BIOGRAPHY

アリス=紗良・オット / Alice Sara Ott


世界で最も多くストリーミングされているクラシック・ピアニストのひとり、アリス=紗良・オットは、独自の芸術的言語を持つ演奏家として高く評価されている。彼女のプログラム構成や表現フォーマットは、既存の枠組みにとらわれることなく、レパートリー、演奏者、聴衆の関係性を再定義する試みである。

ソリストとして、また世界屈指のオーケストラとの共演を通じて、世界有数のコンサートホールで演奏を重ねるグローバル・アーティストであり、分野横断的なコラボレーションを通じて、音楽体験そのものを再構築している。

探求と実験は、アリス=紗良・オットの活動の中核を成している。2021年のドイツ・グラモフォン作品『エコーズ・オブ・ライフ』のツアーでは、建築家ハカン・デミレルと協働し、デジタル映像インスタレーションを取り入れたライヴ・パフォーマンスを展開した。映像が音楽に視覚的な物語性を与えることで、コンサート体験の新たな可能性を提示している。

また2023年には、Apple Music Classicalアプリのローンチ・キャンペーンにおいて、その象徴的存在として起用され、オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団および指揮者カリーナ・カネラキスとともに、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番を演奏した。

アリス=紗良・オットは、現代を代表する作曲家たちから、新作の初演や録音を託される存在でもある。これまでに、オーラヴル・アルナルズ、ブライス・デスナー、チリー・ゴンザレス、フランチェスコ・トリスターノらとのコラボレーションを実現し、現代音楽の表現領域を広げてきた。

2008年、19歳でドイツ・グラモフォンの専属アーティストとなる。2025年2月にリリースされた最新アルバム『フィールド:ノクターン全集』は高い評価を受け、Apple Classicalの「アルバム・オブ・ザ・イヤー」に選出されたほか、「ニューヨーク・タイムズ」および「ボストン・グローブ」により、2025年を代表するクラシック・アルバムのひとつとして選ばれている。

本作と連動するプロジェクトとして、演出家アンドリュー・ステイプルズとともに、45分の映像作品『Alice Sara Ott: Nocturne』を制作した。ミュンヘンのバーチャル・プロダクション施設「Hyperbowl」で撮影された本作は、創作過程におけるアーティストの内面を映し出す没入型映像作品であり、2025年OPUS KLASSIK賞〈映像音楽作品部門〉年間最優秀賞を受賞している。

また、音楽活動における視覚的・コンセプチュアルな側面にも積極的に取り組み、ときにイラストやデザインも手がけながら、ファッション、ジュエリー、テクノロジーとの接点を探求している。これまでに、Technics、JOST(ドイツ)、ショーメ(LVMHグループ)、ヴェンペなど、国際的なブランドとコラボレーションを行っている。