『OWV LIVE TOUR 2023 -MUSEUM- 』ファイナル公演・オフィシャルライブレポート

2024.01.16 TOPICS

2024年1月14日、東京・片柳アリーナにて『OWV LIVE TOUR 2023 -MUSEUM- 』ファイナル公演をレポートする。

 

昨年秋から年を跨いで、埼玉・山梨・宮城・新潟・広島・大阪・愛知・東京と全国8都市で合計11公演を開催した本ツアーのラストとなるこの日は、OWVとしては初の「アリーナ」公演だ。この片柳アリーナは、日本工学院専門学校の施設。リーダー・本田康祐がダンスを学んだ母校である。

 

定刻を過ぎると、本ツアーのコンセプトムービーが流れた後、ステージに白いセットアップを着用した4人が現れる。本編は大人の貫禄で魅せる「Last scene」からスタート。グループとしてもこれまでのカラーと異なる新たなラブソングで、客席のペンライトがゆったりと揺れる。

 

本田が自ら振り付けを担当した「So Picky」ではダンサーを従えて小粋なステップを刻み、「Time Jackerz」ではメンバーそれぞれステージを独占したソロダンスも披露。細やかな音ハメで息切れしないか心配になるが、中川勝就のラップにはこれまで以上の優雅さと余裕が見えた。

ここでリーダー本田を皮切りに、メンバーからそれぞれ本公演への意気込みが宣言される。YouTubeで筋トレを啓蒙している佐野が「みんな鍛えてきましたよね? 肩幅が広いので、会場が(もっと)埋まって見えます!」とコメントし、笑いを誘っていた。

 

それぞれがフロアに向けて声出しを煽り、会場のQWVも調子が出てきたところで「Weekend」へ。これまでに大型ファッションイベントにも参加してきたOWV。メンバーがセンターステージまで歩き出す様は、まるでランウェイのような高揚感をくれた。とくにジャンポール・ゴルチエのショーにも出演経験がある中川は、背筋を伸ばして晴れやかな表情だ。続いてイベントでも定番の曲「PARTY」と夏ソング「Get Away」を歌唱。本田は「みんなも踊ろうよ!」と呼びかけ、ムードメーカーの浦野がステージを独占しておどけるシーンも。

ステージから一旦メンバーが消えたかと思えば、ステージには佐野と浦野が現れ、「My flow」を披露。ファンとの掛け合いのような要素がある楽曲だが、いつもの4人編成とは違う振り付けにQWVも興奮。ペンライトを青・黄と2本掲げるQWVも多数見られた。いつもトークでは浦野に対して佐野がとぼけたり、鋭いツッコミを入れたりするが、パフォーマンス中には背中を預けたり、2人が競うようにダンスを繰り出したりと、意外な空気を作り出す。これには会場も沸いた。

 

続いてセンターステージに本田と中川が登場し、歌い出しから妖艶な雰囲気を纏う「Bling Bling」へ。中川の緩急ついたラップが、楽曲に彩りを与える。それぞれ見つめ合い、2人がじっとりと絡みつくような振り付けには、会場からもこれまでとは違う、悲鳴にも似た歓声が漏れていた。OWVの年長組らしく、大人の色気で魅了した2人。会場の熱気に汗ばんだのか、本田がジャケットを突如脱ぎ捨てるシーンも。

 

廃墟の洋館を舞台にしたイメージムービーが流れた後、ステージ中央のヴィジョンが幕のように引き上がると、真っ赤な照明を浴びながら4人が登場。これまでの白いジャケットスタイルとは打って変わって、黒を貴重とした衣装を身に纏っている。メンバーの伸びやかな声が印象的な「Caution」、浦野の透き通るような高音がスパイスとなる「Na Na Na」、デビュー曲「UBA UBA」のリミックスバージョンを連続でパフォーマンス。プライベートでは東京マラソンを完走し、最近「SASUKE 2023」にも出場を果たした佐野は、後半に差し掛かってもまだまだ体力が有り余っているようにも見えた。

 

