BIOGRAPHY

山下洋輔トリオ / YOSUKE YAMASHITA TRIO




Yamashita _yosuke山下洋輔 (Yosuke Yamashita) piano
1969年、山下洋輔トリオを結成、フリー・フォームのエネルギッシュな演奏でジャズ界に大きな衝撃を与える。

モントルー、ニューポートなどの著名ジャズ・フェスティバルに出演し、海外でも高い評価を得る。

数度のメンバー交替の後、83年いっぱいで山下洋輔トリオを解散。以降はソロ・ピアノをはじめオーケストラや和太鼓など様々なジャンルの音楽との共演を意欲的に行ない、活動の幅を広げる。89年アフリカ6カ国ツアー、92年には南米3カ国ツアーを行なった。
88年、ベースのセシル・マクビー、ドラムスのフェローン・アクラフと「山下洋輔ニューヨーク・トリオ」を結成、以降ニューヨークをはじめ世界各地で活動する。
90年、スイング・ジャーナル社主催の「第15回南里文雄賞」を受賞。
92年『クルディッシュ・ダンス』(ヴァーヴ/ユニバーサル)を発表、「スイング・ジャーナル」誌ジャズディスク大賞日本ジャズ賞を受賞。

94年、カーネギー・ホールで開催の名門レーベル、ヴァーヴの「設立50周年記念コンサート」に出演。

95年、ジョー・ロヴァーノを加えたニューヨーク・トリオでヨーロッパ・ツアー。『スパイダー』(ヴァーヴ/ユニバーサル)をリリース。ブラジルでA.C.ジョビンに捧げるコンサートを開催。

97年、ドイツ・ライプチヒのジャズ・フェスティバルでスペシャル・コンサートを開催。


98年、パリで佐渡裕指揮によるラムルー管弦楽団とガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」を共演。国内でもシンシナティ・ポップスをはじめ多くのオーケストラとこの曲を演奏した。同年、今村昌平監督『カンゾー先生』の音楽を担当、「毎日映画コンクール」音楽賞、「日本アカデミー賞」優秀音楽賞、さらに 98年度の芸術選奨文部大臣賞(大衆芸能部門)を受賞した。

99年、太鼓の林英哲とのデュオでマレーシア、タイ・ツアーを行なう。ニューヨーク・トリオのアルバム『フラグメンツ1999』(ヴァーヴ/ユニバーサル)をリリース。

2000年、自作のピアノ協奏曲「即興演奏家の為のエンカウンター」を発表。9月、ソロピアノ・アルバム『レゾナント・メモリーズ』(ヴァーヴ/ユニバーサル)をリリース。

01年、岡本喜八監督「助太刀屋助六」の音楽を担当。10月、オール・アメリカ人ミュージシャンによるビッグバンド・アルバム『フィールド・オブ・グルーヴス』(ヴァーヴ/ユニバーサル)をリリース。

02年、向井滋春、八尋知洋とのスペシャル・ユニット「室内楽団八向山」のファースト・アルバム『室内楽団八向山』(ZiZO)をリリース。

03年2月、和太鼓の林英哲とデュオ・アルバム『Ken-Kon』(avex io)をリリース、4月末までの3カ月間、全国ツアー『乾坤価千金』を全国17会場で実施。春の褒章で紫綬褒章受章。5月ニューヨーク・トリオでニューヨーク公演、10月にトリオ結成15周年記念アルバム『パシフィック・クロッシング』(ヴァーヴ/ユニバーサル)をリリース。

05年12月、ゲストにテナー奏者の川嶋哲郎を迎え、ニューヨーク・トリオ『ミスティック・レイヤー』(ヴァーヴ/ユニバーサル)を、06年2月22日にリリース。

98年から04年まで洗足学園音楽大学ジャズコースの代表・客員教授、以降、母校国立音楽大学の客員教授に就任し、後進の指導にあたっている。また、多数の著書を持つエッセイストとしても知られる。


セシル・マクビー (Cecil McBee) bass

1938年、オクラホマ州タルサ生まれ。17歳でベースの練習を始めるまで、ハイスクールでクラリネットを吹いていた。大学在学中にジャズベースを選択、卒業後ポール・ウィンターのグループに参加。

64年ニューヨークに進出して以降、数々のグループに参加。ジャッキー・マクリーン、ウェイン・ショーター、66年には全盛期のチャールス・ロイドのグループに加わり脚光を浴びる。その後もアリス・コルトレーン、サム・リバース、ファラオ・サンダース等と共演を重ね、75年からは、チコ・フリーマンを加えた自らのグループで活動するかたわら、ダラー・ブランド、ジョアン・ブラッキーン等と共演。堅実で重厚なベースワークにより、ウッドベースの第1人者の地位を保っている。

日本では、チコ・フリーマン・グループでの来日や、高瀬アキとの共演などで馴染み深い。山下洋輔とは、88年7月「スイートベイジル」でのライブで初めて出会う。

91年6月には、ジャズ・ミュージシャンで初めてタルサ市の名誉市民に選ばれる。最近は、演奏活動の傍ら、ニューヨーク、ボストンで後進の指導にもあたっている。95年5月、シカゴでバレンボイム指揮のシカゴ交響楽団との共演による「アフリカン・ポートレイツ」に出演。97年、自己のクインテットによるアルバム「アンスポークン」(パルメット・レコード)をリリース。同グループを率いて三度に渡りヨーロッパ・ツアーを成功させた。


フェローン・アクラフ (Pheeroan akLaff) drums

1955年、デトロイト生まれ。ジョン・コルトレーンのドラマーとして有名なラシッド・アリと出会い、大きな影響を受ける。トランペッター・コンポーザーのレオ・スミスとの共演により、国際的な舞台で活動することになる。

活動の場は多岐に渡り、アンソニー・デイビス、オリバー・レイク、ジェイ・ホガード、ヘンリー・スレッギル、マイケル・グレゴリー・ジャクソン、ソニー・シャーロック、ジェリ・アレン等との共演を通して、ドラマーとしてだけでなくコンポーザー、ボーカリスト、プロデューサーとしての才能をも開花させる。いわゆる4ビートから、ロック、レゲエ、ニュー・ウェイブ、アヴァンギャルドまで叩き分け、ニューヨークで最も多才でコンテンポラリーなドラマーとして注目されている。89年リリースのリーダー・アルバム『ソノグラム』は日本でもリリースされ、多彩な才能の片鱗をうかがわせた。

山下洋輔とは88年7月「スイートベイジル」でのライブを皮切りに、以降現在まで緊密なコラボレーションを続けている。92年には自己のグループ「アクラフ・パワー・トリオ」でも日本ツアーを行なった。93年マル・ウォルドロンのレコーディングに参加、94年にはマル・ウォルドロン・トリオのメンバーとして来日した。98年秋には早坂紗知のレコーディングに参加、柔軟なドラミングを聞かせてくれた。

近年はコネチカット州のウェズリアン大学で教鞭を取るかたわら、オペラや劇の音楽を担当したり、多彩な演奏活動を展開している。最新作は、98年『Global Mantras』と、01年発表のキーボード奏者のマイケル・ケインとのデュオ作『Brooklyn Waters』。