BIOGRAPHY

アンソニー・ロス・コスタンツォ(カウンターテナー)


カウンターテナーのアンソニー・ロス・コスタンツォは11歳でプロとしてパフォーマンスを始め、以来オペラ、コンサート、リサイタル、映画、ブロードウェイなど、数々の舞台を踏んできた。

今シーズン、コスタンツォは、ヒューストン・グランド・オペラの『ジュリオ・チェザーレ』で同名の主役として、フロリダ・グランド・オペラの『オルフェオとエウリディーチェ』ではオルフェオとしてデビューを果たし、オペラ・フィラデルフィアではジョージ・ベンジャミンの『リトゥン・オン・スキン』でザ・ボーイ役を再演する。彼はまた、リンカーン・センターのホワイト・ライト・フェスティバルで上演される、ペルゴレージの『スターバト・マーテル』に出演する予定だ。

2017年の夏、コスタンツォはデッカ・ゴールドの専属レコーディング・アーティストとなり、レ・ヴィオロン・デュ・ロワと共にヘンデルとフィリップ・グラスのアリアを集めたアルバムを2018年秋にリリースする(国内盤は2018年7月4日発売)。

コスタンツォは、『ジ・エンチャンテッド・アイランド』のワールド・プレミアでフェルディナンドとプロスペロの両役を演じ、『ロデリンダ』でウヌルフォとしてデビューした後、『こうもり』の新たなプロダクションでオルロフスキー王子を演じた。また、イングリッシュ・ナショナル・オペラとロサンゼルス・オペラで上演されたフィリップ・グラスの『アクナーテン』での主役が絶賛された。『リナルド』のグラインドボーン音楽祭でヨーロッパ・デビューを果たした彼は、以来、イングリッシュ・ナショナル・オペラの『インディアン・クイーン』、テアトロ・レアルの『ヴェニスに死す』、そしてフィンランド国立歌劇場のカイヤ・サーリアホ作品の『オンリー・ザ・サウンド・リメインズ』に出演してきた。最近出演したオペラとして、サンフランシスコ・オペラ、シカゴのリリック・オペラ、ダラス・オペラ、グリマーグラス・フェスティバル、カナダ・オペラ・カンパニー、オペラ・フィラデルフィア、サンディエゴ・オペラ、ボストン・リリック・オペラ、ミシガン・オペラ・シアター、パーム・ビーチ・オペラ、ノース・カロライナ・オペラ、そしてジュリアード・オペラでのゲスト出演などが含まれる。彼はまた、ニューヨーク州ブルックリンのナショナル・ソーダストの絶賛された二つの上演作品『アチ・ガラテア・エ・ポリフェーモ』と、ザルツブルグのランデス・シアターでも上演された『オルフィック・モーメンツ』をプロデュースし、主演も果たした。

コンサートとしては、サー・サイモン・ラトルが指揮し、ピーター・セラーズ演出の『ル・グラン・マカーブル』公演でロンドン交響楽団とベルリン・フィルハーモニー管弦楽団デビューを果たし、ニューヨーク・フィルの高い評価を得たプロダクション『ル・グラン・マカーブル』に登場し、ヘンデルの『メサイア』、バーンスタインの『チチェスター詩篇』、そしてオルフの『カルミナ・ブラーナ』でクリーヴランド管弦楽団と共演し、カーネギー・ホールで『メサイア』を披露している。彼はまた、モーストリー・モーツァルト・フェスティバルとメトロポリタン美術館の両方で国際コンテンポラリー・アンサンブル(ICE)と出演、バルセロナ、パリ、ベルサイユではジョルディ・サヴァールと、イアン・ボスデジゲとジュリアス・ドレイクとはテアトロ・レアルで共演し、スポレート・フェスティバルUSAにも出演した。また、インディアナポリス、アラバマ、デトロイト、デンバー、シアトル、そしてナショナル・シンフォニー・オーケストラの各オーケストラと共にソリストとして舞台に上がっている。また、バンクーバー、プリンストン大学コンサート、デューク公演、そしてニューヨークのモーガン図書館でもリサイタルを行っている。

新作を得意とするコスタンツォは、シカゴ・リリック・オペラでジミー・ロペスの『ベル・カント』と、ダラス・オペラでジェイク・ヘギーの『グレート・スコット』の世界初演を行った。また、マシュー・オーコイン、パオラ・プレスティーニ、グレゴリー・スピアーズ、スザンヌ・ファリン、バーナード・ランズ、スコット・ホイーラー、モハンマド・ファアイルーズ、そしてスティーブ・マッキーが彼のために書いた作品をプレミア上演している。2017年の春には、ニコ・マーリーの新作がボストンで初演される。

コスタンツォは異なる分野同士のコラボレーションにも情熱を注いでおり、最近では、伝統的な歌舞伎、能役者、ダンサー、そして西洋音楽を取り入れたユニークな『源氏物語』を2回京都で上演し、完売させた。また、彼はカストラートについてのパスティッチオを振付家のカロール・アーミテージと、映画監督のジェイムズ・アイボリーと制作し、この過程はジェラルド・プグリアによってドキュメンタリー作品として記録された。その後同作品はカンヌ映画祭に出品され、アカデミー賞にもノミネート、PBS関連放送局で放映された。コンスタンツォはまた、マーチャント・アイボリー作品の『シャンヌのパリ、そしてアメリカ』でフランシスを演じ、インディペンデント・スピリット賞にノミネート。さらにブリース・コーヴィンの『De particulier a particulier』にも出演。作曲家、振付師、監督、そしてパフォーマンス・アーティストらと仕事しながらも、彼はル・ポワソン・ルージュ、メトロポリタン美術館、ジョーズ・パブ、パーク・アベニュー・アーモリー、グッゲンハイム美術館、メルキン・コンサート・ホールなど、ニューヨーク各所にも出演している。

2012年には、プラシド・ドミンゴ国際オペラコンクール「オペラリア」で優勝を果たしている。また、2009年メトロポリタン・オペラ・ナショナル・カウンシル・オーディションのグランド・ファイナル・ウィナーとなった。これまでジョージ・ロンドン賞を受賞、リチャード・タッカー財団からキャリア奨学金を獲得、ヒューストン・グランド・オペラのエレノア・マッカラム・コンペティションで1位を獲得した最初のカウンターテナーとなり、観客賞をも受賞した。彼はサリバン財団賞を受賞し、オペラ・インデックス・コンクール、ナショナル・オペラ協会ヴォーカル・コンクール、そしてジェンセン財団コンクールで優勝を果たした。

コスタンツォは、プリンストン大学を極めて優秀な成績で卒業し、ファイ・ベータ・カッパに所属。大学では、芸術における優れた業績を上げた学生に授与されるルイス・サドラー賞を受賞、大学と大学院での教鞭をとるためにも大学に戻っている。彼はマンハッタン・スクール・オブ・ミュージックで音楽修士号を取得し、たぐいまれなる才能の歌手にしか与えられることのないヒュー・ロス賞を受賞した。若いころには、『クリスマス・キャロル』、『サウンド・オブ・ミュージック』そして『ファルセットーズ』など、ブロードウェイやブロードウェイ・ナショナル・ツアーの一員として参加した。彼は、ルチアーノ・パヴァロッティと共演した『ねじの回転』でマイルスを演じ、オペラでのキャリアをスタートさせた。