AREA21の共同クリエイター、マーティン・ギャリックスとメイジャーによるアルバム『グレイテスト・ヒッツ Vol. 1』各楽曲コメントを公開!

2021.11.12 TOPICS

21

マーティン:アルバムの最初の曲は「21」という曲だよ。これは実際には、最終アルバムを配信する前に完成した最後の曲なんだ。面白いのが、アルバムの締め切りは金曜日の深夜だったのだけど、その前の晩にこのギターリフを思いついたからトラックリストを変更して、新しい曲に取り込むことにしたんだ。

メイジャー:すでに全曲の選択はしていたけど、ギリギリ最後にこの曲が出来たんだ。曲の雰囲気がとてもアップリフティングですぐにエキサイティングな気持ちにしてくれるから、この曲が出来て、最高に嬉しかったよ。このアルバムをスタートさせるのに必要なエナジーレベルがこの曲の中に詰まってるよ。

マーティン:この作品の出来栄えには、とても興奮しているんだ。アルバムのオープニングにふさわしい曲で、アルバム全体の方向性を確立している感じ。楽しくて遊び心のある曲で、エイリアンはここにいて、家には帰らないということを伝えているよ。

 
ラ・ラ・ラ

メイジャー:「ラ・ラ・ラ」は、アルバムから最初に発表した曲なんだ。この曲では、エイリアンが、俺たち人間が家族や友人、外の世界の意見に簡単に影響されるのを見ていることを語っているんだ。俺らはアイデアややりたいことがあっても、他人の意見を気にして実行しないことがある。この曲は、「聞きたくないことは忘れるし、俺/私はやってやる、これが俺/私だ、俺/私は人とは違うし、自分の道を行くのが好きなんだ」と言っているんだ。自分が本当に信じていることを何でもやって、それを楽しむんだ。

マーティン: 自分を疑ってはだめだ。結局、自分とやりたいことの間にあるのは、自分の心だけだからね。この曲は、すべてのモヤモヤを遮断して、美しい自分であること、そしてそれを自分のものにすることを歌っているんだ。

メイジャー:この曲から人々に自分自身であること、ユニークであること、自由であること、そして誰かの考えに影響されないことが大事ということを伝えたいよ。

 
ポゴ

マーティン:「ポゴ」は、約束事やイライラすることから逃れて、自分の人生を自由に生きて、自分を妨げているものから自由になることを歌っているよ。この曲の制作はすごく楽しかったよ。ビートやグルーヴを作って、メイジャーとツアー中に様々なグルーヴやリズムを試して、その過程で、エイリアンがポゴスティックに乗って人間関係から逃げているという「ポゴ」のビデオのアイデアを思いついたんだ。

メイジャー:この曲はとにかくエネルギーがすごい。自分を縛っているものから自由になることがテーマなんだ。アニメーションは俺のお気に入りのひとつで、Titmouseのアニメーションチームが素晴らしい仕事をしてくれたよ。まるで映画のようなアクションや動きは、アニメーションの観点から見ても本当に画期的なものなんだ。Titmouse社にスペシャルサンクス!

 
ノー・エンジェル

マーティン:「ノー・エンジェル」は、基本的に2人のエイリアンが交わす会話の曲なんだ。一人のエイリアンは、とても賢く、とてもスマートで、リラックスしていて、もう片方のエイリアンは、少し頭が悪くて、自分を洗脳している女の子と恋に落ちてしまうんだ。俺たちは、現実の世界で起こっている状況にフォーカスを起きたかったんだけど、そのまま伝えるのではなく面白く、遊び心のある方法で伝えたかった。また、コンセプトを逆にしてみたいという考えもあるんだ。

メイジャー:俺たちはこれとまったく同じ状況のもので、女性の視点からのバージョンを作っているところなんだ。「No Saint」というタイトルで、「ノー・エンジェル」の続くものになると思うよ。

 
ラヴィン・エヴリー・ミニット

マーティン:「ラヴィン・エヴリー・ミニット」の最初のアイデアは、すでに5年以上前からあったんだ。メイジャーが口笛のメロディーと歌詞のフックを聞かせてくれたのを覚えているよ。彼が音源を送ってくれから、俺がプロダクションを担当して、もう少しクラブ的でバウンシーな曲にして、イビサで一度ライブで演奏したこともあるよ。そのあと、アルバム曲に取り掛かっている過程で、AREA21の膨大な数の未発表曲のデータベースを聴いていた時にちょうどこの曲が出てきて、歌詞とプロダクションを少しやり直すことにしたんだ。

