五嶋龍 五嶋龍 アーティスト・サイト
NEWS / INFORMATION Profile / Biography Discography Official Site
 
■五嶋 龍 レコーディング速報 − 「五嶋 龍/Ryu Goto」

アーティストのためにレコーディングをセッティングする事は、実はかなり大変なことなのです。それが世界中から期待されCDの発売タイミングが、最初から決まっているとなると、順列組み合わせだけの問題ではかたずかないこととなります。アーティスト本人、指揮者、オーケストラ、共演ピアニスト、オルガン奏者、スタジオあるいはホールのスケジュール、楽譜の準備、レコーディング機材の調達、運搬 レコーディングプロデューサー、エンジニアなどスタッフのスケジュール取り、これらを組み合わせるのです。通常オーケストラとのレコーディングは一年前から、早いものだと二年前からスケジュールが組まれていることもざらではありません。五嶋 龍の場合はドイツグラモフォン(DG)と契約する話が起こってからレコーディングまで4ヶ月しかなかったのです。関係者の誰もが不可能と思われたこのプロジェクトが成立できたのは、我々レコード会社の熱い思いが本人に伝わり、ただでさえプレッシャーがかかるデビューレコーディングを短い期間で決断し臨んでくれた 五嶋 龍 若干十六歳の天才少年に熱い拍手をおくるばかりであります。

エアースタジオLyndhurst Hall

6月21日 ウインブルドン テニス トーナメントの真っ最中のロンドンに夕方到着。ウインブルドンといえば、突然の雨が恒例でどんよりしているかと思ったが、真夏の太陽が照り付けていてロンドンらしからぬ天候だった。
五嶋 龍デビューCDの録音は6月24日朝9時から始まった。場所はロンドンの高級住宅地ハムステッドにあるエアースタジオLyndhurst Hallで行われた。エアースタジオといえば私のような年齢のものにはあこがれのスタジオである。ビートルズのプロデューサーとして活躍したあのサー・ジョージ・マーティン が設立したスタジオなのだ。8時15分スタジオに到着すると、すでに今回共演するイギリスの名門オケ、フィルハーモニア・オーケストラのメンバーがすでに何名か到着していてアイドリングを始めていた。ドイツグラモフォンの録音チーム3名もすでにマイクロフォンのセッティングを終えていて、コントロールルームでコンピューターの最終チェックなど準備は整った。
まもなくして指揮者のウォーレン・グリーンと五嶋 龍が到着。龍はスニーカーを脱ぎ捨て裸足でレコーディングに臨む。空手二段の有段者だけあつて、この方が落ち着くようだ。
ウォーレン・グリーンがあらためて五嶋 龍をオケのメンバーに紹介。暖かい拍手が沸き起こった。9時 ラヴェルのツィガーヌからレコーディングがスタート。一曲目とあって、きめ細かいバランスとニュアンスが何度となくリハーサルされ、若々しくみずみずしい音楽五嶋龍 レコーディングがスタジオに響きわたった。一曲目は、かなり丁寧にお互いを探りあう感じもあったが、2曲目のシンディングの作品は、指揮者の「では、一回やってみましょう」という、いわゆるテイクワンの前の演奏が終わるや否や、オケのメンバーから拍手と歓声が上がった。すでに完璧であった。ソリスト五嶋 龍、指揮者、オーケストラがまさに一体となった瞬間に立会い、このレコーディングは大成功すると確信した。

翌25日は今回唯一となるオルガンとの作品のリハーサルとレコーディング。オルガンは来る8月3日に東京芸術劇場でのコンサートでも共演する高橋博子さん。この一曲のためにわざわざロンドンに駆けつけてくれた。オルガンとヴァイオリンのブレンド具合を確認して午前中は終了。スタジオ内のカフェで軽く昼食ということになり壁に書かれたメニューを見ていると、このスタジオでレコーディングが入っている世界的バリトン歌手のブリン・ターフェルがやってきて「なぜ、ここにいるんだ????」と驚いているので、五嶋 龍を紹介。「今度、一緒にやろうぜ。ヴァイオリン弾いてくれ」と気さくなブリンであった。レコーディングは28日まで続くが残念ながら、私は26日の便で帰国しなければならず、レコーディングリポートはここまで。

8月3日発売のCDぜひ聴いてください。奇跡のような録音なのです。お楽しみに。

ユニバーサルミュージック クラシックス&ジャズ M.S記(2005.7.8)
追伸:昨日ロンドンでテロが発生。たくさんの人が被害にあった。我々を暖かく迎えてくれたロンドンでの事件、人事ではない。心よりお悔やみいたします。(M.S)
 
D G