「TALK TALK TALK」では、メンバーがステージを降り、客席を練り歩く演出も。本田と中川は肩を組みながら笑い合い、ファンが掲げたペンライトやボードに目を向けながら手を振る。コロナ禍でのデビューだったこともあり、ファンとの距離がなかなか縮められなかった時期が長いOWVだからこそ、歌いながらQWVの顔をひとり一人見つめられるのがうれしそうだ。浦野も丁寧にそれぞれのファンに向けて手を振り続ける中、佐野は客席に降りながらも豪快なダンスを踊り続け盛り上げていた。

ステージ上に戻り、OWVとQWVの関係性を彷彿とさせるあたたかい歌詞が印象的な「Better Day」で会場が和んだところで、浦野が「上の席まで、(顔が)見えてるよ、オタクたちー!」と呼びかけるとドッと笑いが起こる。すかさず佐野が「せめてQWVって呼んでよ」と突っ込む。中川も「(ファンネーム「QWV」を)秀太が決めたんだろ!」と応戦すると、浦野も「QWVになってくださいね」と笑う。去年もたくさんのイベントやテレビ番組に出演したことで、今回初めてOWVを観に来たというファンも見られた。

 

浦野は「僕たち、4年前は無観客から始まりましたから。こうやって花道があって、みんなの前に行けるなんて……」と満足げに語りかける。本田が「まだまだ上を目指さなければいけませんからね。みなさんよろしくお願いしますね!」と向上心溢れるコメントをすると、中川も「後ろにもう一個ステージができるくらいにね」と具体的な目標を掲げた。

 

ここで、改めてツアー各地の思い出の振り返りトークが。名古屋公演では中川が涙し、佐野も地元・山梨での初単独公演を果たして感慨深い思いを語っていた。浦野は出演舞台「FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS 幻影戦争 THE STAGE」や、中川とともにレギュラー出演中の情報番組「ぽかぽか」など直近の仕事をありがたく振り返る。本田が昨年初めて主演を務めた舞台「A Brilliant Christmas」の話もあった。浦野が改めて「デビューした頃はこの2024年が想像できませんでした」とこの環境を噛み締めていると、メンバーから浦野に「ドバイは楽しかったですか?」と声がかけられる。年末年始に家族とドバイで過ごした様子をインスタグラムに投稿し、大物芸能人オーラを放っていた浦野へのイジりには、客席からもじんわり笑いが起こった。

 

本田も「年明け一発目ですよ、みなさん。大吉出た人〜? もうここにいるだけで大吉だよって人〜! だいちゅき!」とおどけたかと思えば、「今日はカメラが入ってますよ! もうすぐ最後ですけど、俺ら対お前ら、行けるのかい?」と真剣な顔つきで会場を煽り出す。

 

客席の声が大きくなってきたタイミングで、前回のツアーでも大切に歌い続けてきた攻撃的チューン「Gamer」へ。そこから、盛り上がりはまだまだと言わんばかりに縦ノリナンバー「What you waitin’ for」で畳み掛ける。

 

さらに「新曲持ってきたぞー!」と本田が叫ぶと、2月7日に発売するシングル『BREMEN』に収録されるカップリング曲「SLEEPLESS TOWN」を初披露。エキゾチックなギミックが組み込まれたサウンドと、色気が漂う歌詞とダンスが印象的なこの楽曲をパフォーマンスすると、4人は黙ってステージから立ち去っていった。

余韻に浸るQWVたちも、まだまだこれから!と「OWV」コールを続ける。5分以上経ってもアンコールは一定のリズムを刻み、声はやまない。

 

「Sound the Alarm」が流れると、ステージ中央にはDJセットを触る佐野と10名のダンサーが現れる。後から本田・中川・浦野も登場し、楽曲を歌い出したかと思えば、本田を皮切りに10名のダンサーたちとOWVメンバーがそれぞれソロを披露。それぞれ違うジャンルのダンスを繰り出し、ダンスバトルのような空気だ。最終的には佐野がラスボスのような雰囲気を纏いながらDJブースの前に出て、力強く、技術が光るダンスで圧倒していた。

 

続く「Tararam」ではダンサーとともに14人の大所帯で明るいムードのステージを作り上げたところで、本田からの「アンコールありがとうございます!」掛け声とともに、カーテンコールのように四方に向けて深々としたお辞儀がされる。

