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WHITE LIES ライブレポート

4月23日、東京の原宿アストロホールで行われたホワイト・ライズのライヴレポートをUP!

2011.03.10 LIVE

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4月23日、東京の原宿アストロホールで行われたホワイト・ライズ来日公演。デビューアルバム『トゥ・ルーズ・マイ・ライフ』のリリース後初の来日、かつ日本でのライヴはこの一夜限りという事もあり、会場には熱心なファンが詰めかけほぼ満員状態の中、メンバーが登場してくる。
1曲目、「フェアウェル・トゥ・ザ・フェアグラウンド」が始まった瞬間から大きな歓声が飛び、「アンフィニッシュド・ビジネス」ではオーディエンスの中にサビを口ずさむ人も多数。ラストの「デス」で最高潮の盛り上がりを見せたライヴは、アルバムに収録された10曲をきっちり全て演奏し、約60分間の濃密な時間の幕を閉じた。

ライヴを目撃して再確認できたのは、ホワイト・ライズにとって、ボーカリストであるハリーの持つ歌の力がどれほど重要かということだった。前身バンドの頃から数えるとすでに5年近いキャリアを持つ彼らのことだから、演奏も同世代のUKバンドと比べると格段に上手いのは勿論のことだが、バンドのダイナミックなアンサンブルが盛り立てる中で一段と映えるのはやはりハリーのエモーショナルなバリトン・ボイス。「ダーク」「ゴシック」と言った形容詞を使われる事が多いホワイト・ライズだが、彼らのパフォーマンス、特にハリーの伸びやかな歌声を実際に目の当たりにすると、陰鬱でダークなイメージだけに留まらない高揚感や一体感といったものがより一層顕著になる。

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「皆それぞれ気に入ってくれた曲があって、僕らの曲について知ってくれた上で反応してくれてたから嬉しかったよ。前に来たときは誰も知らない曲をやってたわけで、それでもすごく良い反応を得られたとは思うけど、やっぱり馴染みのない曲を楽しむのは少し難しい事だとも思うから。だから、今回みんなが僕たちのアルバムについて何かを感じてくれた上でエンジョイしてくれたのが一番良かったと思う。」
翌日に話を聞いた時、ドラムのジャックはそんな風に話してくれた。もちろんオーディエンスの反応の良さにはアルバムをじっくりと聴きこんできてくれたという側面も大きかっただろうが、変わったのは何も私達オーディエンスだけではなかったように思う。まだ20歳そこそこの青年たちとは思えないほどに堂々とした彼らのパフォーマンスからは、自分たちの音楽が世界中の音楽リスナーに受け入れられつつあるという確信と、自らの音楽に対する確固たる自信が感じられた。バンド自身もまた、1年足らずの間に急激な成長を遂げていたのだろう。そう言えば、この日ハリーが身につけていたのはトレードマークの黒服ではなく、白いTシャツだったが・・。
「あのTシャツはスカル・マークがついたヤツだから、ぎりぎり僕たちの音楽のテーマにフィットしてるんだよ(笑)ただ実際の話、永遠に黒ばっかり着てるわけにもいかないからね。これから少しずつ、白・ダークブルー・グレーなんかのダークな色のコンビネーションでやっていくんだ。」
そう話すハリーの反応は冗談めかしたものだったが、こんな発言にもまた、急激な成長の途上にあるバンドの姿が反映されていたように思う。

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もうこの規模の会場で見られるのも最後だろう・・・と、感慨に浸りながらステージを見ていると、ライヴの終わり際ハリーは「夏にまたフジロック・フェスティバルで会おう」とオーディエンスに向けフジロック09への出演を明かしてくれた。今年の夏、フェスの大舞台では、きっとまた更に大きくスケールアップしたバンドの姿が見られることだろう。

<文/青山晃大(Wonderkind)>

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