亡き名ギタリスト、ミック・グッドリックとのデュオ作品がECMからリリース

2026.05.08 TOPICS

 
現代ピアノの詩人=フレッド・ハーシュが、パット・メセニーをはじめ、ビル・フリゼールジュリアン・ラージジョン・スコフィールドらが師と仰ぐ、今は亡き名ギタリスト=ミック・グッドリックとの1988年のデュオ作品をECMからリリースする。タイトル・トラック「Feebles, Fables and Ferns」が先行配信されている。
 

 
1988年8月にニューヨークのハーシュのスタジオで録音された本作は、当時ボストンを拠点に活動していた巨匠ミック・グッドリックとの稀有な共演を捉えた作品。全体を通して二人の音楽言語に対する広範な理解と、それぞれの楽器における表現力が際立ったプログラムとなっている。
ハーシュは約40年を経たこのセッションを振り返り、「私にとってのハイライトは、何と言ってもアンサンブルのレベルの高さだ。私たち二人の間には、深く互いに耳を傾け合う姿勢が随所に感じられた」と語っている。

「ミックはかなり謙虚な人だった。そして、彼の録音作品はあまり知られていない」とハーシュは回想する。「私は彼を『ギターの囁き手』と呼んでいる。彼は教えることや、裏方に徹することに大きな満足を見出していた。それが彼なりのやり方だった。私のレコーディング・スタジオの全盛期、およそ1983年から88年にかけて、私は彼に『ニューヨークに来て、デュエットを録音しよう』と誘った。彼はニューヨークに来て、私たちはこのデュオ作品を制作したが、それはその場で自然にうまくいったんだ」

 
グッドリックは生涯を通じて、特に多作な作曲家でもなければ、多くのレコーディングを行ったわけでもなかった。そのため、彼のディスコグラフィーに名を連ねる作品は、その芸術性を垣間見ることのできる貴重なものである。
本作では、リオーネル・ルエケからウォルフガング・ムースピール、ジュリアン・ラージに至るまで、あらゆる音楽家に影響を与えた、そのギター即興演奏に対する先駆的なアプローチが余すところなく披露されている。グッドリックの教え子であるラージは、「注意深く耳を傾けて問題を解きほぐし、そこから有機的で、しばしば驚くべき解決策を提示するという、並外れた手法を持っていた」と語っている。

 
二人の親密な対話は、両者が即興演奏の第一人者として名声を博してきた所以を如実に物語っている。オリジナル曲に加え、ピアニストとギタリストによる既知の楽曲が凝縮された形で登場し、スティーヴ・スワロウの2曲(「Falling Grace」「Amazing」)、ジョニー・グリーンの「Out of Nowhere」、マル・ウォルドロンによる「Soul Eyes」、そして「Five Excursions」で次々と繰り広げられる即興の組曲が、インスピレーションに満ちた演奏で披露されている。
グッドリックがアルバム・タイトルにした「Feebles, Fables and Ferns」(『In Pas(s)ing』1979,ECM) は、二人が即興の中で互いに紡ぎ出す、遊び心あふれる絡み合う旋律を鮮明に垣間見せてくれる。
ハーシュによる「Heartsong」は、オリジナル曲の中でも最も和声的な作品の一つであり、2つの楽器の間をテーマがシームレスに行き来し、このセットの叙情的なクライマックスとなっている。
「何年か前の自分の演奏を振り返るのは、実に興味深いものです」「今の自分の演奏にもまだ共通する点はたくさんありますが、変わってしまった部分も多く、今改めてそれらを再発見するのは楽しいですね」

 
「美しく、親密で、静かな瞬間もあるけれど、それでもエネルギーは溢れている。そして、飾り気のない、無駄のない、ただ真っ直ぐに突き進み、そのまま録音したようなその音には、とてもロマンチックな何かがある。僕たちは本当に相性が良かったんだ…」

 
 

『フィーブルズ、フェイブルズ・アンド・ファーンズ / Feebles, Fables and Ferns』

2026年6月19日発売 
品番:UCCE-1221

» LISTEN / BUY
 
1. フィーブルズ、フェイブルズ・アンド・ファーンズ / Feebles, Fables and Ferns
2. フォーリング・グレイス / Falling Grace
3. アウェイ 10 / アメイジング / Away 10 / Amazing
4. ファイヴ・エクスカーションズ Five Excursions
5. アウト・オブ・ノーホエア / Out of Nowhere
6. ハートソング / Heartsong
7. ソウル・アイズ / Soul Eyes
 
パーソネル:ミック・グッドリック(p)、フレッド・ハーシュ(p)
録音:1988年8月 ニューヨーク、クラシック・サウンド・スタジオ