『ソングス・オブ・サレンダー』コメント

『ソングス・オブ・サレンダー』についていただいたコメントをご紹介いたします。
(50音順)
 

<3月27日掲載>

市川紗椰氏(モデル)

名曲たるもの、時代と共に常に「今」が欲するメッセージや響き方に変貌すると思います。しかしU2はあえて時代に委ねずに、今回のアルバムで自ら往年の名曲の新しい解釈を提示。大胆さを恐れないU2にしかできない革新的な試みで、おかげで、曲とリンクする人生の節目節目も一緒に再考される不思議な試聴体験でした。オリジナルより控えめなのにスケール感が増した「With Or Without You」、チェロがたまらない「Vertigo」、”don’t let it get away”と助言で終わるように変更された「Beautiful Day」、ギターだけのシンプルなアレンジだからこそ40年越しの”how long must we sing this song”の切実さが際立つ「Sunday Bloody Sunday」など、初めて聞いた時の世界と自分と照らし合わせながら堪能して欲しいです。

井上 毅氏(音楽チャンネルプロデューサー)

新たに制作されたU2のこれらの名曲を拝聴し、今新たな感動を覚えてます。1曲1曲じっくりと聞き惚れてしまいそうな、ややテンポを落としたアレンジ。ボノの歌声はそれまでのものと比べてより力強く、そして優しく感じます。慣れ親しんだ名曲の新アレンジをこれから時間をかけてゆっくりと味わいたいと思います。

今泉圭姫子氏(ラジオ DJ/音楽評論家)

「Sunday Bloody Sunday」を聴くたびに、自分には何が出来るのだろうかと考えてきた。それは『WAR』リリースから 40 年が経っても変わらない。そして U2 は、『Songs Of Surrender』で、闘う意味をあらたに示してくれた。拳を振り上げるだけではない。言葉で伝え、歌い続けていくことを。新しい解釈による「Sunday Bloody Sunday」は、そんな思いを抱かせてくれた。初来日時のインタビューで、ボノが語ってくれた言葉を忘れることはない。「僕たちは、どんな場所でも歌いにいく。君の家にだって行くよ。求められる場所がある限り」 そう、彼らは歌い続ける。

大抜卓人氏(FM802 DJ)

「これが U2 のアルバムなのか!」ルームメイトが狭い寮の天井を見上げながら落胆の声を上げた。97 年アルバム『POP』の衝撃は今も忘れられない(笑)
探求と変革にも近い進化を遂げてきたバンドの歴史において重要な作品、デジタルサウンドのインパクトが注目を集めたものの聞き込むほどにメロディーの奥行きと芳醇さにうっとり。今もあの作品が好きでよく聴いてはアメリカでの生活を思い出している。
U2 はどの時代に彼らに出会ったかが重要なバンドだ。ジャンルを超えたサウンドの探求が歴史に刻まれている。この『Songs Of Surrender』は幅広い U2世代を包み込み共鳴するアンセミックな1枚に!
削ぎ落としたアンサンブルにはメロディーの光と4人の体温が宿っている!
メンバーのプレイがむき出しで怒りも喜びも悲しみも彼らの感情に没入するような体験が待っている!
これが彼らの終着地かそれとも次に向けてのピリオドか!

工藤 博氏(ZIP-FM 執行役員 編成局長 兼 編成制作部長)

U2 は、デビュー以来 40 年以上に渡って輝き続ける唯一無二のバンドである。
僕自身は、メンバーより少し年下であるが、リスナーとしてリアルタイムで聴いてきたいちファンである。だから、これまでの数々の名曲は、今聴いてもその当時の懐かしさが蘇ってくる。
そして、今回のアルバム『ソングス・オブ・サレンダー』。
単純に過去の名曲がリアレンジされたベストアルバム的な作品・・・では全くなかった!
そもそも、原曲のアレンジと比較しながら聴く事さえ、あまり意味がないと思い知らされた。
年を重ねてきた“今”の U2 が、“今“の時代に送り出す作品として、耳に飛び込んでくる 1 つ 1 つの楽曲を僕たちリスナーが純粋にどう感じるかが重要で、僕の感想は単純に「めちゃカッコ良くて最高!!」である。
U2 のファンでいて良かった、U2 と一緒に年を重ねてきて良かった・・・と思わせてくれるアルバムだ。

