

DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN / ALTER WAR IN TOKYO
2011.9.21 RELEASE ! ![]()
2CD:UCCJ-2091/2 ¥3,000 (tax in) IMPULSE!
菊地成孔率いるDCPRG、名門インパルス・レーベルから日本人初のメジャー・リリース!
2011年6月6日、恵比寿リキッドルームにおける菊地成孔DCPRG+アート・リンゼイのライヴを収録した2枚組。
ライヴでは聴き取ることのできなかった全く別次元のグルーブが聴こえてくる!
| 01. | ジャングル・クルーズにうってつけの日 Perfect Days for Jungle Cruise (Naruyoshi Kikuchi) |
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| 02. | Catch 22 Catch 22 (Naruyoshi Kikuchi) |
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| 03. | ニューヨーク・ガール New York Girl (Miles Davis) |
| 01. | Playmate at Hanoi Playmate at Hanoi (Naruyoshi Kikuchi) |
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| 02. | 構造 1(現代呪術の構造) Structure I - La Sructure de la Magie Moderne (Naruyoshi Kikuchi / Masayasu Tzuboguchi) |
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| 03. | Mirror Balls Mirror Balls (Naruyoshi Kikuchi) |
菊地成孔 (cond, CDJ, key)
坪口昌恭、丈青 (key) 大村孝佳 (g) アリガス (b) 千住宗臣、田中教順 (ds) 大儀見元(per)
津上研太、高井汐人 (sax) 類家心平 (tp)
Special Guest:アート・リンゼイ (g) on Catch 22, New York Girl
「われわれは四年待った。最後の一年は熱烈に待った」
これは1970年11月25日、三島由紀夫が市ヶ谷自衛隊駐屯地で自決したときに、彼がバルコニーから撒いた檄文の一節である。
われわれも、十年待ったのだった。菊地成孔率いるDATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN (DCPRG) がワールドワイドでデビューして、世界中の音楽ファンの度肝を抜くその日が来ることを。
DCPRGは1999年に結成された。エレクトリック・マイルスと菊地雅章『ススト』をリスペクトしつつ、世紀末の戦争衝動=ダンス衝動をポリリズム・ファンクによって具現化する、という菊地成孔のプランについては、彼の著書『スペインの宇宙食』(小学館文庫)を当たっていただきたい。結果として「9.11」を予見する役割を担ったこのバンドは、21世紀初頭の東京で、それまでマイルスも菊地雅章も知らなかった若いクラウドに熱狂的に支持され、しかし「ジャズ・ファン」の大部分がその演奏に接する機会を持たないままに、2007年に第一期の活動を終了。そして2010年、菊地成孔はキー・メンバー(坪口昌恭、津上研太、大儀見元)以外のメンバーに若手を起用して、第二期DCPRGを始動した。それが今度は「3.11」を予見した…などという因縁話をするつもりはないが、DCPRGの音楽は、確かに「非常時」の気分にフィットするのだ。
さて、今回初めて彼らの演奏に触れるジャズ・ファンの方々に向けて、DCPRGの「聴きどころ」を述べてみよう。まずは演奏の随所に現れる「違うリズム・パターンやBPMや拍数の同時進行」を聴き取り、それを楽しむこと。最初はベースのパターンを基準に捉えて、そこからドラムスや他の楽器に「リズムの軸」を乗り換えていく、という手順を踏むと分かりやすいはずだ。そしてそのリズムの上で行われている、管楽器やキーボード、ギターの強力なソロとインタープレイ、急激でドラスティックな場面転換を聴いてみよう。コンテンポラリー・ジャズの第一人者がずらりと揃ったバンドだけに、ソロの充実度はたいへんなものだが、このCDではアート・リンゼイの過激なノイズ・ギターが加わって、緊張感とスリルはさらにアップしている。ステージ上では菊地がコンダクトによって場面の転換を細かく指示していて、それを目の当たりにするだけでも、ライヴを観に行く価値は十分にある。
リズム、インプロ、インタープレイ、シークエンス・チェンジといった要素をきっちりと聴き取りつつ、体は気持ちよく動いている、という状態がキープできれば、DCPRG聴取は理想的なのだが、さすがに2時間以上それだとけっこう疲れたりもする。そこで最後に菊地成孔がくれる「甘味」が、「Mirror Balls」。スライ&ファミリー・ストーンの「一緒にいたいなら」のベース・ラインを裏返して引用したこの曲は、70年代後半から80年代前半の「あの時代」を彷彿とさせるメロディとリズムが実に楽しい名曲だ。
われわれの「十年の夢」は、今まさに実現に向けて動き始めたところだ。クールに、しかし熱く、余裕綽々で、しかし真剣に。
長い戦いは、始まったばかりだ。
村井康司