Fantastic Plastic Machineの田中知之氏をスーパーバイザーに迎え、お菓子をたしなみながら、チップマンクスのような虫声（テープの早回しを使った録音技法）やサンプリング・ループ、子どもコーラスなどをとり入れ、心おもむくままに作り上げた楽しくポップでモンドなミニ・アルバム。B面には8cmCDシングルでリリースされた激レアな４曲（1996年）を追加収録！

オリジナル・リリース／1997年10月22日
PRODUCED BY INSTANT CYTRON
SUPERVISED BY 田中知之（Fantastic Plastic Machine）※SIDE-A

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『Cheerful Monsters』は、Fantastic Plastic Machineの田中知之さんとお菓子をたしなみながらアイデアを練った作品です。福岡から東京に居を移して初の作品でした。周囲にまだ友人も少なかった当時、田中さんのマジカルな合言葉「ええんちゃうん！」のもと、「こんなのが好きなのー！」というシトロン心の叫びに忠実に従ったユーモア＆ポップ6曲(長短含む)！

　FPM田中さんと大好きなレコードをとっかえひっかえ聴き続け、お互いの趣味を再確認しながらアルバムの方向性を決めていきました。田中さんのミラクル・ルーピングに五郎くんがメロディー新たに乗せ直した「I'm hip」、虫声ものをどうしても演ってみたかった、ということで実現した「In the classroom」は、次曲の「Magic Pop Lolipop」の楽譜を見つけたチビキャラが試しに歌ってみてリズムを大間違いしている、というストーリ仕立てでした。コチラも田中さんのファニーなルーピングがキュート。ほかの楽曲でもコーラス、ハンドクラップ、子どもたちのお相手などなど大活躍でした。そして田中さんには精神面でも本当に支えて頂きました。こんな愛情タップリのコラボレイトが出来て、しあわせ＆感謝の気持ちでいっぱい。

　蛇足ですが、その頃シトロン内で大ブームだったポケモンにインスパイア(?)されて名付けたアルバム・タイトル『Cheerful Monsters』 …調子に乗ってポケモン生みの親、田尻さんに聴いて頂こうと思ってゲーム制作会社にお送りしたら社内で大問題に！どこまでが著作権侵害か!?という会議にかけられてしまったのでした…トホホ。(もちろん何のおとがめもナシでしたよ。)

　そういう経緯で仕上がったのが『Cheerful Monsters』なのです。前作『Change This World』に比べて曲のサイズがぐぐっとコンパクトになったりフェイクを多用する余裕が出来てきたり、シトロンの現在のスタイルのスタート点にもなっている作品ですね。
　
　そしてＢ面収録のボーナストラックたち！！郵貯フレッシャーズ・キャンペーンのCMタイアップ曲で長瀬五郎氏いわく「続・小さな泥棒」的楽曲の「にじますの街角」、カップリングの「So fine」。こちらは何気にシトロンの大好きなThe Neville Bros.へのオマージュになっているセカンド・ラインを意識したポップ・チューンでした！誰にも突っ込んで頂けないままでしたが…。参加して下さった村松邦男さん、沖山優司さん、比山貴咏史さん、ゴメンなさい。

　さらにさらに、弾けるストリングス・アレンジがウキウキのパーティー・ソング「Summertime in the place」、カップリングは日本のテリー・アダムスこと中山努さんのロマンティック＆クレイジーなピアノ・ソロが素敵なビーチ・ボーイズ風シャッフル曲「星のめぐり～STARWHEEL」(タイトルはカナダのSSW, Bruce Cockburnから拝借)です。

　そんなこんなで本当にわたしたちにとって、思い出深い作品たちなのですがいかんせん、セールス的にはねぇ…。でも、NRBQのテリーやトムをはじめシトロンの音楽を聴いて下さった方々には、ほんと、誉めて頂きましたよ！それがわたしたちの誇りであり、勇気なのです。きっとこれからも、自分たちの思いもよらない評価(あるいは無視)に一喜一憂してしまうのだろうなぁ、と思いますが、占いと同じように自分に都合の良い意見を都合の良いように解釈していこうと思います…おっと、話がそれました。6曲収録で30分足らずだったCheerfl Monstersに4曲も加わって、これで晴れてミニ・アルバムからアルバムに昇格です。これから、新生Cheerful Monstersはシトロン内では2ndアルバム、ということにしたいと思います。…いいでしょうか？お許し下さいね。- 片岡知子

（2001年リイシュー時のライナーノートより）