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SNOW PATROL
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BIOGRAPHY
SNOW PATROL
SNOW PATROL スノウ・パトロール

ギャリー・ライトボディ (Gary Lightbody) Vo., G
ジョニー・クイン (Jonny Quinn) Dr.
ポール・ウィルソン (Paul Wilson) B, Vo
トム・シンプソン (Tom Simpson) Key
ネイサン・コノリー (Nathan Connolly) G. Vo.

何故スノウ・パトロールが過去10年間で最もビッグかつ大胆不敵なバンドなのかという2、3の理由:この15年ほどの間に、アイルランド人とスコットランド人による5人組はカルト的な人気のインディー・バンドから、いとも簡単にスタジアムを満杯にするビッグネームへと変貌を遂げた。彼らは全世界で1000万枚以上のレコードの売り上げを叩き出し、グラミー賞やブリット・アウォードにノミネートされ、メテオやアイヴォー・ノヴェロ・アルバム・アウォードをさらってきたのである。

バンドの中心人物はギャリー・ライトボディ、スノウ・パトロールのフロントマンにしてメイン・ソングライターだ。5枚を超えるスタジオ・アルバムで、現在33歳の彼は心に深く残る後悔や、一番仲良しの相棒に腕を回すようなお祭り騒ぎのアンセム、ラジオ・ヒットと痛々しい内省の瞬間を巧みに写し取ってきた。それらの楽曲が皆、今回この『アップ・トゥ・ナウ』に一堂に並んでいるのだ――30枚分のシングルとカヴァー曲、そしてアルバム・トラックを集めたダブル・アルバムである。

「ある意味フォト・アルバムみたいだよね、」ライトボディは言う。「これは僕らのバンドがどんな曲折を経て今いるこの場所まで辿りついたのか、その記録なんだ。僕らはこの15年の間、必死で頑張ってきた――決して一晩で成し得たことではないんだよ。僕らはみんなに、出来る限り正直に、あるがままの自分たちを見てもらいたいと思ったんだ、過去5枚のアルバムに関しても、色んな細かい欠点も全部ひっくるめてね。ああ、まあ僕らなりに正直に見せる部分は選ばせてもらったし、隠したヒビもあるけど、このコレクションは僕らにとって、このバンドのありのままの姿を描いたポートレイトになってると思うよ」

「最初の段階でまず40曲に絞ったんだけど、更に削らなきゃならないことは自明の理だったから、そこから僕らにとって特に気に入ってるものを落として行かなきゃならないのはちょっと大変だったね。でも最終的に何とか30曲にしたんだ。収録曲はかなり幅広いレンジにわたってるよ――初期のマテリアルからシングル曲、新曲も幾つか、それに僕らのヴァージョンの“Crazy In Love”を含めたカヴァー数曲だね」。

とりわけ重要なことは、『アップ・トゥ・ナウ』は衆目の中で成長を遂げてきたバンドのサウンドの記録であるということだ。1994年に結成された――当初はシュラッグ、あるいはポーラー・ベアと名乗っていた時期もあった――スノウ・パトロールはエレクトリック・ハニーと最初のレコード契約を交わし、EP“Starfighter Pilot ”をリリースする。改めて聴き直してみると、このEPのタイトル・トラックの刺々しいギターとやや粗削りな歌詞の世界観には、自分たちのスタンスを模索しているバンドの魅力の片鱗が感じられる。

「昔の曲を今見直すと、『ああ、子供っぽいのも青臭いのもあるけど、それがあの当時の僕だったんだよな』って感じだね、」ライトボディは言う。「今は自分の気持ちを伝えるってことに関しては遥かに上達したと思うよ――これまでのいつよりも曲を書くのが楽しくて仕方ないんだ、何故って今の僕は自分の武器庫の中に使える武器を前より沢山持ってるからさ。今の僕は自分のことを前より分かってるし、色んな物事が昔よりクリアに見えるようになってるんだ」。

“Starfighter Pilot”に続いてアンダーグラウンド・レーベルのジープスターからリリースされた2枚のアルバム(『Songs For Polar Bears』は1998年、『When It’s All Over We Still Have To Clear Up』が2001年)を経て、バンドはポリドール傘下のフィクションと契約を交わし、彼らにとっては出世作となるアルバム『Final Straw』を2003年にリリースする。ジャックナイフ・リーをプロデューサーに迎えたこの作品は200万枚近くを売り上げた。「あのレコードで僕らの存在は多くの人たちのレーダーに引っかかることになったんだ、」ライトボディは語る。

もっとも次に来る事態に比べれば、これらは小さなステップだった。続くアルバム『Eyes Open』 (2006年)はスノウ・パトロールを世界的に認知されるバンドに引き揚げることになったのである。バンドのラインナップもベーシストのポール・ウィルソン(オリジナル・ベーシストのマーク・マクレランドは2004年に脱退)、ギタリストのネイサン・コノリー、ドラマーのジョニー・クイン、そしてキーボーディストのトム・シンプソンという顔ぶれに落ち着き、もどかしい後悔と恋に浮かれたギター・リフのブレンドは、誰もが共感できるポップ・クオリティを備えており、また“Chasing Cars”はバンドにとって新たな世界的なスマッシュ・ヒットとなった。

