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MARY J BLIGE / メアリー・J. ブライジ
MARY J BLIGE / メアリー・J. ブライジ
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MARY J BLIGE
MARY J BLIGE / メアリー・J. ブライジ

MARY J BLIGE / メアリー・J. ブライジ

 メアリー・J.ブライジ、彼女こそが今世紀最も影響力のあるシンガーだと言っても過言ではないだろう。それは絶えずNo.1の座を獲得するアルバムとシングルの数々、それに加え6度のグラミー受賞と7枚のマルチプラチナ・アルバムという実績、それらだけでも充分確証されるが、15年間休むことなく現役で活躍し、ファンや評論家、アーティスト達から注がれるリスペクトには偉大ささえ感じられる。彼女の1992年デビュー以来 − 今となってはR&Bクラシックと呼ばれている『ホワッツ・ザ・411』から2005年リリースの驚くべきヒットを誇った『ザ・ブレイクスルー』も含め − メアリー・J.ブライジはR&Bという音楽を再構築し、それ以上にも様々な人々の人生にポジティブさをもたらし、彼女自身のハート、ソウル、そしてありのままのメアリーを届けてくれている。

 2006年発売のベスト・ヒット・アンソロジー『リフレクションズ〜ア・レトロスペクティヴ』後もクリエイティヴィティに拍車がかかったメアリーは、今回通算8作目のアルバム『グロウイング・ペインズ』をリリースした。全曲新曲で構成されている今回のアルバムは、ビルボード総合アルバム・チャート初登場1位を達成した『ザ・ブレイクスルー』以来のリリースとなる。『ザ・ブレイクスルー』はリリース第1週に700,000枚を優に超えるセールスを記録。これはニールセン・サウンドスキャン社(セールス集計会社)史上、R&B女性ソロ・アーティストとしての最高、また2006年度の“発売週”に最多売上を記録したアルバムとなった。リード・シングルの「ビー・ウィザウト・ユー」はビルボードR&Bチャートで16週連続1位に輝き、歴代記録を塗り替えた。また「ビー・ウィザウト・ユー」はメアリーにとって、それまでの最大のヒット曲となっただけでなく、一時中断されていたR&Bチャートが1965年に再開されて以来、史上最長記録を樹立したシングルとなったのだ。それが充分でないかのように、アルバム『ザ・ブレイクスルー』とシングル「ビー・ウィザウト・ユー」は、グラミー賞ノミネートは8部門、受賞は3部門にもわたっている。

 『グロウイング・ペインズ』にファンは何を期待できるか、という質問にもメアリー・J.ブライジはストレートに答えてくれる。 「私の心の内を知ることができるわ。この世界中のことについて私が思っていることとかね」、と彼女は言う。「そして何よりも、ありのままの私を感じてくれることを願ってる。ファンのみんなに対する私の愛。いつも感じてるわ。こんな風に・・・みんなのこと大好き。何があっても私はみんなの味方。そして音楽を通して一緒に楽しみましょう、っていうね。 だからファンのみんなはそれを期待できるわ。私のラヴを。喜んでくれると嬉しいわ。」

 『グロウイング・ペインズ』を通してメアリーの喜びと力強さを聴くことができる。今回タッグを組んだのは音楽界でもベストと呼ばれるプロデューサー陣、その一部を挙げると、トリッキー・スチュワート、ザ・ドリーム、Ne-Yo、スターゲイト、ザ・ネプチューンズ、ドレー&ヴィダル、ジャジー・フェイ、ショーン・ギャレット。 ゲスト陣には、リュダクリスやアッシャー。彼らを迎えて、“ラヴ”(=恋愛)をし、“リアル”な状況で生き、そして“成長”しているアーティストだからこそ創り出せる音楽を『グロウイング・ペインズ』を通して聴かせてくれている。そして何よりも、すべてを曝け出したメアリーを世界中が聴くことができるのだ。彼女が届けてくれるメッセージは、「自分を愛する」こと。「自分を信じて、“ネガティヴ”さなんて吹き飛ばしちゃいな」という声が聞こえてきそうである。