栗田善太郎氏((株)BIGMOUTH代表・CROSS FM ナビゲーター・ディレクター)

4人で歩んだ40年を超える長い終わりなき旅。
立ち止まり振り返った時に余りにも多くの足跡があった。
レコードと云う足跡をより美しく鮮明に浮かび上がらせてくれたのが『ソングス・オブ・サレンダー』だと思う。
過去は過ぎ去ったのではなく、全てが繋がっているという事をU2は今作で示してくれた。
10代でU2に出会った私も五十路を歩いている。
我々は過去を肯定し、今を、未来を受け入れて歩き出せる。
最小限の荷物で、そう約束の地まで。

澤田修氏(ZIP-FM ナビゲーター)

新たな生命が吹き込まれた楽曲は、どれもシンプルなアレンジでオリジナルとは違う響きを持つ。
悲しみとやるせなさが溢れるボノのヴォーカルと、ジ・エッジの無骨なギター・アルペジオで幕を開ける「Sunday Bloody Sunday」は、力強いギター・ストロークによって中盤から躍動していく。
床を踏み鳴らす音は、混沌世界の中で暴力に屈しないという姿勢の表れだろうか。
バンドと共に成長し歴史を見守ってきた楽曲が、再び輝きを放っている。

タック・ハーシー氏(FM NORTH WAVE DJ)

引き出しの中に大事に仕舞っておいた宝物を
両手に取って静かに息を吹きかける。

すると、息のかかったところが
鈍く、穏やかに、力強い光を放ったような気がした。

宝物から溢れてくる圧倒的な存在感。
喧噪の記憶。高揚感の名残。
心に書き留めた一瞬一瞬の思いが動き出した。

もう一度音楽の力を信じてみよう。
懐かしくも新しいU2 の曲を聞きながら。

野村雅夫氏(FM COCOLO DJ)

U2 の音楽には強いメッセージがある。といっても、誰もが同じように受け取るという類のものではなく、時代によって人によって多様な解釈を呼び込む「懐の深い」メッセージ。
同時に、彼らは鉄壁のライブバンドでもあるので、ステージを想定しての高揚感のあるサウンドと展開が特徴のひとつだったわけですが、今回は装飾を一度削ぎ落としての再構築。
静かなる高揚とでも呼びたいものに生まれ変わりました。もはやどれも新曲です。

湯川れい子氏(音楽評論家・作詞家)

~U2の『Songs Of Surrender』を聴いて~

人間の声は、経験と共に成熟する。
かつて若々しく時代に噛みつき、血を騒がせてくれた曲は、現在不思議に共鳴する。血まみれの日曜日は、今日も血まみれなのだ。
少しはましになったかい?って。
いや、単に重厚なんてものじゃない。発見があり驚きがあり、自戒と悲しみに涙がにじむ。今こそ自由と命のために、人はひとつになれないのだろうか?
これこそが、今、もっとも新しくて必要な『Songs Of Surrender』だと心から思う。


<3月20日掲載>

大坪洋介氏(ファッション・ライフスタイル エバンジェリスト)

リリースを待ち望んでいました。
サステナブル・ファッションブランド:EDUN との出会いにより2006年11月さいたまスーパーアリーナでの来日公演の際には会場までU2メンバーとご一緒できたことは、かけがえのない思い出となっています。
音楽の豊かなリズム、心が震えるような歌声はいつも私の心に寄り添い続けてくれています。
そしてあの時の「世界人権宣言」にも感謝しています。
今までも,これからもずっとありがとう。
「Walk On」、「Pride (In The Name Of Love)」、「Ordinary Love」、「With Or Without You」……最高!