「“Chasing Cars”は僕らにとってはグローバルな意味でのターニング・ポイントだったね」、ライトボディは言う。「あの曲の成功には、何だか圧倒されちゃったんだよ――アメリカだけで220万人の人たちがダウンロードしてくれたんだからね、そのうちどれだけの人たちが実際に金を払ってなかったかは知らないけど。多分こいつはクラス一番の優等生だよ」。2006年にリリースされた“Chasing Cars”は全英チャートの75位以内に実に91週も留まり続け(これはフランク・シナトラの“マイ・ウェイ”を凌ぐ記録)、アメリカで人気の病院ドラマ『グレイズ・アナトミー』に使用されたことをきっかけに、バンドにとって初の全米トップ5シングルとなった。この曲の魅力は今も少しも色あせていない。誰の基準に照らしても、これは見事な実績である。

もっとも『アップ・トゥ・ナウ』には他にも楽しめる要素が盛り沢山に入っている。ポップで勢いのある“Chocolate”、名曲の呼び声高い“Run”、そしていつまでも耳に残る哀愁を帯びた“Set The Fire To The Third Bar”。「僕はあの曲をマーサ・ウェインライトに捧げて書いたんだ、」ライトボディは言う。「彼女が僕らに会いに来てくれた時、僕はうっかり口を滑らせたんだよ、『これはキミのことを書いたんだ!』って。ありがたいことに、彼女は臆することもなく、嬉しい、大好きな曲だって言ってくれたんだよ。もし彼女に『やだ、まるでチンパンジーが書いたみたいじゃない。どうしようもないわね』なんて言われたらどうしようかと思ってたんだけどね」。

それ以外に挙げるなら、初期のトラックでありライヴの人気曲でもある“An Olive Grove Facing The Sea”は新録音ヴァージョンが収められている。

「この曲をライヴでプレイする時には、僕1人で演るよ、」ライトボディは語る。「ジャックナイフ・リーが僕が演ってるのを聴いて、『ワーオ、これはキミひとりで演ってるのを録りたいな』って言ったんだ。それで僕らはその通りにしてみたんだよ――僕とエレクトリック・ギター1本だけでね。オリジナル・ヴァージョンは『アップ・トゥ・ナウ』に入ってるやつに比べるとこれ以上ないってぐらい全然違ってるよ、ブラスとかクワイアとか、山のようなギターとか、考えられる限りのモノがめいっぱいフィーチュアされててね」。

『アップ・トゥ・ナウ』はファンにとってはまさに宝の山だ。2枚のCDのそれぞれの ディスクにはスノウ・パトロールのサイド・プロジェクト、ザ・レインディアー・セクションの音源(“Cartwheels”と“You Are My Joy”)が収録されているのだ。ライトボディによってコーディネイトされたこのインディーズのスーパーグループには、スコットランドが輩出した錚々たるギター・バンド――モグワイ、アイドルワイルド、ヴァセリンズ、ベル・アンド・セバスチャン、そしてティーンエイジ・ファンクラブ――のメンバーたちがフィーチュアされている。

「ザ・レインディアー・セクションは一時はスノウ・パトロールより有名だったんだよ」、ライトボディは言う。「日本に行った時なんか、僕らは街なかで追い掛け回されたんだぜ。今回こうやってまたこの辺の曲をリリースすることで、みんなが改めて興味を持ってくれたら嬉しいね」。

ここに収められた新曲3曲は、まだ進行形のホットでクリエイティヴな方向性を示すものだ:“Just Say Yes”のバレアリック・ビートとスケルチ音、そして絡みつくように耳に残る“Dark Roman Wine”はライトボディがひとりで古い足踏みオルガンを使ってレコーディングしたものである。

「僕らはしばらくパッション・ピットとかMGMTみたいなバンドを聴いてる時期があってね、」ライトボディは言う。「“Just Say Yes”を聴けばそれがハッキリ分かると思う。それから僕らは昔から絶えずエレクトロニック・ミュージックに対する愛情からインスパイアされていて、LCDサウンドシステムとかリクイド・リクイド、ヴァイタリックやフレンドリー・ファイアーズなんていうバンドが大好きなんだ――特に僕とトムはね、と言うのは僕らはよくDJをやるから――でもそれが僕らの音楽の中でハッキリ前面に出てきたのは、“Just Say Yes”が初めてだと思う。勿論『A Hundred Million Suns』(2008年)の“Lightning Strike”にもそういう部分はちょっとだけあったけど、こっちの方がもっと顕著なんだ」。

「“Dark Roman Wine”は僕がこれまで自分で書いてきた中で一番気に入ってる曲だよ。足踏みオルガンとブラス・セクションと僕の声だけだから、かなり変わったアレンジメントだけどね」。

ライトボディは『アップ・トゥ・ナウ』がバンドにとって、自分たちの在り方を見直すワクワクするようなチャンスをくれたと熱心に語る。

「僕らは間もなく次のアルバムを出すことになるはずだけど、どんな方向性に進むことになるかは僕自身も分からない。ただ、どうとでも自分たちの好きなようにやれるっていうのは最高なんだよね。僕はこれからももっともっと良いレコードを作っていきたいと思ってる。でもこのコレクションを出して、自分たちの登ってきた山から来し方を振り返ってみるっていうのは凄くいい気分だよ。どれだけ長い道のりをやってきたかを自分たちの目で確かめて、その景色を心ゆくまで味わいたいね」。