大河原光「環境の標本_#8515」

 

作家プロフィール

1988年宮城県生まれ。2015年京都造形芸術大学大学院修士課程修了。人と環境との関わりをとらえることを大きなテーマとしながら、都市および郊外をフィールドに写真による作品制作を続ける。近年の主な個展に15年「Heterotopia」(KUNST ARZT、京都)、15年「Beyond the Landscape KYOTO」(京都的芸術廉价中心)など。

 

制作年

2015

 

使用画材

ピグメントプリント

 

サイズ

H60×W90cm

 

ステートメント

ミシェル・フーコー(Michel Foucault, 1926-1984)は、現実に存在するが、他のどの場所とも異なる性質をもつ場所(例えば、庭園や墓地、美術館、–木曜日の午後の−両親のダブルベッド、などといった場所)を「HETEROTOPIA(ヘテロトピア)」と呼んだ。 私は都市空間の中にある墓地や、高速道路の工事現場とその周辺の環境、遺跡の発掘現場などといった、ある特定の性質をもった場所を、写真を用いて記録する。 それは、HETEROTOPIAという考えを軸に、写真による記録を通して、その場所の持つ性質を捉え表象しようとする試みである。

 

音楽と制作に関して

Miles Davisのアルバム「Bitches Brew」を初めて聴いたのは、確か写真を始めて1年目か2年目の頃だったと思う。その頃僕は「中心の無い写真」ということについて考えていた。ここでいう中心とは、その写真の中心的な被写体や、鑑賞者の視線が集中するポイントのようなもののことである。花が写っている写真を「花の写真」と説明したときの「花」に当たる部分と言っても良いかもしれない。それは、画面を構成する様々な要素に着目することができ、写真の中を鑑賞者の視点がぐるぐると移動するような写真。その写真の細部はもちろん、画面全体においても意味を持つ写真。もしかするととても基本的なことなのかもしれないが、このようなことを意識して制作をしていた。このアルバムを聴くと、当時考えていたことを思い出す。