2016年、最後のヨーロッパツアーを締めくくるローマ公演のライヴ盤がリリース!

2026.09.11 TOPICS

キース・ジャレットが2016年に行った最後のヨーロッパ・ソロ・ツアーの最終公演でのコンサート・レコーディング『ローマ』が発売される。
同ツアーから発表された『ミュンヘン2016』『ブダペスト・コンサート』『ボルドー・コンサート』『ウィーン・コンサート2016』に続く5作目にして、シリーズの最終章となる作品。
 

 
わずか13日間のうちに5公演を行ったこのツアーで、ジャレットはそれぞれのコンサートで全く異なる音楽的風景を描き出した。『ローマ』でも、その場で音楽を生み出していくジャレットの即興演奏が、独自の展開を見せている。

コンサートは「パート I」から、緊張感に満ちた濃密なクロマティック・ラインとスタッカートによって徐々に勢いを増し、やがて旋律が姿を現していく。「パート II」ではそのやや陰影のあるムードを受け継ぎながら、より明確な構造を形成。その後はジャレットならではのリリシズムから、予想外の対位法、リズムへの集中的なアプローチへと移り変わり、全体でひとつの壮大な建築物を思わせる音楽を作り上げていく。
「パート V」では何もないところからスウィングするゴスペルを生み出し、「Part IX」では荒々しいブルースを展開。「パート VI」では大きな弧を描くアルペジオによるハーモニーが広がるなど、ジャレットの音楽語法が次々と現れる。
さらに「パート VII」「パート VIII」では、20世紀前半のソングライティングへの深い敬意を感じさせながら、それを既存曲ではなく、その瞬間に生み出される自身のメロディへと昇華。そして「パート X」で音楽は再び原点へと戻っていく。
アンコールには、ジャレットのソロ・コンサートでも長年親しまれてきた「虹の彼方に」と「イッツ・ア・ロンサム・オールド・タウン」を演奏。よく知られている楽曲でありながら、この夜ならではの新鮮な解釈でコンサートを締めくくっている。

当時、イタリアの新聞『La Repubblica』はこの公演について、「創造するという行為、即興による作曲そのものを讃え、聴衆の前でそれを行うことによって、発見の興奮をリスナーと共有している」と評した。

ブダペスト、ボルドー、ミュンヘン、ウィーンと、それぞれに異なる音楽世界を提示してきたツアーで、『ローマ』には、そのいずれとも異なる個性が刻まれている。13日間で行われた5つのコンサートのひとつひとつが二度と同じ形では生まれない、唯一無二の音楽となった。

シリーズを締めくくる『ローマ』は、過去を振り返るというよりも、その瞬間の「発見」に最後まで身を委ね続けるキース・ジャレットの姿を捉えた作品となっている。

 
 

キース・ジャレット『ローマ』
SHM-CD:UCCE-1223 価格:¥3,300(税込)
https://Keith-Jarrett.lnk.to/roma
 
1. パート I
2. パート II
3. パート III
4. パート IV
5. パート V
6. パート VI
7. パート VII
8. パート VIII
9. パート IX
10. パート X
11. 虹の彼方に
12. イッツ・ア・ロンサム・オールド・タウン
 
録音:2016年7月12日、オーディトリウム・パルコ・デッラ・ムジカ