今井美樹と4人の音楽家からのコメント

今井美樹

4人の素晴らしい音楽家たちのお力を借りてこのアルバムが完成しました。
それぞれの色をお持ちの方々が、多くの皆さんに愛していただいた曲たちにどんなアレンジして下さるのか、とっても楽しみでした。そして夢のようなオーケストラのサウンドにのせて、想いも新たに歌を吹き込ました。
この喜びはきっと皆さんにも感じて頂けると思います。とても華やかで贅沢で、そして奥行きのある4人の素晴らしい音楽家たちによる豊かな音楽、それが何より一番の聴きどころです。是非楽しんで下さい。
たくさんの皆さまが長い時間とともに愛してくださった曲たちが、新しい音色とともに生まれ変わりました。
新しい私の体温で皆さんのところに届くのは、ちょっと緊張はするけど、皆さんの感想を今からとても楽しみにしています。

 


千住明

時代を作った今井美樹の名曲たちに、今新たな息を吹き込み、もう一度生まれ変わる。このチャンスをいただいたのは音楽家としてとても貴重で意味のあるものだと思います。僕らの作った時代の音楽には、未来に伝え残したい想いがいっぱい詰まっている。そんな気持ちを乗せてアレンジを紡いだつもりです。

 

1960年東京生れ。東京藝術大学作曲科卒業。同大学院首席修了。修了作品「EDEN」(1989)は史上8人目の東京藝術大学買上となり、同大学美術館に永久保存されている。

代表作にピアノ協奏曲「宿命」(ドラマ「砂の器」劇中テーマ曲)、「四季」、オペラ「万葉集」「滝の白糸」、「カレンダー組曲」等。ドラマ「ほんまもん」「風林火山」、映画「226」「黄泉がえり」「涙そうそう」「追憶」、アニメ「機動戦士Vガンダム」「鋼の錬金術師FA」、NHK「日本 映像の20世紀」「ルーブル美術館」NHKスペシャル「世紀を超えて」「平成史」「全貌二・二六事件」、TV「アイアンシェフ」、CM「アサヒ スーパードライ」、ウィーン美術史美術館&TBS公式テーマ曲「Glorious Museum」、中国ミュージカル「白夜行」等、音楽担当作品は数多い。2018年上海文化広場に於いて中国語ミュージカル「白夜行」の初演が大盛況のもと行われ、中国全国ツアー中。受賞歴多数。

2019年には、天皇陛下御即位三十年記念式典にて天皇皇后両陛下による著作歌曲「歌声の響」の編曲とピアノを担当。三浦大知、千住真理子と共に記念演奏を披露。メディアへの出演も多く、NHK「日曜美術館」のキャスターもつとめた。東京藝術大学を中心とした音楽と美術の制作グループ「Senju Lab」主宰。東京藝術大学特任教授。東京音楽大学特別招聘教授。


服部隆之

今回御一緒させていただいて改めて感じたのは、なんといっても楽曲の力が強い。美樹さんが長い間大切に歌われてきたからこそ、曲がものすごいパワーを帯びている。キャリアと共に成熟した曲のパワー、そしてあくまでも自然体でその音楽に向きあっている今井美樹はすごいです。

 

パリ国立高等音楽院を修了し、1988年に帰国後、 ポップス〈福山雅治・椎名林檎・山崎まさよし 等〉からクラシック〈鮫島有美子・武満徹 等〉まで幅広いアーティストのアルバム、コンサート等の編曲を手がける。  

作曲家として映画に於いては96年「蔵」98年「誘拐」・「ラヂオの時間」の3作品が日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞し、最新作は「もしドラ」がある。  

テレビドラマでは「NHK連続テレビ小説・すずらん」「HERO」「王様のレストラン」NHK大河ドラマ「新選組!」「のだめカンタービレ」「華麗なる一族」「半沢直樹」「下町ロケット」NHK大河ドラマ「真田丸」等。 ミュージカル「オケピ!」、bunkamura 委嘱作品で上海シティダンスカンパニーとの日中共同制作「舞劇 楊貴妃」、2008年4月TBS「THE世界遺産」のメインテーマ、2010年上海万博「日本館」の音楽監督、2011年4月よりNHK教育テレビ「フックブックロー」の音楽担当、2015年「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」の音楽担当。この他にも「コマーシャル」「ゲーム音楽」等と多岐にわたる音楽ジャンルで作曲家として活躍中である。  


挾間美帆

私が参加した曲は、どの曲も今井さんにとっての代表曲ですが、原曲の良さを大切にしつつ、今の美樹さんの雰囲気にピッタリ合った、大人に成熟した作品に仕上げられたらいいな、という気持ちを込めて書かせていただきました。一味違うセルフカバーになっていると思います。

