BIOGRAPHY
Yuja Wang / ユジャ・ワン (王 羽佳)
北京の音楽一家に生まれる。6歳でピアノを始め、その才能は早くから注目を集めた。北京中央音楽学院で学んだ後、1999年にカナダへ渡り、カルガリーのマウント・ロイヤル音楽院で研鑽を積む。2002年にはアスペン音楽祭協奏曲コンクールで優勝し、フィラデルフィアのカーティス音楽院でゲイリー・グラフマンに師事した。
2007年、マルタ・アルゲリッチの代役としてボストン交響楽団とチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を演奏し、国際的なブレイクを果たす。この成功を機に世界の主要オーケストラや指揮者から次々と招かれ、今日の国際的キャリアを築いた。
「圧倒的なヴィルトゥオジティで演奏し、複雑なパッセージを驚くべき明晰さと電光石火のスピードで完璧に弾きこなした。さらに繊細な装飾や独自のニュアンスを加えることで、音楽を驚くほど新鮮で即興性に満ちたものにしていた。」
― Bachtrack(2025年1月、ニューヨーク・フィルハーモニックとの《ラプソディ・イン・ブルー》公演評)
ユジャ・ワンは、卓越した音楽性、洞察に満ちた解釈、そして圧倒的なステージ・プレゼンスによって、現代を代表するピアニストの一人として国際的に高い評価を受けている。超絶技巧と完璧なテクニックを備えながらも、本人は「技巧は目的ではなく、常に音楽表現と解釈に奉仕するものである」と語る。その芸術活動は数々の賞によって称えられ、2023年のアルバム『The American Project』ではグラミー賞「最優秀クラシック・インストゥルメンタル・ソロ」を受賞した。
これまでに世界の主要オーケストラのほぼすべてと共演し、クラウディオ・アバド、ダニエル・バレンボイム、グスターボ・ドゥダメル、ロリン・マゼール、ネヴィル・マリナー、ズービン・メータ、ヤニック・ネゼ=セガン、アンドリス・ネルソンス、サー・アントニオ・パッパーノ、サー・サイモン・ラトル、エサ=ペッカ・サロネン、ユーリ・テミルカーノフ、マイケル・ティルソン・トーマス、ピンカス・ズーカーマンら著名な指揮者と共演。現在はマーラー・チェンバー・オーケストラのアーティスティック・パートナーを務めている。
室内楽でも積極的に活動し、チェリストのゴーティエ・カプソン、ヴァイオリニストのレオニダス・カヴァコス、クラリネット奏者のアンドレアス・オッテンザマーらと共演。2024/25シーズンにはヴィキングル・オラフソンとのピアノ・デュオ・ツアーをヨーロッパおよび北米で行い、大きな成功を収めた。
2009年にドイツ・グラモフォンと専属契約を締結。デビュー・アルバム『ソナタ&エチュード』はグラミー賞に初ノミネートされ、『グラモフォン』誌の「ヤング・アーティスト・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。以後、『トランスフォーメーション』(2010)、アバド指揮マーラー・チェンバー・オーケストラとの『ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番、パガニーニ狂詩曲』(2011)、『ファンタジア』(2012)、ドゥダメル指揮による『ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番、プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番』、ブランギエ指揮による『ラヴェル:ピアノ協奏曲』(2015)、『ベルリン・リサイタル』(2018)など、数々の高い評価を受けた録音を発表している。
2020年にはジョン・アダムズのピアノ協奏曲《Must the Devil Have All the Good Tunes?》の世界初録音をリリースし、2021年OPUS KLASSIK協奏曲録音賞を受賞。2022年にはゴーティエ・カプソン、アンドレアス・オッテンザマーとのトリオによるアルバム『ラフマニノフ&ブラームス作品集』を発表した。
2023年には、テディ・エイブラムズがユジャ・ワンのために作曲したピアノ協奏曲を収録した『The American Project』を発表し、翌年グラミー賞を受賞。同年にはロサンゼルス・フィルハーモニックおよびグスターボ・ドゥダメルとの『ラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集 他』をリリースした。
2024年には『ウィーン・リサイタル』を発表し、さらにボストン交響楽団、アンドリス・ネルソンスとの共演による『メシアン:トゥランガリーラ交響曲』のライヴ録音をリリース。2025年にはネルソンス指揮ボストン交響楽団との『ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番・第2番 他』も発表している。
2025/26シーズンには、サンフランシスコ交響楽団、ピッツバーグ交響楽団、フィラデルフィア管弦楽団、ナショナル交響楽団、カーネギーホールのシーズン開幕ガラなど全米主要舞台への出演を予定。また、プロコフィエフのピアノ協奏曲第2番やリゲティのピアノ協奏曲などを各地で演奏する。