BIOGRAPHY

NE-YO (ニーヨ)

NE-YO (ニーヨ)グラミー賞受賞シンガー/ソングライター/作曲家/プロデューサー/音楽界で最も才能豊かで多作の彼の名は、NE-YO。デビューから5年も経たぬうちに、アルバム3枚をビルボード1位に送り込み、全世界トータル1000万枚を売り上げた。マイケル・ジャクソンからティム・マックグロウまで、コラボレートしたアーティストも幅広い。前作リリースから2年、 そのあいだに映画俳優の仕事もこなし、ついに今回ニューアルバムを発表。今作で4枚目、タイトルは『リブラ・スケール』。R&Bスーパースターの彼を、さらなる高みへともたらしてくれる今回の作品も、素晴らしい内容となっている。

壮大なるメッセージの込められたアルバム『リブラ・スケール』の背景には、こんな物語があるという。  それはR&B界のスーパーヒーローの集まり=「ザ・ジェントルマン」というトリオのお話。3人は「ある謎の存在」に出会い、あらゆる超能力を与えられる。その上、欲しいものは何でも手にし、カネ、名声、女に困ることは一切無い。しかし、ここが落とし穴。彼らはそれらのパワーを身につけたかわりに、街の悪と戦うこと、そして決して「恋してはならぬ」という掟を課されたのだ。それにもかかわらず、ジェローム(=NE-YO)はプリティ・シンクレアという女性に出逢い、恋に落ちてしまう…。プリティ・シンクレアは、輝く「美」そのものを象ったような女性。ジェロームは彼女にハートを奪われる。二人は熱情の一夜をともに過ごし、これがきっかけで、すべては良からぬ方向へと展開する。ジェロームのパワーに手を出してしまった彼女は、その威力に反作用を起こし、取りつかれたように気を狂わせてしまうのだ。

やがてプリティ・シンクレアは、「ダイアモンド・アイ」という「美しい悪魔」の化け物に変身し、ジェロームとジェローム自身が守るべき街を破壊しようとする。罪の意識に苛(さいな)まれたジェロームは、地元のバーで酒浸りになる。そのあいだにも「ダイアモンド・アイ」は街を脅かしつづける。この時、そもそも彼に超能力を与えた「ある謎の存在」が再び姿をあらわし、ジェロームに最終通告を突きつける。それはこういうものだった。
「ダイアモンド・アイを退治すれば、街もなにもかもが救われる。ただ、プリティ・シンクレアは死んでしまう。それを選ぶか、それとも、プリティ・シンクレアは生き延び、ダイアモンド・アイがもたらした破壊も全て元通りになる。だがおまえが死ぬか。どっちを選ぶ?」、というものだった。「命をかけて愛する人を守るか、それとも命そのものを選ぶか」、そのジレンマが『リブラ・スケール』のモチーフとなっている。

「それぞれのアルバムに僕は、なんらかのメッセージを込めてるんだ」、とNE-YOは言う。「そして今回のアルバムの命題は、お金/力/名声 vs. 愛。それを天秤("リブラ・スケール")にかけて測ってみて…、どちらを選ぶか。それはもう美徳の問題だとおもうんだ。どうやって生きるか、それを見直そうとしてるのかもしれない。両方に良い面と悪い面があって、その両面を表現したかったのさ。」

『リブラ・スケール』の背景にあるこの複雑な物語だけで、みっちり3ヶ月をかけて書き上げた。コミックスやSFの世界を相当参考にしたという。「コミックスは本当に大好きなんだ」と、NE-YOは誇らしげに言う。  「幼い頃からそうだよ。スパイダーマンとかジャパニメーションとか。ほんと夢中だった。それに最近では『アイアンマン』や『ウルヴァリン(X-Men ZERO)』のリメイク映画で盛り上がってるでしょ?だからこの機会に、物語を書いてみようと思ったんだ。」

そうやって背景の物語は完成し、自然に歌のほうも溢れ出た。わずか4ヶ月のうちに、トータル60曲を書きあげレコーディング。そのうちの12曲が最終的に収録楽曲として決定した。

まずはパーティー曲としての「シャンパン・ライフ」。溢れ出すシャンパンの泡を片手に、豪華な暮らしを送るようなライフ・スタイルへのオマージュソング。この曲を書くために、NE-YOはマイアミの超人気スポットで1ヶ月"リサーチ"を兼ね過ごしたという。「ある晩、DJキャレドとクラブへ行って、シャンパンを50本ほど注文したんだ」、とその夜のことを回想する。「10分に10本の勢いでオーダーしてね。マイアミは、スパークラー付きのシャンパンボトルで売られてるんだ。みんなこっち振り返って、"誰、あの人たち"ってウワサしてたよ。気に入った女の子に、シャンパンを注いであげるのと、ボトルごとプレゼントするのとでは桁が違うからね」、と笑いながら話す。
「なんて素敵な人生なんだ。」

