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ウェイン・ショーターへ電話インタヴュー!!

Wayneウェイン・ショーター電話インタヴュー

2012年12月20日(木)
WS:Wayne Shorter(ウェイン・ショーター:ロサンゼルス)
YF:Yasuhiro Fujioka(藤岡靖洋:大阪)


ナイト・ドリーマー

「ウェインは寝ていますよ~。」
「え~っ、もうお休みですか?」
 電話を掛けたのが日本時間午後2時45分、ロサンゼルスの西海岸時間では前日の夜9時45分。ウェイン・ショーター、80歳。おとしなので早く寝るのかなあと勘繰ったけど、
「ええ、だいたい今頃は眠って、深夜2時頃から起きて作曲しているわ。明朝またかけてね」と、奥さんのキャロリーナさん。
 あの黒魔術的、呪文のような、はたまた禅問答のような独特のショーター・モードは深夜に生まれるのだと判った。傘寿(80歳)を過ぎてもまだまだ衰えない創作意欲。「深夜に作曲」と聞いて少しだけ『ナイト・ドリーマー』(Blue Note BLP-4173)の意味が分かったような気もした。


「果てしない無重力(Zero Gravity to the 10th Power)から UFOへ」

今回のCD『ウィズアウト・ア・ネット』はおおむね去年10月~11月の欧州ツアー時のライヴ録音。
YF:ぼくの手元に2012年7月ウンブリア・ジャズでのセットリスト(演奏曲目表)があるんですけど、それによるとだいたいこのCDと同じような曲名が並んでいます。“無重力(Zero Gravity)”“オービッツ”“プラザ・リアル”“スターリー・ナイツ”…。

WS:“無重力”、この曲、ぼくらは毎回違った演奏をするよ。でも同じことは踏襲せず、常に新しい演奏を展開してるんだ。 “無重力”から超重力、そして空飛ぶ円盤へと音符が変化してゆくんだ。

YF:実際に、空飛ぶ円盤と言う形ですか?それとも何か具体的な形が有るのですか、例えば飛行機とかジェット戦闘機とか?

WS:いや、そうではなく、ぼくらは音符の中を遊泳しているんだ。だから未確認飛行物体なのだよ。この曲は、カントリー、ウェスタン、ジャズとかそんなの意味ない世界だよ。ぼくにとってジャズとは…、JAZZとは、「I dare you!=(やれるものなら)やってみろよ!」だね。だれも出来ない大胆な挑戦だね。

YF:そうですね、音楽がとっても挑戦的です。


チャレンジを創造し、破壊する!

WS:今回の“フライング・ダウン・トゥ・リオ”だけどね…。

YF:あ、『空中レヴュー時代』の、あれは1933年あなたの生まれた年の映画ですね。(注:ここは筆者が予習しておいた)

WS:そうだ、あの音楽の雰囲気が好きなんだ。まるでアマゾンのジャングルのようだ。たいへんミステリアスで。

YF:今度の来日で、どのような音楽を演奏されますか?このCDからのラインナップですか? WS:そうだね、それと新しい何かも演るつもりだ。

YF:わお、それは楽しみです。

WS:なにかこの世の最後みたいなものを演奏するかも。この世の最後は、ぼくらが知っていたものだ。それはマヤ歴に「(西暦2012年12月21日)一つの時代が終わって、新しい時代が生まれる」と言うのが有る。自己的で欺瞞的な人々が多い世の中で、たくさんの人が怖れをなし、祈りの部屋から出て来る。未知を恐れずに挑戦するんだ。

ぼくらは音楽で、チャレンジを創造し、また破壊する。だからリハーサルはやらないんだ。男と女がデートする時にリハーサルしないのと一緒だよ。

YF:だからライヴなのですね?

WS:そうだよ、スタジオではうわべを飾りたてるような感覚になるからね。見せかけの美容整形みたいにね、が、は、は。

YF:よりナチュラルですね。


最強のメンバー

YF:ダニーロ(ペレス)もジョン(パティトゥッチ)も大変すばらしいミュージシャンですが、ドラマーが初耳ジョナサン・ヴィンソンですね?

WS:彼はキャリフォルニアのロングビーチ生まれでUCLA卒業。セロニアス・モンクのマスタークラスをあと二年勉強する若い人材だが、誰もが驚愕するアビリティの持ち主だよ。ハービー・ハンコック(p)もジミー・ヒース(ts)もぼくも(2012年8月)初めて聴いたとき椅子から転げ落ちそうになった位、強烈に素晴らしい!!!

YF:彼があなたのバンドにもたらす効果は?

WS:想像力だね、未来へ向かうエネルギーを秘めた。すでにすべてを持っているので、ぼくから教えるものなんて何もないね。

YF:それは大変楽しみな逸材ですね。


先ごろ再発売されたブルーノートのBNLAシリーズの一翼を担う名盤『モト・グロッソ・フェイオ』(70年)の爽やかな味が好感され、ジャズでは異例の好セールスを続けるショーター。
その彼が、ヴァーヴ時代の『フット・プリンツ・ライヴ!』路線継承型ライヴアルバム『ウィズアウト・ア・ネット』を発売、3月にも待望の来日が予定されている。ウェイン・ショーター、今、最も旬のアーティストの一人が新アルバムと共に間もなく皆さんの眼前に!

*JAZZ JAPAN VOL.30(2013年2月号)にも、藤岡靖洋氏によるウェイン・ショーターのインタビューが詳しく掲載されております。そちらも併せてお楽しみください!
http://www.jazzjapan.co.jp/magazine.html

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