SPECIAL INTERVIEW

マーズ・ヴォルタ

約1年半ぶりにニュー・アルバム『八面体』を完成させたマーズ・ヴォルタ。前作の『ゴリアテの混乱』とはひと味違ったアコースティック色の強い穏やかな方向性のアルバムには、静かなる狂気とでも呼びたい捩じれた世界観が広がっている。困難を極めた前作から一転した理由や、新作の制作プロセスについて、ギタリストでプロデューサーであるオマー・ロドリゲスに語ってもらった。

<インタビュー:村上ひさし>

――これまでのアルバムに比べてよりアコースティック色が強く、メロウな側面が強調されているようですが、この方向性に行くことになった経緯というのは?

自分としても探求してみたかった方向性だし、これまでのマーズ・ヴォルタのアルバムでも少なくとも1曲はアコースティック色や、そこを出発点としている曲があったと思うんだ。いつも、一度そういった方向性を突き詰めてアルバムを作るのは面白いんじゃないかと考えていた。そんなところに、ちょうど前作『ゴリアテの混乱』という非常にアグレッシヴなアルバムを作った後だったから、次はまったく正反対のこういった方向性のアルバムがいいんじゃないかと思ったんだ。もっと穏やかで暗いアルバムを作るのが、もっとも賢明な選択だと思われたんだ。

――前作の制作ではそうとう苦労されたようですが、今回は?

うん、今回はようやく穏やかな季節が訪れたって感じだよ。前作が冬だったとすれば、ようやく春がやってきたっていう感じかな。氷が溶け、花が咲き……それがこの新作なんだ。

――普段より早く仕上がったとか?

そうだね、アルバムの制作が自分にとっての挑戦であるのはいつも変わらないけど、全行程をすごく楽しむ事ができた。とりわけ『ゴリアテの混乱』の後だっただけに、すごく素晴らしい体験だと感じられたよ(笑)

――そんなに前作の制作はひどかった?

もう悪夢でしかなかったよ。悪夢としか言いようがなかった。作っている最中から嫌で嫌でしょうがなかったし、逃げ出したかった。あのアルバムを完成させた唯一の理由は、“俺って頑固者、やり始めた最後までやり遂げてやる!”っていう、そういう気持ちだけだった。“どんな問題が起ころうと、とにかくこのクソったれアルバムを完成してやるぞ”ってね(笑)。俺の音楽人生においても、最悪の経験だったよ。

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