Biography

MAX RICHTER / マックス・リヒター


1966年3月22日、ドイツ・ハーメルン生まれ。イングランド・ベッドフォードで育つ。エディンバラ大学と英国王立音楽院でピアノと作曲を学んだ後、フィレンツェでルチアーノ・ベリオに作曲を師事。

同世代を代表する作曲家の一人として高い評価を受けるマックス・リヒターは、伝統的なオーケストレーションと現代的なエレクトロニクスをシームレスに融合させる独自の音楽性で知られる。人間の深い感情や体験を音楽として描き出す卓越した表現力により、世界中に熱心なファンを持ち、これまでの作品の総ストリーミング再生回数は30億回を超えている。

2002年、オーケストラとエレクトロニクスのための作品『メモリーハウス』でソロ・アルバム・デビュー。その後、イラク戦争への反対をテーマに制作された『ブルー・ノートブックス』(2004)、村上春樹の小説に着想を得た『ソングズ・フロム・ビフォー』(2006)、携帯電話の着信音を変奏曲形式で再構築した『24 Postcards in Full Colour』(2008)、ロンドン同時爆破テロの犠牲者に捧げた『インフラ』(2010)、ヴィヴァルディ《四季》を大胆に再構成した『25%のヴィヴァルディ』(2012/英・米・独のiTunesクラシック・チャート第1位)、睡眠中のリスニングを前提に制作された約8時間の大作『スリープ』(2015)、作家ヴァージニア・ウルフの作品世界と人生を音楽で描いた『3つの世界:ウルフ・ワークス(ヴァージニア・ウルフ作品集)より』(2017)など、新作を発表するたびに斬新な作曲アプローチに挑戦。クラシックとエレクトロニカを融合した「ポスト・クラシカル」を代表する作曲家として、世界的な人気を集めている。

映画・テレビ音楽も数多く手がけ、『戦場でワルツを』(2008/ヨーロッパ映画賞作曲賞)、『さよなら、アドルフ』(2014/バイエルン映画賞作曲賞、ストックホルム映画祭作曲賞)、ドラマ『LEFTOVERS/残された世界』(2014~2017/Hollywood Music in Media Awards テレビテーマ作曲賞)、『女神の見えざる手』(2016)、『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』(2018/Hollywood Music in Media Awards 劇映画作曲賞)、『アド・アストラ』(2019)などで高い評価を得ている。

映画『メッセージ』(2016)で使用された「オン・ザ・ネイチャー・オブ・デイライト」(『ブルー・ノートブックス』収録)は大きな話題を呼び、日本でもiTunesクラシック・チャート第1位を獲得。さらに映画『ハムネット』(2025)では、第98回アカデミー賞作曲賞にノミネートされた。

ソロ・アーティストとしての活動に加え、多彩なジャンルのクリエイターとのコラボレーションでも知られる。キム・ジョーンズが手がけるディオールのショーの音楽制作や、英国ロイヤル・バレエ団の常任振付師ウェイン・マクレガーとのバレエ作品への楽曲提供など、その活動はクラシック音楽の枠を超えて幅広い分野に及んでいる。