 

Photo by Hiroyuki Seo

国立音楽大学およびマンハッタン音楽院大学院卒業。これまでに山下洋輔、東京フィルハーモニー交響楽団、ヤマハ吹奏楽団、NHKドラマ「ランチのアッコちゃん」などに作曲作品を提供。また、坂本龍一、鷺巣詩郎、NHK交響楽団、テレビ朝日「題名のない音楽会」などへ多岐にわたり編曲作品を提供する。New York Jazzharmonic (アメリカ)、Metropole Orkest (オランダ)、Danish Radio Big Band (デンマーク)、WDR Big Band(ドイツ)等からの招聘を受け、作編曲家としてだけでなくディレクターとしても国内外を問わず幅広く活動している。

2012年にジャズ作曲家としてメジャー・デビュー。これまでに自身のジャズ室内楽団「m_unit」で『ダンサー・イン・ノーホエア』など3枚のアルバムをリリースし、2013年、ジャズジャパン誌年間アルバム大賞(新人賞)受賞、2016年には米ダウンビート誌”未来を担う25人のジャズアーティスト”にアジア人でただ1人選出、2019年ニューズウィーク日本版「世界が尊敬する日本人100」に選ばれるなど高い評価を得る。3作目のアルバム『ダンサー・イン・ノーホエア』は、2019年米ニューヨーク・タイムズ「ジャズ・アルバム・ベストテン」に選ばれ、米グラミー賞ラージ・ジャズ・アンサンンブル部門ノミネートを果たす。

2011年、ASCAP ヤングジャズコンポーザーアワード受賞。2011年度文化庁新進芸術家海外研修制度研修員。2014年、第24回出光音楽賞を受賞。2017年シエナ・ウインド・オーケストラのコンポーザー・イン・レジデンスに、2018-19年オーケストラ・アンサンブル金沢のコンポーザー・オブ・ザ・イヤーを務める。2019年シーズンからデンマーク放送ビッグバンド首席指揮者、2020年8月からオランダの名門メトロポール・オーケストラの常任客演指揮者に就任。

 


武部聡志

美樹ちゃんとはデビューして間もない頃からの付き合いです。美樹ちゃんがこのタイミングで歌いたいという思いの込もった曲を僕がアレンジすることができてとても幸せに感じています。僕なりに今井美樹の世界観、存在感を熟知しているつもりでいるので、今回のアルバムで更にその魅力がたくさんの人に伝わることを願って制作に関わらせて頂きました。

 

作・編曲家、音楽プロデューサー。国立音楽大学在学時より、キーボーディスト、アレンジャーとして数多くのアーティストを手掛ける。1983年より松任谷由実コンサートツアーの音楽監督を担当。一青窈、今井美樹、華原朋美、JUJU、ゆず、平井堅等のプロデュース、CX系ドラマ「BEACH BOYS」「西遊記」etcの音楽担当、CX系「MUSIC FAIR」「FNS歌謡祭」の音楽監督、スタジオジブリ作品「コクリコ坂から」の音楽担当等、多岐にわたり活躍している。

Video

ジャケット撮影ドキュメンタリー

レコーディング・ドキュメンタリー① with 千住明
レコーディング・ドキュメンタリー② with 服部隆之
レコーディング・ドキュメンタリー③ with 挾間美帆
レコーディング・ドキュメンタリー④ with 武部聡志

ライナーノーツ

荘厳なストリングスが奏でるイントロに心が震える。たおやかな、それでいて初出(1996年)の頃よりもたしかな力強さを湛えた歌声の「PRIDE」が聴こえてくる。

 

「Classic Ivory 35th Anniversary ORCHESTRAL BEST」は、今井美樹にとってキャリア初のフルオーケストレーションによるレコーディングアルバムである。

 

オーケストレーションと共に歌うという本作のプランは、実は『colour』(2015年)の時から持ち上がっていた。しかし彼女は或る信念から敢えてこれまで制作を見送ってきた。

 

「単に「代表曲をクラシックで歌いました」というアルバムにはしたくなかった。オーケストレーションを用いて、どうすれば“攻めた”アルバムに出来るのか? “最新型の今井美樹”のポップスとなるのか? そこに納得のいくモチベーションが見出せるまでは手を出したくなかったんです」(今井)

 

既出曲の再録音――つまりはセルフカバーにも大きなプレッシャーを感じていた。

 

「光栄なことに、これまで関わってくれた優れた作家の皆さんの力で、今井美樹のレパートリーは、幾つもの曲が、長年に渡って愛されています。しかもその多くは、当時のイメージやサウンドのカラーに愛着を持ってくださっている。尚且つ、私と同世代の女性たちは、洋楽ポップスの最盛期を通り抜けてきた、耳の肥えた音楽ファンです。オリジナルの強度に劣る中途半端な焼き直しを届けることはできません」(今井)