 メアリーの力強いヴォイスとファンクに対する真摯さが溢れメッセージをクリアーに届けてくれる「ジャスト・ファイン」は、ジャジー・フェイのプロデュースでメアリーとザ・ドリームが共同ソングライト。ビルボード・ホットR&B/ヒップホップ・シングルチャートには18週連続トップ10入り。今回の「ジャスト・ファイン」でトップ10入りしたシングル曲の数では、1993年にスタートしたとされるニールセン・ミュージック世代、マライア・キャリーと並ぶ記録を打ち出した。「ジャスト・ファイン」は生きているってなんて素晴らしいんだろう、という人生に対する賛歌であると共に、ワイルドでグラマラスなメアリーをPVで拝見することができる。 
「誰にだって人生を辛く感じることがあると思う。一年中、365日間ずっとタフな暮らしをしている人もいるかも知れない。でも、その反対に、ヘアースタイルが思い通りにまとまった時とか、渋滞に巻き込まれずにスムースにドライブできた時とか、“ジャスト・ファイン”(=バッチリ)な瞬間ってあると思うの。1年に1回や2回は必ずあるでしょ」、とメアリーは笑いながら話してくれた。


 このポジティヴな勢いはアップ・チューンのセカンド・シングル「ワーク・ザット」でもキープされている。現在アップル社iPodのCMに起用されている「ワーク・ザット」はクラブ映えしそうなビートで力強く、自分自身の内側にポジティヴな面を見出すことをテーマとした曲だ。「体重やヘアースタイルのことで気にしている女の子に出会うといつも言ってあげるの。 ‘抱えている問題が何であろうと、その問題をポジティヴに振り替えるのよ’って。自分が有利になるように“ワーク”させるの、っていう曲よ。」
まさにメアリー自身がそう“ワーク”させた曲が「ティル・ザ・モーニング」だ。プロデュースはザ・ネプチューンズ、ソングライトはファレル・ウィリアムス。「ティル・ザ・モーニング」は80年代のクラブ・チューンを下敷きにし、懐かしささえ感じられる。 その曲についてメアリーはこう言ってくれた。 「この曲は“ティル・ザ・モーニング(=一晩中)”な状況を歌ってるの。 クラブで“一晩中”でもイイし、彼氏とベッドで“一晩中”でもイイし、あなたの“一晩中”な状況を思い出して聴いてほしい曲よ。」
「ローゼズ」という曲のバックボーンは何といっても愛だ。トリッキー・スチュワートとザ・ドリームとのコラボレーション曲。 ミディアム・テンポで、エモーショナル。それでいて大人の世界が繰り広げられている。 「ローゼズ」は男性と泥沼関係に陥っている女性がリアルにもがいている状況の曲。人生はいつも“ローゼズ(=バラ色)”や“キャンディーのように甘い”ものじゃないということを教えてくれている。
情熱的な曲「シェイク・ダウン」でも男女関係がテーマとなっている。 ミディアム・テンポでアッシャーとのデュエット曲だ。 この2人のデュエットはR&B界のクラシック(究極)とされるものでもある。
『グロウイング・ペインズ』を通して今まで感じたことのない、限界を超越しようとしているメアリーが窺える: 特にヴォーカルという面で。 ジャジーな雰囲気を醸し出す瞬間や、女の子同士が集まった時に見られるようなエネルギー、意味合いを含めた言葉遣いなど: エモーションの幅広さが半端でない声のトーンときめ細かさだ。
その“成長”ぶりはスタジオ内でも魅せてくれた。 レコーディングを通しての全体的な統括と、クリエイティヴな面でのプロセス、そしてそれらを手際良く堂々と仕切ってくれる彼女。「レコーディング・プロセスに関してはデビューした頃と一変したわ。私自身、自分の求めているものがクリアーに分かってきたし、50人という大勢でレコーディングしてるわけでもない。今は(夫であり、クリエイティヴ・パートナーでもある)ケンドゥ・アイザックスと私で仕切ってる。ケンドゥの耳も確かだし、私自身も自分の耳を信じてる。そしてお互い正直に言い合える仲だしね。」
これまでの成功を遂げてきた彼女、それを知るからこそファンにとって余計に気になるのが今後のリリースではないかと思う。しかしメアリーは、本当に何が大切なのか、ということに焦点を置いているようだ。それが“ジャーニー”(道程)。 それが“成長”。それが“ラヴ”、でもあるのだ。そしていつも通りミュージックとファンのみんなたち。「私もまだ“痛み”から立ち直ろうとしてるし、それが“グロウイング・ペインズ”(成長にともなう必要な痛み)だって思ってるわ。逃げ出すことなく、これがその“痛み”なんだってしっかり向き合うこと、そしたら成長することができるし、変化がおとずれるの。“ペイン”がなきゃ、何も得られないでしょ。」