<ライブレポート>泣き歌の女王、沢田知可子、多彩なゲストに囲まれ超満員の中野サンプラザで30周年記念コンサート。感極まって涙ながらに、21世紀に残したい名曲「会いたい」など19曲を披露

2017.11.24 TOPICS

沢田知可子が、11月23日(木・祝)中野サンプラザにて「30周年記念コンサート~こころ唄~」 を行った。「会いたい」をキーワードにした歌が数多く存在する昨今、その元祖ともいえる「会いたい」という名曲を世に送りだしたアーティストの記念コンサートである

当日は2,200席の客席は満員。

コンサートの冒頭で沢田の30年の歴史を振り返る映像の終了と共に白と青のドレスで沢田がステージに登場。ヒット曲「幸せになろう」からスタートし、「恋人と呼ばせて」「天国ポスト」などのオリジナル曲や「初恋」などのカバー曲も披露した。また、75名のクワイアーをバックに「いのちからのおくりもの」を披露。

ゲスト陣も多彩で、杉山清貴、辛島美登里、中西圭三、中西保志が登場し、それぞれのヒット曲と「勝手にしやがれ」「銀河鉄道999」などの歌謡曲メドレーで会場を盛り上げた。彼らは沢田と共に「Around 40 Memory Concert」と題して大人のエンタテイメントコンサートで全国を回っている仲間である。

また、今回のコンサートにキーボードで参加している沢田の夫 小野澤篤が以前バックを務めていたフォーク歌手イルカもゲストで登場。「なごり雪」「サラダの国から来た娘」などを披露した。

コンサート本編の後半で、21世紀に残したい泣き歌ナンバー1の「会いたい」を披露。本人も感極まって涙ぐみながら歌った。会場では、ハンカチを目に当てながら真剣に聴き入る観客が目立った。

続けて本編最後に「冬のほたる」を披露。この曲は、「会いたい」の作詞者であり、一時は係争関係にもあった沢ちひろ氏との最新作にして最終作。儚い恋そして儚い命を感じさせる抒情的な歌詞に沢田知可子が切なさ溢れるメロディーを付けたバラードに仕上がっている。「会いたい」の歌唱をめぐり係争関係にあったが数々の誤解が解けて和解した後亡くなってしまった沢ちひろに捧げる形で今回のコンサートのエンディング曲に選ばれた。

「私は『会いたい』という曲に育ててもらったと言っても過言ではありません。今は天国にいる沢ちひろさんには本当にたくさんの曲を作って頂きました。これからも感謝を込めて歌い続けていきたいと思います」

6月21日に30周年記念アルバム『こころ唄~BEST & COVER 30~』も売行き好調な中、表現者、沢田知可子の存在感を存分に味わえるコンサートになった。