80年代~90年代初期にかけてマイケル・ジャクソンがリリースしたシネマ・ビデオに感化され、NE-YOはもともと、アルバムに45分間のミニ・ムービーを収録することを考えていたという。しかしそれには莫大のコストがかかることもあり、そのかわりにPVの追加シーンを含めた「Extended版PV」を出すことに決定、7分~10分のミュージックビデオになるという。斬新ではあるが、クリエイティブや投資の甲斐は十分にあると彼は感じている。

「すべてのインスピレーションは、"退屈"から来てるんだ」、とNE-YOは言う。「いまの音楽界のR&Bには、もう退屈しちゃったんだ。R&Bはみんな同じようなことばっかりしてる。シンプルなビートで、パーティーへ行って、いちばんモテる男になって、出会った女の子とセックスして…みたいなね。でもさ、そこへレディー・ガガみたいな凄い人があらわれて、世界中を驚愕させたりもしてる。彼女こそが"エンターテインメント"の要素を復活させた。ただステージに立って、バックダンサーを後ろに構えて歌ってるだけじゃない。彼女のPVは映画だよ。彼女のコンサートは芝居だよ。彼女がポップ界でしていることを、僕はR&B界で、いや音楽全体で、やりたいんだ」

練りに練ったコンセプトとヴィジュアルは勿論のこと、『リブラ・スケール』はNE-YOの最高の面を引き出している。極上のソングラインティング、美しいメロディー、しなやかでパワフルな声。

「アルバムをレコーディングしながら、昔のスティーヴィー・ワンダーをとことん聴き直してたんだ」と、NE-YOは話す。「たとえば『トーキング・ブック』、『インナーヴィジョンズ』、『心の詩』とかね。そしてマイケルも聴いた。『ビクトリー』、『オフ・ザ・ウォール』、『バッド』、『デンジャラス』。マイケルはただ歌やPVをつくっていたんじゃない。彼は瞬間(moments)を刻んでいた。僕もそうなれるよう目指してる。」

リード・シングルの「ビューティフル・モンスター」で、ノルウェーのプロダクション2人組=スターゲイトとチームを組んだ。NE-YOはこれまでにもスターゲイトと組み、いくつもの超名曲を生み出してきた。「ソー・シック」、「ミス・インディペンデント」など。「彼らはまるで違う親から生まれた兄弟のようさ」と、スターゲイト(=トール・エリック・ヘルマンセン&ミッケル・S・エリクセン)について語る。「彼らは"シンプルが如何に複雑か"をマスターし切ってる。どんなメロディが心に響くかを解ってるし、どんな音が人を夢中にさせるかを知り尽くしてる。」そしてNE-YOは、壮麗なギター・バラード曲「シー・イズ」で、カントリー音楽ベテランのルーク・レアードとコラボレートも果たしている。

「僕はカントリー・ミュージックの大ファンだよ」と、NE-YOは言う。「ストーリーテリングが純粋な形で残っている貴重なジャンルだと思うんだ。」

音楽界で最も引っ張りだこのソングライター=NE-YO。彼がその才能をフルに開花させ、これまでに楽曲を提供してきたアーティストは数多い。No.1ヒット曲でもビヨンセ(「イレプレイスブル」)、リアーナ(「テイク・ア・バウ」)、マリオ(「レット・ミー・ラヴ・ユー」)、そのほかにもチャート上位を獲得した楽曲をセリーヌ・ディオン、メアリー・J.ブライジ、アッシャー、カニエ・ウェスト、ライオネル・リッチー(ほか大勢)に。  NE-YOのこれまでの全アルバム3枚――『イン・マイ・オウン・ワーズ』(2006)、『ビコーズ・オブ・ユー』(2007)、『イヤー・オブ・ザ・ジェントルマン』(2008) ―― すべてがプラチナムに認定され、数々のTOP10ヒット曲を生み出してきた。「セクシー・ラヴ」、「ビコーズ・オブ・ユー」、「マッド」、「クローサー」など。  NE-YOはハリウッドでも(カメラ前、楽屋裏に関わらず)受け入れられてきた。映画『プリンセスと魔法のキス』、『プレシャス』(原作はサファイアによる小説『プッシュ』)、『I Can Do Bad All By Myself』などにも楽曲を提供してきた。またNE-YO自身が俳優として映画『ストンプ・ザ・ヤード』や『セイブ・ザ・ラストダンス2』に参加した。まだ未公開の映画では、ジョージ・ルーカス監督の『Red Tails』や、コロンビア映画より『Battle: Los Angeles』などでNE-YOが登場する予定。とは言ってもやはりNE-YOにとって、音楽がいつまでも彼のファースト・ラヴ。

ひとりのアーティストとして、どのように成長しましたか?、という質問に、NE-YOはシンプルにこう答える。「もう恐れなくなった」、と言う。「初めの頃は、なんとかこの世界に入ろうと一生懸命で、いざ入った後も、だれかに怒られないかと怖がってた。見離されたくないからさ。」

「このアルバムで実感してほしいんだ。ありのままのアーティストになれた僕と、それを100%出し切っている僕を。言い訳はナシ、甘く見るのもナシだよ」

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