハードコアなファンから(笑)
Matt:なんだろ、もうVをツアーで5~6年使ってきたんで、ちょっと変えたくなったんだよね。メインで使ってきたギター2本はギブソンのVだったんだけど、あちこち傷んできたから、いわゆる引退ってやつをさせてやりたくて、でもああいうギブソンの歴史的なギターのシェイプみたいなものはキープしたい、となるとエクスプローラーが自然な進化だったってこと。まだ付き合い始めなんで、当然ライヴで使うのはまだ馴染んでないんだけど、音は最高だし見栄えもするし、いい感じだよ。

Masato:新作の、一番聴いてもらいたいところ、聴きどころは?
Matt:いやあ…あのさ、わかりきった答だと思われるだろうけど、あのレコードの曲はどれもそれぞれに俺にはすごく大事で、俺にとってはレコード全部が聴きどころなんだよね。俺にとって、キャリアのハイライトでもあるし、曲作りのハイライトでもあるし、メタル・ミュージシャンとしてのハイライトでもあり、このバンドの最高に充実した瞬間がひとつひとつの曲に表れていて、きっと聴く人は驚くんじゃないかと思う。レコード全体が最大限にBFMVだ。それが今、広い世界に放たれたわけで、…門が開くと「ナイヴズ」 や「パラサイト」あたりの曲が出てきて、のっけからこっちの意図をゴチャゴチャ言わずにはっきり示している…っていうのがたぶん、頭の4曲の選曲理由でね。あとは…うん、どれも全部、俺にはハイライトで、1つは選べない。難しすぎるよ。このレコードにすっかり惚れ込んでる。超自信作。全部そう。
Masato:ケンと今、俺たちならわかってるはずでしょ、って話をしてたんだ。
Koie:そう。
Masato:これと同じ質問をいつもされるから。どの曲もハイライト。
Koie:愚問。
Masato:(笑)
Matt:愛も努力もハンパ無く注ぎ込んでるもんね、きみらも知ってる通り。長いプロセスを経て、たくさんの血と汗と涙と、浮き沈みがあってレコードができるんだから、その完成品は…俺たちも今回こうして出来上がって、くり返しになるけど、とにかくものすごく誇りに思うんだよ。ありったけのものを詰め込んだからね。聴けばわかってもらえると思う。
Koie:子供みたいなもんだから。

Masato:俺、きみらとツアーしていた時の思い出のひとつに、これはずっと前のことだけど、きみらツアー先で曲を書いてたでしょ?それをこっそり見てたんだけど、きみがリフを書いて、他のメンバーもそれをすごく気に入ってノリノリだったのを、きみが止めて「これはブレットじゃない」って言ったんだよね。そういう線を引いているのが、すごくいいなってずっと思ってて。メタルではあるけど、やっぱりブレットではない、みたいな。ブレットの曲であるためには具体的に目指すサウンドがある。ただメタルならいい、普通のメタル・ソングであればいい、というのではなくて。
Matt:うん。
Masato:それ、すごくいいなって思ったんだ。
Matt:うん、それはどんなバンドにとっても大事なことだと思うけど、俺はソングライターとしてこのバンドで歴史があるから、バンドのサウンドのDNAは守らなきゃいけないんだよ。違う方向へ向けてみたいとか、クリエイティヴな意味で実験してみたいと思うのはいいとして、でも最終的にはやっぱりブレットらしい音に、俺たちらしい音にならなければいけない。だから、たとえ曲が良くて、デモの段階を通ったとしても、感覚的にしっくりこなければ、サウンド的に嘘偽りのないところから生まれていなければ、それは残れない。このレコードでもそうだった。8~10曲…何か月もかけて書いて仕上げた曲が8~10曲あったんだけど、「ナイヴズ」が書けた時点でその前にあった8~10曲は即、ゴミ箱行き。そしてまた最初からやり直した。あの曲で、『グラヴィティ』から今作に至るまでの然るべき進化を遂げられた気がしたから。ヘヴィさにおいても、音楽的なコントラストという意味でも満足がいったんだ。うん、だから…さっきも言ったように、バンドをどう進めたいかというのとは別にバンドのDNAを守ることが、バンドを長く続けるためには必須な部分だ、と俺は考えてる。

Masato:もう時間切れみたい。何か日本のファンに言いたいこと、ある?
Matt:いつものことだけど、長年のサポートに感謝します。日本は俺たちにとってすごく特別な場所で、行くたびに大事な思い出になっている。今はまだ、俺たちが願うほど簡単に事は運ばないけど、でも見えないところで日本向けに何か画策してるんで、近いうちにそれが何で、いつ日本で会えるか発表できると思う。皆の愛と支えに心からありがとう。きっと、思っているより早くまた会えると思うよ。アリガト。
Koie:完璧!
Masato:来年?来年かな?
Matt:いい感じで見えてきてるよ。
Masato:だといいな(笑) また一緒に遊べるように。
Matt:必ず行くよ。ふたりに会いたいな。会えなくて寂しかったからね、ふたりにも、みんなにも、だからまた行けたら楽しいだろう。
Masato:話せてよかったよ、マット。
Matt:ありがとう。
Masato:すぐに会えますように!
Koie:良い1日を!
Matt:元気で!

coldrain情報はこちら:coldrain.jp
Crossfaith情報はこちら:crossfaith.jp