メジャー:この曲の歌詞には、エイリアンから人間への慰めのメッセージが込められていて、すべてがうまくいくことを伝えようとしているんだ。世界は狂っているように見えるんだけど、平和で静かな心の場所に触れることができれば、周りを見渡して、人生には生きる価値があると気づくことが出来るんだ。この曲は、家族と一緒にいるときとか、学校に通っているとき、フェスに出演しているときも、人生の一分一秒を大切にしようっていうリマインダーのような曲なんだ。

 
モナ・リザ

メジャー:自分のバケットリストを曲に出来るってことなったら、それは「モナ・リザ」だな。「部屋にモナ・リザを呼びたい、月面でピクニックしたい、スヌープドッグと一緒に吸って盛り上がりたい、アニメで自分を演じたい」とか、俺らが経験できるかもしれない最もワイルドでクレイジーなことをすべて考えたんだ。

マーティン:この曲はリリックがとても遊び心にあふれているから、プロダクションレベルでは、遊び心のあるサウンドにしたいと思ったんだ。2番のAメロを作ったときはスタジオでノリノリで遊び弾けちゃったよ。

メイジャー:「モナ・リザ」が示している一つのことは、エイリアンは宇宙から来ているから、音楽的に一つのジャンルやストラクチャーに収まる必要はないってことなんだ。これは俺等の他のプロジェクトにも言えることだから、俺たちのクリエイティビティは無限にあるってことなんだ!

 
オウン・ザ・ナイト

メイジャー:この曲は、俺たちのショーや俺たちのすべてを象徴するような瞬間を描いていると思う。すごくインパクトがあり、パワフルなエネルギーに満ちた曲なんだ。若くて才能のある素晴らしいプロデューサー、トッド・ヘルダー、最高だぜ!

マーティン:彼は魔法使いみたいでさ、クレイジーなんだよ。俺とメイジャーはアイデアを読み込んで、それにギターをつけて、実際にたった2テイクで曲を作ったのを覚えているよ。俺はこの曲のアニメーションがとても好きだし、メッセージも好きなんだ。エイリアンはどこへ行っても、作り笑顔の人々を見て、何が起きているのか理解できないんだよ。アニメーションの最後の方では、音楽と愛を通して、偽の笑顔が消えて、人々の本当の感情が再び現れるのがわかるんだ。これは美しいコンセプトだと思うんだ。

メイジャー:「オウン・ザ・ナイト」は、素晴らしい音楽はいつまでも愛され続けるということの良い例だよ。ずっと前に録音した曲なので、ほとんど忘れていたけど、改めて聴いてみると、過去と未来のマリアージュのような新しい感覚があったよ。ビデオの中の青い顔は、ハリウッドやエンターテインメントの世界でどんな経験ができるかを表している。成功していたり、人々が求めるものを自分が持っていたりすると、誰が自分のことを本当に気にかけてくれているのか見分けがつかないような顔を見せてくれることがあるんだ。このビデオでは、それをクールにそして面白く表現してくれているよ。

 
フォロワーズ

マーティン:「フォロワーズ」は、作っていてとても楽しかった曲だよ。人間に鏡を向けるようにして、「もしソーシャルメディアのフォロワーがいなくなったら、君はどうする」と問いかけるような曲を作りたかったんだ。なんでかというと、最近では、「いいね!」の数やフォロワーの数、どんな写真がリーチ数があるのか、アルゴリズムはどうなっているのか、どのタイミングで投稿するのがベストなのか、といったことに集中しているけど、ソーシャルメディアって最初のころは、純粋に楽しい瞬間を共有するために存在していたよね。詞的にはメイジャーはクレイジーなことをしたよ。何が本当に重要なのか、人々に考えてもらいたかったんだ。携帯電話ってそんなに重要?携帯電話を持っていなかったときの生活がどれほど素晴らしかったかを覚えてる?アニメーションでは、エイリアンが携帯電話を捨てた後、世界が彼らに微笑みかけ、彼らが出会うものはすべて自然の輝きに満ちていることがわかるんだ。

メイジャー:「フォロワーズ」は、もし目が覚めたときに、誰かが自分のフォロワーをすべて削除していたらどうするか、というストーリーの曲だよ。俺もそうだけど、きっとみんなパニックになるよね。そう、俺もなんだよ。特にパンデミックの間は、常に携帯電話を使っていることに慣れちゃってさ。だから、携帯電話に反対しているわけでも、嫌っているわけでもないんだけど、目の前にあるものと、電化的存在とのいい感じのバランスを取って、今自分の周りで起きている物事を忘れないようにしたいよな。

 
ヒューマン

マーティン:「ヒューマン」 は、実は6年前に俺たちが最初に作った曲のひとつだよ。

メイジャー:エイリアンが地球に不時着し、ここで過ごせるようになってからの疑問を問いかけているんだ。彼らの一番の疑問は「もし俺たちが人間だったら、あなたはまだ俺たちを愛してくれるだろうか」というものなんだ。