 

しかし、今回デビュー35周年というアニバーサリーのタイミングに、彼女は今作の制作を決意した。ヴィジョンが、そして“覚悟”が、彼女の中で定まったからだ。

 

「自分自身との対話の中で、いま、もう一度「歌いたい」自分の歌が、心のなかにたくさんあることに気付かされました――いえ、「歌いたい」というよりも、いまの自分の声で「届けたい」、「遺しておきたい」歌がたくさんあったんです。いまの自分だから新たな説得力で歌える歌もあれば、過去の曲なのに、いまの年齢の自分を表現してくれる曲がある。私がのびのびと楽しんで、かつてと違う解釈のボーカルと今日の演奏で届けることが出来れば、長年のリスナーの皆さんも、新しいリスナーの皆さんも、きっと、新しい曲として気に入ってくれるはず。そんな確信を胸に、全て “新曲”を歌うつもりでレコーディングに臨みました」(今井)

 

こうして彼女が選んだ10曲に新たな息吹をレパートリーに与えるべく、編曲者として服部隆之、挾間美帆、千住明、武部聡志という錚々たる顔ぶれが集結した。

 

「服部さんはどんな時にも服部さんの“雄々しい”スタイルがある。どの曲も、こちらの期待の“倍返し”の迫力で興奮させられっぱなしでした。武部さんは私の活動初期の頃から、互いに違うプロジェクトで同時代を併走してきた間柄。「チェロを中心にしたい」という私のリクエストから曲の世界を描いて下さいました。そして私の迷いや悩みも辛抱強く受け止め、百戦錬磨の的確なジャッジで7曲分のボーカルディレクションも手掛けてくださいました。千住さんは繊細さとキラキラとした華やかさで、楽曲の魅力を最大限に引き出してくださり、このアルバムにエレガントでゴージャスな(魅力を与えてくださいました。そして、ある意味、“飛び道具”的な編曲をお願いした狭間さんは、独創的な解釈と予想外のアプローチでモダンな風を運んでくださいました。しかも狭間さんは今回の参加がまとまった後にグラミー賞ノミネート(※ラージ・ジャズ・アンサンブル部門)が決まって、とてもうれしかったです」(今井)

 

彼女のファンなら周知の通り、“Ivory”は、今井美樹にとって“節目”を象徴するシリーズである。そして“Classic”という言葉には“一流の”、“最高水準の”という意味が含まれている。かくして個性の異なる四人の音楽家たちの采配によって、まさしく全ての曲がこの上なく豪華に生まれ変わった。しかも「2020年の今日性を備えた上質な姿で」である。

 

「「PRIDE」、「瞳がほほえむから」、「PIECE OF MY WISH」は、言うなれば“THE今井美樹”な曲なので、バンドのオリジナルサウンドのイメージが強い。そういう意味でやはり強敵でしたが、長年のファンに私なりの“恩返し”を込めて歌いました。「幸せになりたい」や「Boogie-Woogie Lonesome High-Heelは、これまで私と同時代を生きてきた女性の皆さんや、かつて泣いて笑って一緒にはしゃいできた私自身のかつての女友だちに聴いてほしい」(今井)

 

録音はミキサーズラボの内沼映二と三浦瑞生、ミックスは英国アカデミー賞音響賞の実績を持つジョナサン・アレン、さらにマスタリングはアビー・ロード・スタジオのジェフ・ペッシュと、やはり第一級のクリエイター等が手掛けたサウンドは、楽曲毎の繊細なニュアンスから壮大なスケール感までを豊潤に再現している。

 

「かげろう」は今も大好きなミシェル・ルグランの映画音楽のようなイメージで。ドラマティックに生まれ変わった雨のあと」は、映画のワンシーンのように、その景色のなかにより澄んだ心持ちを描きたかった」(今井)

 

本作の制作は新型コロナウイルスの感染拡大以前からスタートしていたが、奇しくも本作にはこの混迷する時代を生きる多くの人々に寄り添う言葉や心に響くメッセージまでもが歌われている。

 

「未来は何処?」、夕陽が見える場所」、「Goodbye Yesterday」 は、いままさにじっくり聴いてほしい曲として、この姿になりました。聴いていただく心境や琴線によって、様々な思いで捉えていただける姿になったのではないでしょうか」(今井)

 

デビュー35周年。本稿のための対話の際、彼女が何度も口にしたのは“感謝”という言葉だった。

 

