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ベスのつぶやき(ひとりごと)

BABYMETALの盛り上がりでヘヴィメタルやハードロックがすっかり市民権を得た今日この頃、ヨーベスの中にもヘヴィメタルやハードロックのレジェンドがラインアップされている。その中で一番のレジェンドはディープ・パープル。70年代を代表するイギリスのハードロック・バンド。当時はレッド・ツェッペリンと人気を二分していたのよね。ディープ・パープルの中心メンバーはギターのリッチー・ブラックモア。最初はキーボードのジョン・ロードが主導権を握っていたのだけど、リッチーのハードロック路線が受けて世界的にブレイクしてからはリッチーのバンドという印象が強い。ディープ・パープルは全盛期に大きなメンバーチェンジを3回やったの。その中でもイアン・ギランが在籍していた第2期が一番有名。「ハイウェイスター」「スモーク・オン・ザ・ウォーター」「ブラック・ナイト」などクラシックロックのスタンダードナンバーをたくさん生み出しているのよ。次に人気があるのが第3期。ボーカリストはデヴィッド・カヴァーデイル。「バーン」という曲が有名ね。ちなみに第1期の代表曲はクーラ・シェイカーもカバーした「ハッシュ」(原曲はジョー・サウス)。第4期はリッチー・ブラックモア不在のディープ・パープルで、人気は今ひとつ。リッチーの代わりに入ったトミー・ボーリンのギターが好きという人も多いんだけどね。

デヴィッド・カヴァーデイルがパープル解散後に作ったのがホワイトスネイクというバンド。ホワイトスネイクはファンキーでソウルフルな要素をハードロックに取り入れたバンドね。彼はそういう音楽が好きで、ディープ・パープルにも積極的にソウルフルな要素を取り入れようとしていたの。それでリッチーとぶつかったという話もあるわ。彼の音楽の指向性はイギリスというよりアメリカ。だからホワイトスネイクはアメリカでじわじわと人気を博していた。ダイブレイクしたのは1987年に発表した『白蛇の紋章〜サーペンス・アルバス』。アメリカのアルバム・チャートで2位まで上昇したの。なんと1000万枚のセールスをあげたのよ。ちなみに1位はマイケル・ジャクソンの『BAD』。それを考えても、このアルバムがいかにすごいかがわかるわね。なかでもシングル曲「ヒア・アイ・ゴー・アゲイン」はMTVでもたくさんオンエアされて、彼らの代表曲になっている。ちなみにデヴィッド・カヴァーデイルは1993年、レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジと一緒にカヴァーデイル・ペイジを結成。ディープ・パープルとレッド・ツェッペリンが出会うわけね。ホワイトスネイクは一度解散したんだけど、2003年に再結成。今も精力的にツアーを行っている。ハードロック・バンドってなかなかしぶといのよね。

ディープ・パープルの中心メンバーのリッチー・ブラックモアはパープル脱退後、レインボーを結成。ヨーロッパや日本で大きな人気を博すの。日本では、世界的にブレイクしたホワイトスネイクよりもレインボーのほうが評価としては高いわね。レインボーもメンバーチェンジの激しいバンド。一番人気があるのはロニー・ジェイムス・ディオがボーカリストだった頃の初期レインボー。「キル・ザ・キング」「キャッチ・ザ・レインボー」「ロング・リヴ・ロックンロール」などのハードロックの名曲がたくさん生まれたわ。その後、リッチーはディープ・パープルの再結成に参加したり、ジプシー音楽をベースにしたブラックモアズ・ナイトで活動をはじめるの。その間、レインボーの活動は解散状態。ブラックモアズ・ナイトはヨーロッパの一部では人気を博すんだけど、ハードロック・ファンには不評だった。ところが、2016年、リッチーはハードロック・シーンに復帰。新たにリッチー・ブラックモアズ・レインボーとして活動を再開するの。ここ20年近くはハードロックの世界から離れていたので、久しぶりのリッチーの復活でファンは大喜び。現在、レインボーはヨーロッパを中心にいろんなフェスでレインボーの曲のみならず、ディープ・パープルの曲も披露しているわ。新生レインボーとして新しい作品に期待したいところね。

ヨーベスのなかにはイギリスではなくアメリカのハードロック・バンドも入っている。その代表格がKISS。日本の歌舞伎からインスパイアされた奇抜なメイクは有名ね。だけど曲はとにかくポップ。そしてノリのいいロックンロール。火を吹いたり血を吐いたりするパフォーマンスも受けて、ライブバンドとしてその名前は初期の段階からどんどん浸透していき、75年に発表したライブ・アルバム『地獄の狂獣 キッス・ライヴ(ALIVE!)』で大ブレイクを果たすの。その2年後の1977年には初来日。その模様がNHKで中継されて、日本でも大ブレイクするのよ。当時、日本ではクイーン、エアロスミス、KISSの3つのバンドが大きな人気を獲得してヒットチャートを賑わしたの。信じられる? KISSは一時期、メイクをやめて活動していた時期もあるんだけど、90年代の後半に再びメイクをして原点に回帰。人気が再燃するのよ。何度かのメンバーチェンジはあるものの、ジーン・シモンズとポール・スタンレーは今も中心メンバーとして活躍しているわ。2015年にはももいろクローバーZとコラボレーション。シングル「夢の浮世に咲いてみな」を発表している。日本でのKISSの人気は本当に根強いわね。

そのKISSと人気を分けあっていたエアロスミスもアメリカのハードロック・バンド。彼らはブルースとロックンロールをベースにした楽曲をたくさん発表してきた。「ドリーム・オン」「ウォーク・ディス・ウェイ」「スウィート・エモーション」「バック・イン・ザ・サドル」なんかはとても人気があるわ。ところが、途中でギターのジョー・ペリーが脱退して、80年代前半は人気が低迷するの(ジョーは84年に復帰)。日本でもあまり評価されなくなっていたのよね。80年代はアイアン・メイデンのようなヘヴィメタルが台頭していて、ブルースやロックンロールをベースにしたエアロスミスのようなハードロックにとってはきびしい時代だったのかもね。人気が再燃するのは86年にRUN DMCが「ウォーク・ディス・ウェイ」をカバーしてから。87年に発表した『パーマネント・ヴァケーション』に収録されていた「エンジェル」のヒットが後押しすると同時に、当時台頭してきたガンズ・アンド・ローゼズなどの若いハードロック・バンドたちがエアロスミスへのリスペクトを全面に打ち出したの。それもあって若いリスナーからの支持も受け、エアロスミスの人気は完全に復活したのよ。今やハードロックのレジェンドとして活躍しているエアロスミスなんだけど、先ごろ、ボーカルのスティーヴン・タイラーが「2017年のツアーをもって解散する」と発言。ジョー・ペリーがすぐに否定したんだけど、メンバーはもう70才近いからどうなるかわからない。次に来日したときには観ておいた方がいいかもね。

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