マーティン:地球に到着したエイリアンは、なぜ国と国の間に国境があるのか、なぜ人種差別やいじめがあるのかを理解していない。彼らは人間を理解していなくて、なぜお互いにそのような扱いをするのかがわからないんだ。

メイジャー:俺たちは、エイリアンの目を通して、人間がお互いにどのように接しているのか、もしも他の惑星から来たとしたらどのように接するのかを見ることができたらクールだと思ったんだ。多くの場合、人間は異なる考えや信念を持っていることなどが原因でお互い距離を置くのだと思う。俺たちは、できれば外からの視点でどう見えるかを考えてもらえるような曲を作りたかったんだ。願わくば、エイリアンの視点で人類をひとつに見立てることが、団結の助けになればと思っているんだ。

 
オール・アイ・ニード

メイジャー:俺はこの曲が大好きだよ。このアルバムの中で一番ではないにしても、一番好きな曲の一つだと思う。この曲を聴くたびに、様々な音楽の世界が融合しているように聞こえるんだ。マーティンが考えたメロディを最初に見せてくれたとき、すぐに「これはクレイジーだ」と思ったよ。

マーティン:曲を作るのはとても楽しかったよ。俺の携帯にギターとピアノでジャムっているビデオがあるんだ。友情をテーマにした曲を作りたかったんだ。どんなにひどい場所に行っても、最高な仲間と一緒なら最高な場所にすることができる、まさにそんな曲なんだ。どこに行っても仲間がいれば気分がいいし、チームだから必要なのはそれだけで十分なんだ。

この曲はまだ誰も聞いたことがないから、俺もドキドキしているよ。この曲は、シングル曲ではないからアルバムだけでしか聞けない曲のひとつなんだ。俺の頭の中では、この曲はすでに6年前から存在しているから、この曲をみんなとシェアできるのがすごく楽しみだよ。

 
タイム・マシーン

マーティン:「タイム・マシーン」は、エイリアンが子供の頃のある思い出を追体験するためにタイム・マシーンを欲しがるところから始まる。曲の途中で、歌詞に変化があるんだ。あることを振り返ったり、前を向いたりするのではなく、今ここで、自分の周りにあるものに集中してみない?って。なんでかっていうと、この瞬間もいつかは思い出になるからね。この曲は、俺たちの色々な感情を美し引き起こしてくれるんだ。

メイジャー:俺たちは「タイム・マシーン」が自分の人生の中であった、何気ない瞬間の記憶へと導いてくれる曲であればいいなと思ってるんだ。俺たちはこの曲でそれを表現したかったんだ。この曲はまるで前からあったような曲にも聞こえる、時代感を感じさせない曲になったのがすごく嬉しいよ。「タイム・マシーン」は永遠に愛される曲になると思うよ。

 
ゴーイング・ホーム

マーティン:アルバムの最初の曲では、エイリアンがやってきて「俺たちは帰らない」と言っているんだけど、アルバムの終盤では、彼らはもう十分だと思っている。彼らはいずれ戻ってくるんだけど、12曲と地球での経験を経て、充電のために少しだけ家に帰ることにしたんだよ。

子供たちの合唱団を録音するというアイデアが俺たちの中であったんだ。ちょうど俺の育った近所の人が学校の先生をしているから、その学校の音楽の先生に連絡して、歌える子供たちを集めてもらったんだ。STMPDのレコーディングスタジオでレコーディングをしたんだけど、すごく楽しく、素晴らしかったよ。子供たちは、このプロジェクトに参加することや、ただ歌うことにとても興奮していて、音楽に対する情熱を持っていたよ。

この曲は、俺たちにとってエンディングソングのようなものなんだ。ライヴでは、UFOが飛び立つ瞬間にしたいと思っているよ。

メイジャー:アムステルダムに来て、実は俺の誕生日だったことを思い出したよ。マーティンは俺に何をしたいか聞いてきたんだけど、俺はただ音楽に取り組みたいと思ってたからそれは最高の誕生日プレゼントになったよ。それで、俺の誕生日に子供たち全員の録音をしたんだけど、彼らの才能と、曲に与えた生命力を考えると、俺にとってそれが最高の誕生日プレゼントだったよ。曲を次のレベルまで引き上げてくれたんだよな。

曲の冒頭で、俺たちはすごく重要なことを言っているんだ。それは、「たとえ私/俺たちが異なる世界から来ていても、ホームっていうのは私/俺たちが一緒にいるところ」ということ。この曲では、「ホーム(故郷)に帰るけど、私/俺たちが出会うどんな場所だって、ホーム(居場所)になり得る」と言っているんだ。