Guy Perryman氏(Radio Broadcaster)

U2 became globally famous for their huge stadium shows and music with a huge sound to match, but now with “Songs Of Surrender” you can feel like you are having an intimate, quiet and private moment with the band in a candlelit room. The gentle, melancholy, reflective feel of the re-recordings with very simple piano, acoustic guitar and instrumentation inspired by the bands Irish roots gives all of these songs a new meaning. I discovered U2 when I started out in radio in 1980 with the release of their album “Boy”, so it is a real joy to hear a favorite song “I Will Follow” performed in such a unique way in this collection.

U2 は巨大なスタジアム・ショーと壮大なサウンドで世界的に有名になりましたが、今回の『Songs of Surrender』では、キャンドルが灯された部屋でバンドと親密で静かなプライベートな時間を過ごしているように感じることができます。
非常にシンプルなピアノ、アコースティック・ギター、そして彼らのアイルランドのルーツにインスパイアされた楽器などによる再レコーディングは穏やかでメランコリックで回想的な雰囲気は、これらすべての曲に新しい意味を与えています。
私がU2を知ったのは、1980年にラジオの仕事を始めてアルバム『Boy』がリリースされた時でした。なので、お気に入りの曲「I Will Follow」がこのようにユニークな方法で演奏されているのを聞くことができて本当にうれしいです。

クリス・ペプラー氏(TV・ラジオ、パーソナリティー)

40 年以上に渡る U2 の珠玉の名曲を本人たちがリアルな今の解釈でセルフカバー。
新たなアレンジ、新たな歌詞も加えられ、アプデートされた曲たちは懐かしくもあり、清く澄んでいて新鮮です。
少年、青年の頃見た夏祭りの花火大会が蘇る線香花火の様な作品です。

西寺郷太氏(NONA REEVES)(ミュージシャン/音楽プロデューサー)

ボノの声と最小限の音像で満ちた枯山水のような至福の空間。
こういったリメイクや企画もののベスト盤の場合、どうしても元のレコーディングやアレンジの魅力や染み付いた音像に引っ張られ、完成度に波があることが多いが、彼らは別次元。2020 年代の U2 として瑞々しい魅力を放つ。
すべてを削いだタイムレスな姿に全身を浸せば、もしや彼らの最高傑作かもと思ったり。
「流石 U2」としか言葉が出てこない……。

ホリエアツシ氏(ストレイテナー)(ミュージシャン)

「One」に始まり、「With Or Without You」に終わる 17 曲、ミニマルなサウンドアレンジに素朴な歌声、ベッドルームミュージックとも受け取れる今作。
U2 といえば世界中から世代を超えて支持され、圧倒的なスケールのライブパフォーマンスで知られる、言わばスタジアムロックバンドだ。
しかし、2020 年代に入り、不安と隔たりが広がる世界への憂いか、傷つき苦しみの中にある人々への思いからか、今作はその名曲たちがスケール感とは一線を画し、近くに寄り添うようなオーガニックな音で鳴らされている。
誰もが同じ世界、同じ時間を生きる、ひとりひとりの人間であることを想起されられる、新たなメッセージを持つアルバムだと思った。

MELRAW氏(ミュージシャン)

U2との出会いは2004年のアルバム『How to Dismantle An Atomic Bomb』だ。
そのメロディの美しさと叙情的なサウンドスケープの虜になった僕は彼らのアルバムを隅々まで聴いた。
時代により数々のチャレンジを続けてきたがいつもそこには美しさが同居しているように感じていた。
今回のアルバムは彼らが初期ポストパンクサウンドだった頃から一貫して持っているその叙情性がさらに研ぎ澄まされたアレンジで収録されている。
まさに引き算の美学の究極の形と言えるだろう。

Yaffle氏(音楽プロデューサー/ミュージシャン)

©Rob Walbers

栄光を極めたロックバンドのベストトラックの再録音盤と聞いて自分が想像するものとはだいぶ違う手触りになっていた。そこにはとても禁欲的で生々しい彼らの”実際”が流れていた。4人の実況録音かと思わせるようなアレンジ、実際目の前にいるかのような録音になっていてそれがまた意図的な演出にも感じられる。サブスクリプション全盛の時代にベストアルバムのような物を出す意義についての彼らなりの答えを感じた。自分の加齢と共に受ける印象も全然違ってくるのだろうと思う。