 

ここで本田が「みなさん、気づいた方もいると思うんですけど、今日は最初からバックダンサーのみんなに入ってもらっています。ここ日本工学院の体育館『片柳アリーナ』で、今日バックダンサーをしてくれている10人は、日本工学院のダンスパフォーマンス科の16期のみなさんです!」と種明かし。

 

専門学校在籍時から様々な現場でダンサーとしても活動していた本田は「みんなに、少しでも夢に向けての経験とか、近道になったらいいなと思いまして。こういう場を設けさせていただきました」と、ひとりひとり名前を呼び上げて紹介し、みんなが今年成人を迎えたことを伝えると、「成人おめでとう!」とQWVから祝福の声が。記念撮影をし、最後は「また一緒に仕事しようね!」と声をかけていった。

 

本田はダンスパフォーマンス科の8期。現在の教師陣も本田の恩師と変わらないという。直属の後輩たちと作り上げた母校での単独公演をしみじみと振り返った。

 

ここで浦野から「ファイナルということで、告知があります!」と高らかに宣言があり、冠番組「OWV旅2」が2月19日からFANYチャンネルで配信されることが発表された。次の舞台は九州で、これから収録されるという。また、この日の夜から「BREMEN」のストリーミング配信が開始されること、2月14日19時からABEMA PPVで今日の公演の様子がメンバーの副音声付きで配信されることが告知された。

 

ここでメンバーから、QWVへのメッセージが。中川は「みなさん、今日は精一杯遊べましたか? OWVのライブに来ると決めてくれて、本当にありがとうございます。みなさんのおかげで、新年最高のスタートが切れたと実感のできる千秋楽だったと思います。

 

僕はこのツアーを通して『生きる』という言葉を自分の中でテーマにしながら、みなさんに伝わればなと思って歌とダンスをしてきました。そんな中で、日本にとって悲しい出来事が起きて……。改めて、みなさんとこうしてステージ上で歌いながら笑える空間を共有できていることが自分にとって幸せなことだと感じました。自分がみなさんの人生で、生きる糧になるような人間になりたいと思いました。

 

いつも僕たちのそばにいてくれて、OWVのことを心から応援してくださって、本当にありがとうございます。僕はこの幸せに感謝しながら、今日のライブツアー千秋楽、最後までみなさんを楽しませられるようなステージにしたいです。最高の一日にしましょう!」と感謝を述べた。

 

浦野は「あっという間でしたね。ここまで来るのは。OWVの結成した当初からしたら、めちゃくちゃ長かったなとも正直感じます。こうやってQWVに囲まれて。こういう状況に感謝して、これからもOWVで頑張っていきたいなと思っております」と客席を見つめた。

 

浦野は当時を振り返りながら「(浦野の魅力に)薄々気づいてくれた人もいたよね? オーディションのときは、自分の魅力が出せていなかったなと思って。だからOWVのときはね、調整してます! 4年目になって、もうちょっと魅力的にいこうかなと思っているので。俺の魅力に気づいてよ!」と、魅力解放宣言。ファンからも歓声があがった。

 

佐野は「ついにファイナル。みなさん本当にありがとうございました。総じて楽しかったですか? このツアーは過去一、みんなで作り上げた感じがあり。無機質な(2021年の)『CHASER』ツアーを思い起こすような、パフォーマンス一本で挑むようなステージで、いろんな地方を回らせていただきまして。僕らの新しい成長したかたちのOWVの見せ方を楽しめたんじゃないでしょうか。 ワンマンで初の花道、センターステージ。まだまだ僕らも成長途中なのでいろんな悔しさがあったり、もどかしさがあったり、かつなり……(観客笑う)まあいろいろあると思うんですけど、そんなのはアレしていきましょう! 今年も1年間、よろしくお願いします!」と、明るい顔を見せた。

 