「皆さんへの思いを語り出すと本当に自然と声が震えてしまうのですが、リスナーお一人お一人に、直接、手をとって「これまでありがとう」という感謝を伝えたいくらいです。大変な時代になりましたが、先人達はこれまでも情熱や叡智で困難を乗り越えてきました。私達もきっと乗り越えられると信じています。そのための新しい歩き方を模索していく日常のなかで、この「Classic Ivory 35th Anniversary ORCHESTRAL BEST」の10曲が、これまで以上に、皆さんの生活と寄り添う“人生のサウンドトラック”になってくれたらと願ってやみません」(今井)

 

――今井美樹の新たなスタンダード・ナンバーを、いまこの時代を共に生きるあなたへ。

 

(内田正樹)

ALBUM収録内容

Classic Ivory 35th Anniversary ORCHESTRAL BEST

(読み:クラシック・アイボリー・サーティフィフス・アニバーサリー・オーケストラル・ベスト)

 

デビュー35周年を記念して、タイムレスな名曲をオーケストラで再現したアルバムが完成。

時代を超えて、今あらたに上質なオーケストラ演奏で届けるセルフカヴァーは永久保存盤。

「PRIDE」「PIECE OF MY WISH」など全10曲収録。

編曲を手掛けたのは日本を代表する4名の音楽家、千住明、服部隆之、挾間美帆、武部聡志。

ミキサーズラボの内沼映二と三浦瑞生が録音、英国アカデミー賞の音響賞の実績も持つジョナサン・アレンがミックス、そして名門アビー・ロード・スタジオのジェフ・ペッシュがマスタリングで仕上げた名盤が誕生。

初回限定盤には豪華2枚のコンサートDVDを付属。2011年6月16日に東京国際フォーラム・ホールAで行われた25th Anniversary Tour 2011 LOVE & BLESSINGS ~Mikiʼs Affections~と2018年10月13日に大阪フェスティバルホールで行われたCONCERT TOUR 2018 “Sky”のライブ映像を全曲完全収録。

 

■発売日:2020年11月11日(水)

 

■商品形態

初回限定盤(1CD+2DVD) 

三方背ボックス仕様 5,800円(税別)TYCT-69184

※DVD1: 25th Anniversary Tour 2011 LOVE & BLESSINGS ~Mikiʼs Affections~

※DVD2: CONCERT TOUR 2018 “Sky”

 

通常盤(1CD)

3,000円(税別)TYCT-60166

 

■収録曲全10曲

01 PRIDE [作詞・作曲:布袋寅泰] (1996) 編曲:服部隆之

02 幸せになりたい [作詞・作曲:上田知華] (1990) 編曲:挾間美帆

03 瞳がほほえむから [作詞:岩里祐穂 作曲:上田知華] (1989) 編曲:千住明

04 かげろう [作詞:今井美樹 作曲:MAYUMI] (1992) 編曲:千住明

05 PIECE OF MY WISH [作詞:岩里祐穂 作曲:上田知華] (1991) 編曲:千住明

06 Boogie-Woogie Lonesome High-Heel [作詞:戸沢暢美 作曲:上田知華] (1989) 編曲:挾間美帆

07 雨のあと [作詞・作曲:川江美奈子] (2006) 編曲:挾間美帆

08 未来は何処? [作詞・作曲:布袋寅泰] (2003) 編曲:武部聡志

09 夕陽が見える場所 [作詞:秋元康 作曲:布袋寅泰] (2004) 編曲:武部聡志

10 Goodbye Yesterday [作詞・作曲:布袋寅泰] (2000) 編曲:服部隆之

 

【DVD1: 25th Anniversary Tour 2011 LOVE & BLESSINGS ~Mikiʼs Affections~】※初回限定盤のみ

01 瞳がほほえむから

02 ポールポジション

03 滴

04 ラストダンスは私に

05 黄色いTV

06 Miss You

07 私はあなたの空になりたい

08 野性の風

09 太陽のメロディー

10 愛の詩

11 PRIDE

12 微笑みのひと

13 雨にキッスの花束を

14 幸せになりたい

15 memories

16 半袖

17 宝物

18 A PLACE IN THE SUN

19 The Days I Spent With You

20 PIECE OF MY WISH

21 Pray

 

【DVD2: CONCERT TOUR 2018 “Sky”】※初回限定盤のみ

01 PRIDE

02 Anniversary

03 DRIVEに連れてって

04 同じ空

05 Misty

06 Blue Rain

07 瞳がほほえむから

08 あなたはあなたのままでいい

09 A PLACE IN THE SUN

10 Martiniqueの海風

11 青い空と赤い花

12 滴

13 あなたがおしえてくれた

14 私はあなたの空になりたい

15 The Days I Spent with You

16 Free to Fly

17 幸せになりたい

18 雨上がり光る花のように

19 Beyond the World

20 Goodbye Yesterday

21 PIECE OF MY WISH

 

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