デビュー10周年第一弾シングル「Fake」では安室奈美恵と、第二弾シングル「Still…」ではAK-69とコラボレイトしてきたAI。それらに続く第3弾シングル「眠れない街」は、テレビ朝日系木曜ドラマ「警視庁継続捜査班」との“コラボレイト”だ。「今年は全部コラボでいきたいと思ってたんだけど、今回はドラマとのコラボってことで（笑）是非やってみたいなと思ったんです」という本作、「サスペンス・ドラマだし、観終わった後に希望が持てるような曲にしたいと思ってた」とのことだが、しかし歌詞はドラマに合わせて書いたというよりも、身の回りで起こった出来事をもとに書いていったそうだ。

「ちょうど歌詞を考えている時期に、友達が悩み事があってなかなか眠れないって言ってて。みんなそれぞれ悩みを抱えているだろうけど、自分ひとりで悩み過ぎなくてもいいんじゃないかと思ったのね。どんなことでも解決する方法はあると思うし、辛いことや苦しいこともいつかは終わると思うから、ちょっとでも希望を持ってほしいなと思ってこの曲を書いていったんだ。だから台本を読んでドラマの内容を把握した上で、自分の周りに起きたことと重ねて歌詞を書いていった感じ。眠れない時って安心感が欲しいと思うから、この曲を聴いて少しでも心が休まれば嬉しいね」

　悩める人々を大袈裟に励ますのではなく、「くだらない話でいいなら／きかせるよ／いつまでも」と、さりげない言葉をかける様がなんともAIらしく、そしてそんな素朴な歌詞はどんな大袈裟な歌詞よりもリアリティを持ってこちらに届く。AIのヒリヒリとした、情感豊かなヴォーカルにも心揺さぶられる1曲だ。早くも名曲の呼び声高い「眠れない街」に加え、カップリングには前作に収録されていたジュディス・ヒルとのデュエット「For my Sister」のジャパニーズ・ヴァージョンを収録。その「For my Sister」はフジテレビ「グータンヌーボ」のエンディング・テーマに起用されたし、前作収録の「Wavin’ Flags-Cocacola Celebration Mix K’Naan with AI」はCMで流れまくっていたし……今、AIが“キテる”ことは間違いない。

川口真紀