本田は「たくさんの思い出がありました。パフォーマンスのメインはライブですけど、みなさんの声がだんだん大きくなって、みなさんと作り上げた集大成な気がして、心のそこからうれしいです。一緒に作ってくれて、ありがとうございます。こうやって花道があったり、みなさんが囲んでくれて、みなさんの近くに行けて、すごく幸せな時間が作れたんですけど、もっともっと大きなステージと会場で、どんどん胸を張ってやっていこうと思います。2024年、その先もOWVの音楽を信じて、ついてきてほしいと思います。どうぞよろしくお願いします」と、リーダーとして感謝を述べた。

 

そして、元旦に発生した能登半島地震にも触れる。「2024年は1月1日から日本が大変な状況になってしまって。去年の3月11日に、僕たちが福島でライブをやれたことはとても意味があることだと思っていて。音楽で元気を与えられたなと、自分の中でも感じていたんです。……でも、1月1日にああいうことになって……まだまだ僕たちは何もできないなと感じたんですが、それでもみなさんが僕たちの音楽が好きでいてくれる人のために歌うし、パフォーマンスをするし、元気になれたらと思います」と、涙をこらえ、言葉を詰まらせながらも、まっすぐな気持ちをQWVに伝えた。

 

福島出身の本田は、2011年の東日本大震災の被災者だ。本田は続けて「つらかった春だって、楽しかった夏だって、その先の秋も、冬も、みなさんと一緒にたくさん思い出を作っていきたいですし、これからつらいことも乗り越えていきたいと思っています。みなさん、今年も来年もその先も、ずっと僕たちと一緒に音楽を楽しんで乗り越えていきましょう」と語り、四季のうつろぎと愛を歌ったバラード「Fifth Season」と、歌詞にOWVの名前が刻まれた思い出の曲「Here & Now」を歌唱。これには目元をおさえるファンの姿も見られた。

 

4人がステージを去った後も、ダブルアンコールは止まない。それに応えるように4人が再び登場し、2月7日に発売する8枚目のシングル表題曲「BREMEN」を披露。攻撃的なサウンドとラップが印象的なこの楽曲は、これまで以上に、もっと大きな景色を目指す4人の決意を感じさせる。

パフォーマンスで圧倒させたまま、4人は黙ってステージから去っていった。新曲「BREMEN」のMVは1月26日21時にYouTubeでプレミア公開される。また、ツアーファイナルの様子も2月14日19時からABEMAで副音声付きで配信されるので、ファンは楽しみにしておこう。

 

<取材:小沢あや(ピース株式会社)>

<カメラマン:山口比佐夫>

 

 

『OWV LIVE TOUR 2023 -MUSEUM-』 ツアーファイナル SETLIST

2024年1月14日(日) 片柳アリーナ

 

M1. Last scene

M2. So Picky

M3. Time Jackerz

M4. Weekend

M5. PARTY

M6. Get Away

M7. My flow

M8. Bling Bling

M9. Caution

M10. Na Na Na

M11. UBA UBA

M12. TALK TALK TALK

M13. Better Day

M14. Gamer

M15. What you waitin’ for

M16. SLEEPLESS TOWN ※新曲・初披露

 

〈Encore〉

EN1. DJコーナー

EN2. Tararam

EN3. Fifth Season

EN4. Here & Now

 

〈W Encore〉

W EN. BREMEN

 

▼セットリスト・プレイリスト

https://owv.lnk.to/LIVETOURMUSEUM

 

【「OWV LIVE TOUR 2023 -MUSEUM-」東京公演 ABEMA配信詳細】

▼配信日時

2024年2月14日(月) 19時~開演 (18時30分〜配信開始)

※配信時間は前後する可能性がございます。予めご了承ください。

 

▼見逃し配信期間

2024年3月14日(木) 23時59分まで

 

▼視聴料金

<一般チケット>※ライブ本編のみ

3,500円(税込)

※ABEMAアプリでご購入の方は、別途手数料として300円(税込)がかかります。

 

<マルチアングルチケット>※ライブ本編+副音声

4,000円(税込)

※ABEMAアプリでご購入の方は、別途手数料として400円(税込)がかかります。

 

▼販売期間

2024年1月14日(日) 19時30分〜 2024年3月14日(木) 21時まで

 

▼視聴購入URL

https://abema.tv/live-event/3a783e56-0c38-4e52-9227-3475dc72d97f