出来上がってきたアルバムを最初に聞いたのは歌小屋の2階だった。
ステージのピアノとマイクがスポットライトに照らされていた。
それをじっと見つめながら聞いていた。ここから始まったのだなと 感じた。
目を閉じたら夜見る夢みたいに頭の中で色んな所に行った。遊園地みたいに鮮やかに、かなしみも驚きも喜びも怒りも音楽の中でくるくる回っていた。太鼓の音ギターの音ヴァイオリン、管楽器が鮮やかに万華鏡の模様の中にいた。
気がつくと一人だった。同じ場所に立っていた。ステージとピアノ、マイクとスポットライト。でも同じじゃない、胸の中に小さくひかる万華鏡がくっついていた。私はここにいて、どこにでもゆける。
何度でもまた始まるし、その度ここに戻ってくる。そう思えた。
きっと誰もが持っている、心に焼きつけたその風景に。
矢野絢子
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