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 2002年1月1日に、日本人として初めて60年以上の歴史を誇る「ニューイヤー・コンサート」を指揮、満場の拍手で大成功をおさめた小澤征爾。今や世界でも指折りの指揮者としての人気は不動のものとなりました。*1「世界のオザワ」は既に20代の頃から海外で活動しており、彼の共演したオーケストラは世界各国の名高いオーケストラばかりです。このベスト・アルバムには、小澤征爾のこれまでの活動を代表する世界一流のオーケストラとの輝かしい共演が収録されており、彼の音楽家としてのキャリアを振り返ってみるのに最適なアルバムといえるでしょう。
*1=《ニューイヤー・コンサート》のライヴ録音はすぐにCDとして発売され(UCCP-9413)、クラシックCDとしては歴史に残る驚異的な売れ行きを、しかも短期間で記録しました。2002年の3月には、日本レコード協会が認定する「ゴールドディスク大賞」クラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞(対象期間わずか13日)。
 小澤征爾は偉大な指揮者たちから多くのものを学び取っている。シャルル・ミュンシュからはリラックスし、脱力して指揮する方法を教えられ、ヘルベルト・フォン・カラヤンには全精神と肉体をぶつけて指揮せよといわれ、レナード・バーンスタインからは心で演奏することの大切さを得る。そして斎藤秀雄は、音楽は常に語りかけるものだと小澤に伝える。そうした先達の教えがマエストロ・オザワのなかで咀嚼、熟成し、それがオーケストラや歌手に伝授され、聴き手の心の扉を強烈にノックする音楽として開花している。ここにはひとりの人間、小澤征爾という指揮者が歩んできた音楽の歴史が詰まっている。喜怒哀楽の感情豊かなヒューマンな演奏、聴き手の心にまっすぐに届く自然体の音楽。それらは音楽を聴く真の喜びをもたらしてくれる。 ---伊熊よし子

UCCP-3100(小澤征爾/ベスト・アルバム)
   
「世界のオザワ」と誰もが認めた《ニューイヤー・コンサート》!
世界の名オーケストラを指揮した小澤征爾・究極のベスト盤!
1. R.シュトラウス: 交響詩《ツァラトゥストラはかく語りき》から 冒頭部分
2. ドヴォルザーク: 交響曲第9番《新世界より》から 第2楽章
3. チャイコフスキー: 組曲《くるみ割り人形》から 花のワルツ
4. ホルスト: 組曲《惑星》から 木星
5. ワーグナー: 楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》から 第1幕への前奏曲
6. リムスキー=コルサコフ: 交響組曲《シェエラザード》から 若い王子と王女
7. ビゼー: 歌劇《カルメン》から 序曲
8. モーツァルト: 《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》から 第1楽章
9. ベートーヴェン: 交響曲第5番《運命》から 第1楽章
10. マーラー: 交響曲第2番《復活》 第5楽章から 「よみがえるだろう、わがちりよ」
ボストン交響楽団(1, 4)、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(2, 6)、パリ管弦楽団(3)、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(5)、フランス国立管弦楽団(7)
サイトウキネン・オーケストラ(8, 9, 10)
菅英三子(ソプラノ)(10)/ナタリー・シュトゥッツマン(コントラルト)(10)
晋友会合唱団(合唱指揮: 関屋晋)(10)
指揮: 小澤征爾
CD:UCCP-3100¥2,100(\2,000)/録音:1974年−2000年
好評発売中(2002.03.27) 日本のみの発売
[ボストン交響楽団]
1973年から2002年4月まで29年の長きにわたって音楽監督を務める。レパートリーは古典から現代作品まで多岐に渡り、堅い信頼で結ばれたコンビからは数多くの名演が生まれた。タングルウッド音楽祭での演奏も多い。「ツァラトゥストラはかく語りき」はドラマチックでスケールが大きく、小澤&ボストンの最良の名盤といわれている。「惑星」では広大な宇宙を思わせる音の広がりが堪能できる。
[ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団]
1966年のザルツブルク音楽祭がウィーン・フィルとの出会いとなった。以後年々結び付きが強くなり、今秋の音楽監督就任へとつながる。「新世界」はウィーン・フィルの定期公演で大絶賛を浴びたライヴ。「シェエラザード」は小澤の得意とする作品。気迫に富んだ熱い響きが全編を彩る。彼はウィーン・フィルは音楽を血で奏でる、指揮者冥利に尽きると語る。
[パリ管弦楽団]
恩師ミュンシュが音楽監督を務めた時期があるパリ管と小澤とはとても相性がよく、フランスやロシア作品を数多く指揮した。メシアンをはじめとする現代作品も両者の得意とするレパートリー。「くるみ割り人形」はこのオーケストラの持ち味である輝かしい色彩感を存分に引き出したもので、ロシア音楽好きの小澤の生き生きとした指揮ぶりが伺える。
[ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団]
ベルリン・フィルの定期公演デビューは1966年。以後、ドイツ作品を中心にマーラーやヒンデミットなど幅広く演奏、オーケストラから芳醇で精妙な響きを導き出し、カラヤンの後継者のひとりとみなされる。「ニュルンベルクのマイスタージンガー」は小澤の初のワーグナー録音。ベルリン・フィルの各セクションの高度な技巧が存分に発揮されている。
[フランス国立管弦楽団]
70年代後半からこのオーケストラと親密な関係を持つようになり、ラヴェルやベルリオーズをはじめとするフランス作品で軽妙で切れ味鋭いリリシズムあふれる演奏を行った。「カルメン」は初のスタジオ録音によるオペラ全曲盤。躍動感に満ちた情感豊かな演奏が特徴。小澤はフランス国立管のみずみずしい音、輝くばかりの色彩感をより充実させた。
[サイトウ・キネン・オーケストラ]
斎藤秀雄に教えを受けた世界で活躍する音楽家が集まって87年に結成。92年には松本市で国際音楽祭がスタート。海外公演も多く、いまや日本から世界へ向けて音楽を発信している。現在は次世代の音楽家養成プロジェクトもある。「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」は弦楽器の美しさが際立ち、「運命」は劇的で迫力に富む。「復活」も緊迫感あふれる壮大さ。一糸乱れぬアンサンブルが聴きどころ。
text:伊熊よし子