ヤンソンスが初めて日本へ来たのは1958年、レニングラード・フィルの、やはり初めての来日公演に同行したものである。この公演には、彼のほかにガウクとザンデルリンクも同行したが、ヤンソンスだけは東京交響楽団へも客演した。これが縁となり、その後彼は、東響へ通算６度もの客演を果たしたほか、レニングラード・フィル、ソヴィエト国立響、モスクワ・フィルとも来日し、日本人に最もなじみ深いソ連の指揮者となった。
このディスクに収録されているのは、ショスタコーヴィチの交響曲以外、いわゆる「軽い」と思われている曲だが、ヤンソンスと東響はどの曲でも本気の全力投球だ。魂が籠っている。《魔弾の射手》の雄渾なドラマ、《悲しきワルツ》の張り詰めた弱音、《魔法使いの弟子》の息の長い高揚、どれも密度の濃い一流の演奏だ。　増田良介（ライナーノーツより）
マスタリング：2013年9月 by 杉本一家（ビクタークリエイティブメディア）