BIOGRAPHY
アグネス・オベル / Agnes Obel
デンマーク・コペンハーゲン出身、ベルリンを拠点に活動する作曲家、シンガーソングライター、ピアニスト、プロデューサー。
音楽に囲まれた家庭で育ち、幼い頃から母親を通じてバルトークやショパンなどのクラシック音楽に親しんだ。また、スウェーデンのピアニスト、ヤン・ヨハンソンによる、ジャズの要素を取り入れたフォーク・メロディからも大きな影響を受けた。早くからピアノを学び、子どもの頃にはバンドでヴォーカルとベースを担当するなど、次第に音楽への関心を深めていった。
ソロ活動を開始する以前には、デンマーク人ミュージシャン/プロデューサーのエルトン・シアンダーとともに、コペンハーゲンを拠点とするバンド、ソヒオを結成した。2009年に発表したデビュー・シングル「Just So」がドイツテレコムのテレビCMに起用され、広く注目を集めた。
2010年に、PIAS Recordingsからデビュー・アルバム『フィルハーモニクス』を発表。作曲、演奏、録音、プロデュースを自ら手がけた同作は、デンマークのアルバム・チャートで7週連続1位を記録し、ヨーロッパで45万枚を売り上げた。
2011年にはベルギーでゴールド認定を受けたほか、「ヨーロピアン・ボーダー・ブレーカーズ・アワード 2012」を受賞。デンマーク音楽賞では、最優秀アルバム賞と最優秀新人賞を含む5部門を受賞した。アルバム収録曲のうち3曲は映画『光のほうへ』に使用され、「Riverside」はデンマークの映画賞、ロバート賞の「Best Song」に選ばれた。同曲はその後、『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』や『リベンジ』をはじめ、数多くのテレビドラマでも使用された。
2013年に発表したセカンド・アルバム『アヴェンティン』は、デンマークとベルギーの総合アルバム・チャートで1位、フランスで初登場2位を記録し、ヨーロッパ5カ国でトップ10入りを果たした。2016年のサード・アルバム『シチズン・オブ・グラス』は、IMPALAの2016年最優秀アルバム賞を受賞。
2018年にドイツ・グラモフォンと契約し、2020年に同レーベルからアルバム『マイオピア』を発表した。
フォーク、クラシック、オルタナティヴを横断するオベルの音楽には、ロイ・オービソン、ジョニ・ミッチェル、PJハーヴェイをはじめ、クロード・ドビュッシー、モーリス・ラヴェル、エリック・サティといったフランスの作曲家からの影響が色濃く映し出されている。繊細なピアノの旋律、静かに心を揺さぶる歌声、緻密な音響設計によって、幻想的かつメランコリックで、深い余韻に満ちたサウンドスケープを築いてきた。
作詞・作曲、編曲、演奏、録音、プロデュース、ミックスまで自ら手がけることにより、自身の芸術的な意図に忠実な作品を生み出し続けている。その内省的かつシネマティックな音世界はジャンルの境界を越え、現代の音楽シーンにおいて独自の地位を確立している。